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ロクゼロコラム
ロクゼロ注目!ビジネススキル
君はなぜ辞めるのか?企業が打つべき離職防止策。
2021.10.25
社員定着率は企業の対外的評価の柱の一つです。しかも、労働人口が減少の一途をたどる昨今、優秀な人材を確保できるかは、企業の戦力に大きな影響を及ぼします。これらは、今更わかりきったことなのですが、多くの企業が若手社員の定着に課題を抱えています。今回は「なぜ、若手社員が辞めていくのか」を考えます。
社員の離職が企業に及ぼす影響とは
まず社員定着率の低さが、会社にどのような悪影響を与えるかを整理します。
仲間が去っていくことに対する単純な寂しさは当然ですが、それが優秀で頼りになる人材の退職だった場合、チームの戦力にとって大変な痛手です。また、若手社員がどんどん辞めていく会社は、対外的にも社内的にも求心力をなくしていきます。社員の離職が企業に与える悪影響をまとめてみました。
■企業イメージ、信頼感の低下
■残った社員の業務負担増大・生産性の低下
■社員モチベーションの低下
■知識・情報の流出
■ナレッジ継承の途絶
■欠員補充のための費用、人的コスト発生
■欠員補充後の再教育にかかる費用、人的コストの発生
代表的と思われるものを挙げましたが、企業規模、業種、退職者が担っていた職種などによって、その表出の仕方やインパクトの大きさなどが異なることでしょう。
いずれにしても、大事な社員が退職をしてしまって喜ばしいことは一つもありません。採用活動費用や教育費用、情報セキュリティーの側面など経営の観点でマイナスなことはもちろん、私たち、一般社員の感情面や業務負担、仕事効率などを考えても社員の離職を防ぐ必要性は高いのです。
辞める理由をググってみた
昭和生まれのビジネスパーソンは「終身雇用の時代は終わった」と感じていることでしょう。そして平成生まれのビジネスパーソンは、「終身雇用」について考えたこともないかもしれません。かつて「転職はよくないこと」という時代があったのは事実ですが、令和3年の今日、その概念はもうありません。
しかし、社員が辞めていくことをある意味で「仕方ない」「そういう時代だ」とする一方で、やはり退職者が相次ぐことは受け入れられないものです。特に、昭和生まれのマネジメント層にとっては、「退職=前向きなキャリアデザイン」という考え方に馴染めない人も少なくないでしょう。
また、若手社員であっても、仲間が退職して自分だけ残される現実は、仕事の面でも、精神的な面でも辛く感じるのではないでしょうか。
社員の定着率の低さに悩んでいる企業は多く、そのため退職理由を調査公開している団体が多数あります。実際に、“退職理由 ランキング”と検索するとたくさんのサイトがヒットしますので、自社の労働環境と比較してみてもよいかもしれません。
以下は求人情報サイト「Biz Hits Work」を運営する株式会社ビズヒッツ(三重県鈴鹿市)が2020年11月に公開したプレスリリースの記載内容です。20代で初めての転職を経験した男女554人を対象に「初めての転職に関する意識調査」を実施し、そのデータをランキング化されています。
転職・退職は決して会社への不満だけが理由ではありませんが、やはり、望んだ環境ではないことが主な理由であることがわかります。転職を前向きなキャリア構築とする考え方はあるものの、転職を決意するきっかけになるのはネガティブな感情であるということです。
辞めないでっ!と焦る前の離職防止策
さて、社員が会社を辞めたい理由の多くを占めているのが、ネガティブな感情、労働環境への不満であることがわかりました。では、私たちが何をして何を変えていけば、大切な社員が一緒に働き続けてくれるのでしょうか。
私たち個人や企業がするべきことをまとめました。
■コミュニケーションの力を大いに活用する
■キャリアデザイン、目標設定に関与する
■指導・教育に手を抜かない(基礎をぬかりなく、相手に合わせた指導スタイルで)
■ハラスメントやいじめなどを組織的に許さない
■適正な勤怠管理と納得感のある給与制度の構築
■柔軟な働き方ができる制度改革
いかがでしょうか。その他、抜け漏れはないでしょうか。どれも、当たり前と言えばそれまでのことですが、昭和のビジネスパーソンは会社に一つや二つ不満があったとしても、「辞める」という選択をしない人が多くいました。令和の時代はそうではないということですね。
勤怠管理や給与制度、働き方改革の実現などは、会社の規模、業態、または業績によって実現が難しいこともあります。しかし、一社員として十分に働きかけができることもあります。
特にコミュニケーションは、目標設定の関与や指導・教育、あるいはハラスメント事案があった場合にも、有効な手立てとなります。コロナ禍で人と人とのコミュニケーションが取りづらいことは確かですが、働く環境や人間関係に悩んでいる人の声を聞けるか否かは、退職者を出さない健康な組織になるための重要な要素です。
まとめ
会社制度を変えるには労力やコストがかかります。コミュニケーションを増やすことも実は人的、時間的なコストがかかります。しかし、退職者を出すことによって企業が受ける悪影響を考えれば、それは必要なコストだと言えるでしょう。若手社員の退職に課題を抱えている企業の皆様、今できる離職防止策を考えてみてはいかがでしょうか。
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