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ファシリテーション上手になるぞ!「場のデザインスキル編」

2022.07.21

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ファシリテーションとは会議をスムーズにそして効果的に進めるテクニックです。優秀なファシリテーターが進行する会議は、参加者の納得のもと、短時間で有効な結論や結果を生み出します。一方で、ファシリテーターの言動に過不足がある会議では、何時間もかかったのに、何も決まらず、議題が次回に持ち越されたりします。タイムパフォーマンスが重視される現代では、すべてのビジネスパーソンにファシリテーションスキルが期待されているのです。

ファシリテーション上手は目的意識が高い

現代、ビジネスパーソンは一人で複数の案件をこなすことが多くなりました。一つのプロジェクトだけに取りかかるということは稀で、多種多様な職務を同時進行させて、日々の納期に対応しています。結果的に一つの仕事にかけられる時間も限られ、自ら割り当てた作業時間内に意識的にフォーカスを高めて、無駄を省きタイムパフォーマンスを上げなければなりません。

その時、優秀なビジネスパーソンがしていることは、仕事の目的と目標を忘れないことです。目的や目標が軽んじられた仕事は、往々にして脇道に逸れる傾向にあります。道を逸れても本筋に戻ってくるのなら、まだ救いがありますが、なかには、いつまでも同じ場所で足踏みするような仕事もあります。いわゆる、“仕事をすることが目的”となった状態がそれに当たります。

目的や目標は仕事をするうえでの大義ですが、存在意義はそれだけではありません。タイムパフォーマンスの高さが評価される現代において、仕事の目的・目標は、効率よく最短で成果を上げるための指針でもあるのです。

さて、会議や打ち合わせの場を仕切るテクニックであるファシリテーション。その場に集まる人がどのような目的を持っているかを理解していないとそれを上手く行使することはできません。つまり、会議・打ち合わせの場がどうしたら成功裏に終結するのか、参加したすべての人に会議の価値を認識してもらうには何を持ち帰ってもらうべきか、ファシリテーターは、これらを明確に理解している必要があるのです。

アイデア出し、報告・連絡、意思決定。会議や打ち合わせには色々な種類があります。そして、その参加者は自分なりのイメージや意見をもって会議に臨んでいます。時には参加者の意見が対立し、ファシリテーターの手に負えないシーンもあるかもしれません。

しかし、そういうときこそ、会議の目的が意味を持ちます。優秀なファシリテーターは、参加者に会議の目的を想起させ、建設的に意見を集約させます。“目的や目標”が成果を上げるための指針であるのは、ファシリテーションでも同様です。

ファシリテーションの4大スキル

ファシリテーションを担うにあたって知っておきたいのが、次のファシリテーション4大スキルです。

① 場のデザインスキル
② 対人関係スキル
③ 構造化スキル
④ 合意形成スキル

「場のデザインスキル」は会議が効果的に進むように、会議の開催前にする準備のことです。目的やゴールを周知したり、ルールを決めたり、会議全体のシナリオを考えたりします。

「対人関係スキル」は会議中に参加者の発言を促して意見を引き出し、アイデアを展開していく働きかけのことです。

「構造化スキル」は会議参加者の意見を整理・分類して、議論を深めていくアプローチを指します。

「合意形成スキル」は会議中に挙げられた意見の中から、何をどのように採択するかを決定して、参加者の合意を取り付ける手法や働きかけのことです。

ここだけの話し、ファシリテーションの4大スキルを明文化するとき、私はいつも残念な、陳腐な思いに駆られます。それはあまりに“当たり前”に聞こえるからです。何か特別な恰好のよいスキルがあればよいのですが、会議や打ち合わせに必要なファシリテーションスキルは、実に単純で明解です。

ただし、基礎技術が簡単であるとは限らないのが世の常です。たとえば、皆さんがされた習い事を何か一つ思い浮かべてください。私の場合は「水泳」。手足を力強く動かして速く泳ぎたいと思いますが、「蹴伸び」(=プールの壁を蹴ってスタートすること。手足は動かさず浮力を保ち前進する)が正しくできていないとタイムは上がりません。記録を持っている選手の「蹴伸び」は美しく、壁を一蹴りするだけで水の上をどこまでも進んでいきます。

ファシリテーションの4大スキルも一つひとつは当たり前に思えるもので、つい「それはそうでしょ」と言いたくなる働きかけです。しかし、これらを毎回の会議で必ず実践できている方がどれほどいるでしょうか。議題の難しさによって議場が紛糾することもありますが、ファシリテーションの拙さから必要以上に時間がかかったり、意見がまとまらなかったりという例も少なくないでしょう。

何ごとも準備が大事。「場のデザインスキル」

「会議や打ち合わせは、開催前にすでに始まっている」。しばしば、こう言われるのをご存知でしょうか。それは、「場のデザインスキル」でいうところの“事前準備”を指しています。

お客様と打ち合わせを設けた際に“アジェンダ”を準備することがあります。打ち合わせで何を話したいのか、何を決めたいのか、目的や議題を提示して打ち合わせの進行をスムーズにするのがアジェンダです。

また、その打ち合わせに同席すべき人の顔触れを決めるのも大切です。状況をよく知っている担当者、決定権のある上役、後工程を担当する他部署のメンバーなど、必要な人をリストアップして招待しておきたいところです。

これらは「場のデザイン」の一環で、打ち合わせを主体的にデザインする手法です。

さて、上記2つの「場のデザイン」手法、アジェンダと参加者の選定については、皆さんもイメージがしやすいことと思います。では「情報の共有」についてはいかがでしょうか。

事前に情報共有をしなかったために会議が不活性に終わることがあります。

わかりやすいのは報告・連絡会議での取りこぼしです。報告・連絡会議では、すべての参加者が報告内容に対して事前情報を持っているわけではありません。だからこその報告・連絡でもあるのですが、面倒なのは、報告内容をある程度知っている人も会議に参加しているということです。そうした場合の会議は知っている人同士で進められ、事前情報がない参加者は議題についていけず積極的な参加を諦めてしまいます。

これが、報告・連絡会議で起こりがちな「取りこぼし」です。

報告・連絡会議に参加して「内容がわからない」という状況が、その参加者の勉強不足だと一概に否定することはできません。それは、情報にアクセスしやすい立場とそうでない立場があるからです。また、普段まったく別の業務に携わっているメンバーなら、わからなくて当然です。

ファシリテーターは、「会議当日のファシリテーション」に気持ちが向く傾向にあり、アジェンダや参加者の選定は周到に用意することが多いようです。しかし、スムーズな会議進行をするためには、参加者の背景にも気を配る必要がありそうです。参加者のすべてが納得して終了する、そうした会議にするための手法が、ファシリテーションの「場のデザインスキル」です。

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