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最強の営業人材育成、「営業同行」のポイント

2022.09.05

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企業が存続するために絶対に必要なもの、それは「売上」です。理念や戦略、人材など、企業経営に大切なものは他にもありますが、それらを活用するための資金がなければ物事は始まりません。だからこそ、優秀な営業パーソンを育てることは、企業命題「永続性」を確保するための大切な施策の一つなのです。今回は営業人材育成の王道、「営業同行」について考えます。

なぜ営業同行は若手社員を成長させるのか

若手社員に営業の仕事を覚えてもらおうとするとき、机上の説明では何とも伝えきれないことがあります。それは、お客様と対峙したときの様々な振る舞いと感覚です。

訪問時のビジネスマナーからはじまり、商談のアイスブレイクや商品説明、クロージング、そのどれをとっても、結局のところ経験してみないことには、何が正しく、何が不適切なのか腹落ちせず、若手営業パーソンができるようにはなりません。

また、お客様の言葉や行動から何が掴みとれるのかについても、相手のあることですから事前に説明するのは難しいでしょう。

若手社員の経験の浅さを補うために、上司と部下の間で顧客訪問のシミュレーションをすることがあります。一定の効果があり、ここまでしてくれる上司はとても丁寧で、熱心です。若手社員もこのシミュレーションをしている場合と、していない場合で、お客様の前に出たときの自信の持ち様が違うでしょう。

しかしご存知のように、その日、営業先で起こることを正確に予想することは難しいものです。それは、お客様の言動次第で商談にいくつものパターンが生まれ、そのパターンごとに営業パーソンは自分の行動を変える必要があるからです。

もちろん、経験豊富な皆さんは、商談の進み具合、お客様の人となりや前回アプローチ時の様子などから、ある程度の商談パターンを予想して訪問当日の準備をしていることでしょう。

「若手社員にもそうした商談パターンの想定方法を教えてあげればいいじゃないか」

とお思いになる方もいるかもしれません。

では、商談パターンについて知識を伝えたとして、商談の最中、「今回はBパターンでいこう」と気づく、いわゆる勘所をどう説明したらよいでしょうか?

実際の商談に同席し、お客様の様子とそれに対する先輩・上司の打ち手を観察する、これほど若い営業パーソンにとって勉強になることはありません。初回訪問時の先輩・上司のコミュニケーションの取り方しかり、自分の営業スキルでは、なかなかチャンスの訪れない、クロージングや成約の瞬間に立ち会えることも貴重な経験です。ワクワクするような、本格的な商談の現場に同席することは、営業パーソンとしてのモチベーションを上げる意味でも大切なのです。

営業同行は、若手社員と先輩や上司が一緒に顧客を訪問する、表面上はそれだけのことです。しかし若手の営業パーソンにとっては、先輩・上司の営業スキルを見て学ぶこともでき、また、自分の営業スキルについてアドバイスをもらうこともできるこの上ない機会なのです。

営業同行で気をつけること

ここからは、営業同行で気をつけたいことについて、まとめたいと思います。

目的を明確にして臨む

営業同行の目的は大きく分けて2つ。それは、

①顧客を訪問する営業活動としての目的

②先輩・上司の営業活動を見て学ぶ教育訓練としての目的

です。お客様を訪ねる前に、最低この2つは確認をしておきます。

①の営業活動としての目的を理解するには、顧客情報や商談の進捗度合、その日の商談のゴール設定などを事前に共有しておく必要があります。②については、先輩・上司と若手社員との間で認識に差があるかもしれません。若手営業パーソンの保有するスキルや、営業活動についての悩み事、疑問点を予めヒアリングして、営業同行の当日に何が学べるのか、お互いに認識を合わせておきましょう。

なお、若手営業パーソンから主体的かつ積極的に同行の際に何を学びたいのか意見が挙がらないときは、同行の予定を改めてもよいかもしれません。営業同行は若手営業パーソン育成の手段ではありますが、本来の目的は営業活動です。“何となく”といった、いい加減な気持ちで商談に同席させるのは避けるのが賢明でしょう。

主役は誰か、役割分担をして臨む

複数名でお客様を訪問するときは、事前に商談での役割分担について認識を合わせておきます。

先輩・上司の商談に若手営業パーソンを同行させる場合でも、そのスキルに合わせて、商談中に何らかの役割を担ってもらうとよいでしょう。まだお客様とのコミュニケーションは難しいと思う若手社員でも、資料の用意をしてもらうなど、商談を自分事として取り組めるように先輩・上司側が気を配ると、営業同行の当日に得る気づきの深度が違ってきます。

また、若手営業パーソンの商談に先輩・上司が同行する場合は、先輩・上司は商談に関与しすぎないように気をつけるとよいでしょう。つい、口を挟んでしまいそうになる気持ちはグッと我慢です。致命的なミスがない限りは商談の主役である、お客様と部下のやり取りを見守るスタンスでいることが大切です。若手営業パーソンの商談の進め方や言動で気になったことがあれば、商談後の振り返りでのアドバイスに加えます。

評価と振り返り

恐らく、若手営業パーソンの営業に先輩・上司が同行した場合は、商談終了後に振り返りをして、評価をしていることと思います。その際は、立ち居振る舞いや言葉遣い、ヒアリングの精度、次回商談の機会の獲得、クロージングなど、当日の商談の目的に合わせて一つひとつ振り返りながら、若手営業パーソンの学びの輪郭をハッキリとさせていきましょう。

一方で、先輩・上司の営業に若手営業パーソンが同行したときにも、振り返りの時間を設けている方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。商談の終了後、まだお客様とのやり取りの印象が強く残るうちに、予め掲げた営業同行の目的にそって、若手営業パーソンの気づきを言語化する支援をすると、営業同行での学びがより深く刻まれます。

まとめ

若手営業パーソンのなかには、お客様とコミュニケーションをとることよりも、営業同行で隣に先輩や上司がいることに緊張してしまう人もいるものです。その場合は、どんなに十分な準備をしたとしても、よいパフォーマンスを発揮することはできません。

教育訓練としての営業同行のお話しをしてきましたが、営業活動は“売上”を上げるための、もっとも重要なアプローチです。先輩・上司が同席することが理由で、顧客先で若手営業パーソンのパフォーマンスを下げてしまっては本末転倒です。日頃から丁寧に信頼関係を築き、どのような状況でもお互いが高いパフォーマンスを発揮できるよう気を配ってみてください。教育訓練の枠を超えて、チームで営業活動をするメリットが生まれることと思います。

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