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まったなし!知っておきたい部下のメンタルヘルス

2022.09.21

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1日の多くの時間を会社で過ごすビジネスパーソン。ストレスの元凶が会社、仕事にあると逃げ道がなく、メンタル不調に陥ってしまうことがあります。管理職、マネージャーはそのような事態を招かないように、日頃から部下とのコミュニケーションをとることが大切です。今回は職場のメンタルヘルスについて考えます。

部下のメンタルヘルスが気になるわけ

チームを統率する管理職の皆さんは、ご自身のストレス以上に部下のストレス状態、メンタルヘルスの状態が気になるのではないでしょうか。仲間として純粋に部下の調子や体調を心配する気持ちはもちろん、組織目標の達成を命題とする管理職ならではの心配もあるかもしれません。なぜなら、メンバーのメンタルヘルスは、チーム全体の生産性に影響を及ぼすからです。

厚生労働省が調査をして発表した「令和3年労働安全衛生調査」(対象:14,000事業所)によると、令和2年から令和3年の調査対象期間に、メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者や退職した労働者がいた事業所の割合は、10.1%だそうです。

令和2年の同調査では9.2%、平成30年は6.7%でしたから、明らかに増加傾向にあります。管理職の皆さんにとって、メンタルを崩してしまう部下がいることは、決して特別なことではなくなっているのです。

体調を崩してしまった部下には、早期に快復できるように休業してもらったり、相談のうえで担当業務を見直したりといった対応をします。かといって一時でも大事な戦力を欠くのは、チーム目標の達成に大きな課題を抱えることになります。

管理職の役割と部下のメンタル不調

さて、メンタル不調になると表れる変化は次のようなものです。

メンタル不調で現れる変化

・集中力が低下する
・判断力が低下する
・意欲や好奇心がわかない
・ミスが多くなる(事故を起こしてしまうことも…)

いずれも、安全かつ高品位な仕事ができなくなることが予想されます。また、残念ながら、一人のメンバーのメンタル不調はチームにもよくない影響を及ぼします。メンタル不調となった仲間の仕事がメンバーに割り振られれば、業務が増え多少なりとも不満を感じるでしょう。業務が増えれば、一つずつの仕事にかけられる時間が少なくなりますから、商品やサービスの質にも影響がありそうです。

管理職の役割は組織目標の達成です。その実現のために、管理職はチームメンバーが十分に能力を発揮できる職場環境を保たねばなりません。メンタルヘルスマネジメントが上手くいかなかったことによって、チーム全体の活力や生産性を下げてはいけないのです。

常日頃から、部下とのコミュニケーションをはかり、仕事の量、難易度、納期などについて把握するのはもちろん、チームの許容量を超えた仕事から生じる、さまざまな歪の発生を回避する必要があるのです。

メンタル不調にはサインがある

とはいっても、心のバランスは当人も気づかないうちに崩れてしまうものです。ゆえに、上司が部下のメンタル不調を防ぎきることはできません。管理職の皆さんができることは、部下の変化に早い時期に気づき、必要な対応をとることです。

知らず知らずのうちに進むメンタル不調ですが、実は、同じ職場で働くからこそわかるサインがあります。

メンタル不調のサイン

・遅刻、早退、欠勤が増える
・朝、挨拶の声が小さい、挨拶をしない
・口数が減る、口数が増える
・メールの返信が遅くなる、返信しない
・他者の言動に過敏に反応する
・反抗したり、イライラすることが多くなる
・服装、髪型など身だしなみに気をつかわなくなる
・仕事の能率が低下する(スピードが落ちた、失念、うっかりミスの増加など)
・飲酒量が増える
・急にやせたり、太ったりした

その他、気分にムラがあるように感じたり、表情が暗くなったと感じるメンバーがいたら、少し注意をして観察してあげるとよいでしょう。メンタル不調は病名のある精神障害だけを指すのではありません。病気ではないけれど、強いストレスからくる悩みや不安で、仕事や日常生活が滞ることも含む精神状態の総称です。部下が悩みを抱えていそうだと気付くこと、そして声をかけ、適切な対応がとれること、これが、部下の健康を保障するかもしれません。

意外な場所に潜むメンタル不調の原因

メンタル不調を起こす事象はさまざまですが、共通して言えるのは、過度のストレスが原因であるということです。ストレスは、適度なものなら集中力を高めモチベーションを維持するのに有効に作用します。そういう意味で“人”にとって、外部からの刺激はすべてストレスであり、ストレスのない社会生活はあり得ません。

ただし、ストレスが受け止めきれない量に達したとき、私たちはそれに抗えずに意欲が落ち、メンタル不調を起こしてしまうのです。

管理職の皆さんは、部下たちに健康に活躍してほしいと思っていることでしょう。前述したように、部下個人のメンタル不調を防ぎきるのは難しいですが、職場にあるメンタル不調の原因を知っておくのは、チームの活性を維持する助けになります。

職場にあるメンタル不調の原因

・役割や地位、勤務場所の変化(昇進や昇格、配置転換、職種転換などがこれに当たります。)
・人間関係の悪化(本人が当事者でない場合もメンタル不調の原因になることがあります。)
・仕事の質や量の変化(高すぎる期待はもちろん、低すぎる質や少なすぎる仕事量も、本人の能力に見合わなければメンタル不調の原因となり得ます。)

これら職場環境の変化は、精神的にも体力的にもビジネスパーソンに負荷を与えるため、その程度によっては限界を超えるストレスとなりメンタル不調を引き起こしてしまいます。

管理職として悩ましいのは、メンタル不調の原因がビジネスパーソンとして成長するために必要な事柄ばかりだということです。部下のキャリアのために善かれと思って下した判断でも、思いがけず不調の原因になることを知っておきましょう。

まとめ

管理職の皆さんが、職場環境を整え、皆が健康に仕事ができるように働きかけている姿勢は、きっとメンバーにも伝わります。自分たち部下を支援しようとする上司がいることで、メンバーは安心して仕事に打ち込むことができるでしょう。でも、もし万が一、皆さんの部下がメンタル不調を訴えたら、一人で解決しようとせず、会社の人事部や産業保健スタッフ、産業医などに相談をしてください。そして、自分の職責の範囲でするべきことをリスト化しておくとよいでしょう。これは、部下のメンタルヘルス対策によって、管理職自身が疲弊してしまうのを避けるためです。

職場のメンタルヘルスは日常業務と違ってセンシティブな側面があるため、業務経験を積んだ管理職であっても、つい感情先行で行動を決めてしまう傾向があります。それは致し方なく、人として当然ではあるのですが、体調を崩した部下を思う気持ちと、管理職としての職責を切り離して整理しておくことをお勧めします。

日頃から部下のメンタルヘルスに気を配り、適切な対応をしている管理職の皆さんならば、過度な責任を感じて落ち込む必要はありません。まずは、体調を崩したメンバーの快復に向けた取り組みと、他メンバーに対するフォロー体制を整えましょう。そして、管理職の皆さんご自身が健康でいることが何より大切です。

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