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色は主張する。ビジネスと色彩効果の関係とは?

2022.10.25

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皆さんの好きな色は何色ですか。赤?青?黄色?人によって好みの色が違うことからも分かるように、どうやら「色」にはそれぞれ特有の個性がありそうです。「色」が人に与える影響を研究する「色彩心理学」という学問もあります。今回は普段何気なく見たり使ったりしている「色」と「ビジネス」との関係を考えます。

色が人に与える効果とは?

部屋の模様替えをしようと考えたとします。皆さんは最終的な室内の雰囲気を思い浮かべて、カーテンやラグ、家具の色を決めていきませんか?恰好いい系なら「黒」や「グレー」、かわいい系なら「ピンク」「白」といった具合に、基調となるインテリアの色を何色にするかは、部屋の雰囲気、イメージを左右する大切な要素です。

私たちが「色」について一生懸命に考える機会はそれほど多くはないかもしれません。しかし、自分でも気づかない間に「身の周りが好きな色で溢れていた」という人もいるでしょう。あるいは、なりたい自分をイメージして、あえて好みとは異なる色を身に付けていることもあるかもしれません。

私たちは意外と色の上で転がされているのです。

色については固定観念もあって、世間一般的な使用色に固執することに懸念を示す傾向もあります。しかし、そうした議論以前に、色そのものが持っている影響力や効果があることは事実であり、私たちは、色の持つ効果を知る誰かによって、行動を誘発されたり制限されたりしているかもしれません。

たかが「色」、されど「色」です。色が与える「イメージ」という効果について、知っておいても損はありません。

ビジネスと色について

デザインの仕事をしていらっしゃる方は、当然「色」の効果についてよくご存じで、日々、素敵な色の活用を模索されています。では、一般的なオフィスワーカーは「色」に対して無頓着でもよいでしょうか。

もちろんそうではありません。ちょっとした書類を作成するのにも、企画提案書を作成するのにも、どの色をどのように使うかは大切なポイントです。たとえば皆さんは、重要なキーワードを赤い文字にして強調したことはないでしょうか。

これは、「赤」の持つ強いエネルギーを活かした色の使用方法です。「黒」で書かれたその他の文字との差異に目がいくようでいて、それは青でもなく緑でもなく「赤」なのです。

「赤」は活力や情熱、興奮といった積極性をイメージする色で、ポジティブには「元気」、ネガティブには「怒り」などもイメージされます。また、信号に使われているように、注意を促す際にも「赤」の持つ強いイメージが活用されます。

強調したいキーワードの文字色を「赤」にする、この単純な色の使い方にも、色彩効果の裏付けがあったのです。

 

では、皆さんのお勤めの会社のコーポレートカラーは何色でしょうか。そのコーポレートカラーにも企業ビジョンに沿う大切な意味があるはずです。たとえば、銀行や生命保険会社のコーポレートカラーでよく使われる「青」は「抑制」をイメージすると言われています。クールで冷静な印象は信頼感につながるため、金融業など堅いイメージが求められる企業のコーポレートカラーに利用されやすいのです。

ビジネス上の「色」にはマーケティングの意味合いがあります。企画提案書の文字の色で注意喚起を図り、コーポレートカラーで企業イメージを伝えるということですね。

赤、白、黄色、どんなイメージ?

商品・サービスのパッケージや企画提案書で使用する色について、ただ闇雲に決めてはいけないことが分かりました。

ここで、代表的な色のイメージを簡単にご紹介します。

■赤:活力、情熱、危険
■青:信頼、安心感、安全、責任感
■黄色:楽観性、希望、喜び、危険
■緑:健康、新鮮さ、静けさ、保守性
■白:透明さ、清潔さ、再出発

面白いのは、1つの色がポジティブ、ネガティブの両方のイメージを兼ね備えている場合があることです。人の心理は複雑なので、色に対する印象も同じように一面的ではないということなのでしょう。ただし、色の効果を活用しようとしている私たちにとっては少し厄介ですね。こういう時は、別の色の力を借りるという方法があります。

「青一色では堅苦しくエネルギーが感じられない」といった場合、「赤」を図案に加えることで「青」の抑制した静かなイメージを変化させることができます。これは、ある銀行のロゴで実際にとられている方法です。青に加えられた赤色の曲線は「情熱」を表しているのだそうです。

多色づかいはご法度です。

ここまでビジネスでの色彩についてまとめてきましたが、最後にいくつの色を使うのか、この点について整理します。

「訴求したい商品やサービスのイメージに合わせて複数の色を使いたい」

「カラフルな企画書で他者(社)と差をつけたい」

といった気持ちになることがあります。しかし、多色づかいは逆効果になるので避けたほうが無難です。

目に入る情報が多すぎると最も注目すべきポイントを絞れなくなります。基本はベースカラー、メインカラー、ポイント(アクセント)カラーの3色です。

ベースカラーは背景の色です。一般的には白を使用することが多いですが、淡い色であればグレーや茶、ブルーなども使われます。商品のコンセプトによっては背景色を黒にして、高級感やハイセンスなイメージをつくることもあります。

メインカラーは、商品やサービスの基調色として顧客に認識してもらいたい色です。企画書であれば見出しや各所のオブジェクトなどに使用します。

ポイント(アクセント)カラーは、特に注目してほしい箇所に使用する色です。注意喚起を図る「赤」やメインカラーの反対色を使うと視線を誘導することができます。

カラフルで綺麗な絵の具も、たくさんの色を混ぜると「黒「になってしまいます。ビジネスで使用する色も、多すぎるとそれぞれの色の効果を消し合ってしまうのです。大切なのは「最も伝えたいことは何か」ということ。

企画提案書や商品パッケージ、そして会社ロゴ。色に気をつかうのはお客様に伝えたいことがあるからです。シンプルにダイレクトに伝えるために、色彩効果を活用してみてはいかがでしょうか。

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