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成長企業の社内勉強会探訪

成長企業の社内勉強会探訪 Vol.08_もばらぶ編

2021.01.06

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株式会社もばらぶ

株式会社もばらぶ

ソフトウェア受託開発をメイン事業とする株式会社もばらぶ。企業理念「働く場所・時間帯を、働く人が自由に選べるような社会にする」のもと、メンバー全員がリモートでソフトウェア開発、SI事業などの企業支援に従事しています。また、海外志向のエンジニア向け英語教育やリモート勤務に特化したプロジェクト管理ツールの提供を通して、エンジニアの業務支援も行っています。

コーポレートサイト
https://mobalab.net/

会社ブログ「もばらぶん」
https://blog.mobalab.net/

もばらぶエンジニアブログ
https://engineering.mobalab.net/

カジュアルな社内勉強会がソフトウェアエンジニア集団の交流を支える!いま求められるオンライン時代の新たな繋がり方とは?

「高品質な開発」「適正価格なシステム」「柔軟な対応」を掲げたソフトウェアの受託開発を主力事業とする、株式会社もばらぶ。同社は会社設立当初から遠隔勤務などの新しい働き方を推進している。そんな株式会社もばらぶの社内勉強会の実態を、代表取締役を務める鹿島 和郎氏に伺った。

オンライン社内勉強会の様子

オンライン社内勉強会の様子

  • 遠藤

    本日は貴重なお時間をいただき誠にありがとうございます。早速ですが、御社では社内勉強会をいつから始めているのでしょうか

  • 鹿島社長

    2018年から始めています。主催者が特定のテーマを調べて発表するものや、読書会のように一つの技術書を読み込みディスカッションするものなど、試行錯誤してきました。ただ半年ほど前からは、定期的に参加者が集まって気軽に情報交換するカジュアルな場に変わってきています。

  • 遠藤

    色々と試しながら、徐々に今の形式に落ち着いていったのですね。開催頻度と時間について教えていただけますか。

  • 鹿島社長

    議題や取り扱うテーマによって時間は変わりますが、毎週1回、就業時間内に1時間程度で行っています。これと並行して不定期ではありますが、読書会なども継続しています。

  • 遠藤

    そもそも社内勉強会を始められた経緯を教えてください。

  • 鹿島社長

    ソフトウェアの受託開発はお客様毎に複数のプロジェクトが立ち上がり、チームが分かれることになります。プロジェクトチームのメンバー同士はコミュニケーション機会が多いのですが、チーム間を越えた情報共有、技術の転移が弱いなと感じました。この点を補うために社内勉強会を始めました。

  • 遠藤

    とても共感できます。私どもでも意外と隣の人が何をやっているのか分からない、ということがありますから。

  • 鹿島社長

    そうですよね。その点、社内勉強会には、「実はAさんはこんなことが得意だった」という新たな一面を知ることができるメリットがありますよね。

  • 遠藤

    そうした偶発的な対話から互いを深く知れることも社内勉強会の良いところですよね。いま現在、鹿島社長は社内勉強会にどのように関わっているのでしょうか。

  • 鹿島社長

    最近はそこまで関わらないようにして、メンバーに任せています。メンバー同士で課題を持ち寄ってもらい、意見交換をしてもらっています。もし今後、検討課題や話すネタがなくなってくれば、私から提案することもあるかもしれませんが、今はその心配は全くないですね。

  • 遠藤

    社内勉強会の立ち上げこそ鹿島社長がリードされ、その後はメンバーの自主的な運営に任せていく、非常に素晴らしい体制移行だと思います。社内勉強会の継続に関して、注力していることはありますか。

  • 鹿島社長

    なるべく多くの人に参加してもらうことを大事にしています。主催者は頑張っていても、参加者が冷めていると、次にまた参加してみようという気が起きません。そうならないように少しでも発言や質問をしてもらって、主体的な参加姿勢を促すことを意識しています。

  • 遠藤

    とても大事なポイントですね。多くの人に参加してもらうために、他に何かしていることはありますか。

  • 鹿島社長

    社内勉強会の参加ハードルを上げ過ぎないことです。分からないことがあれば、それがたとえ簡単なことでも気軽に質問できる、そうした気楽な雰囲気を出すように心掛けています。

  • 遠藤

    そうすると、社内勉強会においてルールなどは特に設けられていないのでしょうか。

  • 鹿島社長

    参加前に疑問に思うこと、質問したいことを考えておいてもらうくらいですかね。ちょっとした簡単なメモでも、質問する準備があると十分に話が広がり展開されていきます。

  • 遠藤

    事前に考えてきてもらうことで、当日の議論や共有も活発化しやすいですよね。社内勉強会には自由参加なのでしょうか。

  • 鹿島社長

    そうです。概ねいつも6~7人が集まるので、約半数近くのメンバーが参加してくれていますね。

  • 遠藤

    なるほど。社内勉強会を始める前と後で感じる変化はありますか。

  • 鹿島社長

    プロジェクト間の壁が少なくなりました。ある人は別で進行しているプロジェクトにも関わらせてほしいなど、社内での積極的な交流が生まれており、良い効果だなと感じています。

  • 遠藤

    まさに当初、狙っていた通りの効果を体感されているんですね。一方で、社内勉強会を継続する中で苦労されたエピソードがあれば教えてください。

  • 鹿島社長

    参加ハードルを下げるためにカジュアルな場にしたものの、質問する人と答える人に立場が分かれてしまい、勉強会よりも質問会に近い形になってしまったことがありました。回答側のシニアレベル、いわゆるベテランの人たちにも、有益でメリットを感じられる場にしていく必要があると思いましたね。

  • 遠藤

    一方的に知識やスキルを付与するのではなく、参加者同士がお互いに高め合える場づくりをすることが、結果的に参加意欲を刺激することにも繋がっていきそうです。

  • 鹿島社長

    おっしゃる通りです。単純な質疑応答ではなく、シニアレベルの人も経験の浅い人もどちらにとっても新しい発見や気づきが得られるような場にすることは、今後も意識していきたいですね。

  • 遠藤

    なるほど、ありがとうございます。鹿島社長として、いまの社内勉強会の現状に点数を付けるとしたら何点になりますか。100点満点で教えてください。

  • 鹿島社長

    まだやり始めて間もないこともあるので50点くらいでしょうか(笑)。プロジェクト間の交流が増えた点では、一定の評価をしています。ただ、情報共有や知識の伝達だけでなく、例えば何か新しいアイデアが生まれたら、より良いかなと思っています。

  • 遠藤

    新たな価値の創出に期待、ということですね。それでは、社内勉強会の今後の展望をお聞かせください。

  • 鹿島社長

    さすがにオンラインで10人規模の社内勉強会は難しいと感じますので、もう少し人数が増えてきたら、メンバーを分けるなどして調整する必要がありそうです。また、誰と誰を組み合わせると面白くなるか、相乗効果が期待できるか、といった視点は、現場で実際にプロジェクトのメンバーを決める上でも役に立ちますので、社内勉強会で試していきたいなと思っています。

  • 遠藤

    社内勉強会と現場の上手な融合で、非常に興味深い取り組みになりそうです。それでは最後に、鹿島社長にとって社内勉強会を一言で表すと、何になりますか。

  • 鹿島社長

    「技術ネタをきっかけにした交流の場」ですね。自社の事業に直結する技術を起点として、プロジェクトの垣根を越えた社内コミュニケーションの醸成が図れていると感じています。

  • 遠藤

    御社の社内勉強会に対するお考えがよく分かり、私も大変に勉強になりました。本日は貴重なお話し、誠にありがとうございました。

鹿島 和郎(かしま かずお)

鹿島 和郎(かしま かずお)

代表取締役

国内でエンジニアとして勤務後、海外ソフトウェアベンダーのプロジェクトマネージャーとしてオフショア拠点の立ち上げなどを行う。帰国後、フリーランスとして数社のスタートアップを支援、急拡大に貢献する。2013年に株式会社もばらぶを設立。

ライター / 編集者

遠藤 孝幸(えんどう たかゆき)

2017年より株式会社ヒップスターゲートに参画。前職での人事経験を活かしてお客様への提案活動に邁進し、入社後わずか3ヶ月でリーダーに昇進。現在は営業部門責任者として、オンライン研修の営業、社内勉強会の普及、後進育成に心血を注いでいる。