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その言葉には力がある。言語化能力を高める4つの方法

2022.11.25

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日常生活のなかで、うまく言葉にできないことはありませんか? ちょうどよい表現が浮かばなかったり、そもそも思いを整理できなかったり。伝えられない、言葉にできない理由はそれぞれです。それでも、私たちは伝えることを諦めてはいけません。誰の思いにも価値があり、誰の言葉にも力があるからです。

思いをまとめて伝える、言語化

皆さんはしばらくの間、会話をしないで過ごしたことはありますか? たとえば海外留学をしたことのある人は、留学先の言語や生活に慣れるまで、周囲の人と会話らしい会話ができない時間を経験していないでしょうか。そんなとき、私たちの言葉を操る能力はどのように変化するでしょうか。

実は、私たちは話すことをやめると、言葉まわりの感覚が鈍るようで、語彙の数が減少したり、会話内容の組み立て、いわゆる構成力が落ちたりします。つまり、話そう、伝えようとしないと、言語化能力は衰退してしまうということです。

私は、言語化といっても、その段階によって意味合いが異なると思っています。

段階とは大きく分けて次の2つです。

①思いは整理されているけれど語彙力が不足していて言葉が見つからない
②思うことはあるけれど、それが何かが整理できずモヤモヤしている

会話内容の組み立て・構成力は広い意味で①に該当するでしょうか。いずれにしても、相手に何かを伝えようとしたとき、①や②のような状況では、気持ちや事象を正確に理解してもらうことは難しいでしょう。

ここで、「言語化」の定義を確認しておきます。

デジタル辞書のweblio辞書には、「言葉で表現すること。感情や直感的なものを説明・伝達可能にすること」とありました。確かに言語化とは「言葉で表現すること」です。それ以上でもそれ以下でもありません。

私たち大人は、相手との意思疎通に大抵の場合「言葉」を使います。何らかの事情やシチュエーションの違いによって、言葉以外のコミュニケーションを取らざるをえなかったり、言葉以外のコミュニケーションが言葉よりも重要な意味を持ったりすることはあります。

しかし、雑音のない明確な言葉の伝達力の大切さについては、皆さんもよく理解されているところではないでしょうか。

言語化することのメリット

私たちは特段の意識なく言葉を発することができます。できますが、高い正確性を求められる場合や、複雑な事象を説明しなければならない場合は事情が違います。なぜなら、自分が好きなように、あるいは感情のままに表現してよいシチュエーションの言語化と、説明や伝達を目的とする場合の言語化は、「語彙力」や「構成力」の側面で求められるレベルが違うからです。

ビジネスパーソンが高めておきたい言語化は後者の、説明や伝達を目的とする、語彙力・構成力をともなう言語化能力です。

昨今、SNSが普及して、誰もが自由に思いを発信できるようになりました。

ことさらに、若い世代の皆さんはSNS上で感情を文字にすることが上手です。従来は頭のなかでモヤモヤと形をなさないでいた気持ちを、140文字以内に納めて簡潔に伝えることができます(Twitter140文字制限)。オリジナリティあふれたその表現方法は、先輩世代の型にはまったそれとは違い、どれも生き生きとしています。自分の感情を自由に文字にする、このシチュエーションに慣れ親しんだ世代の特筆した能力だと私は思います。

こうして気持ちや事象を言語化することで、その人には何がもたらされるでしょうか。

言語化のメリットについてまとめてみます。

【言語化能力を向上させるメリット】

①伝達力が上がる

正確で分かりやすい言葉で伝えることができれば、相手の理解が容易になります。正確に伝えなくてはならないことや、どうしても分かってほしい感情が、言語化能力の不足を理由に伝わらないのは、非常にもどかしく切ないです。ビジネスシーンでも、相手に製品やサービスの良さがうまく伝わらなければ成果につながりません。報告や連絡の際も、簡潔に正しく伝える力が役立ちます。

②思考の整理がつく

自分の考えを言語化するには、まず頭のなかが整理されていなければなりません。また、整理した考えを言葉にして相手に伝えるには、論理的な構成力も必要です。この考えを論理的に構成する過程で、輪郭のないモヤモヤとした感情や事象がハッキリとした形を成していきます。言語化は、言葉にして表現する前に考えを整理する過程があることで、思考力を上げるのです。

③客観性が備わる

前述したように、感情や事象を言語化するために、人は頭のなかを整理します。このとき、自分はなぜそう思うのか、なぜそうであったのか、について振り返ることができます。皆さんは「報告書」を作成しながら、業務の目的や時系列、実際に起こった出来事とそれに対する自分の解釈などが整理され、ひとかたまりの仕事として認識されていく感覚を味わったことはないでしょうか。これは、言語化によって物事が「形」を得た状態です。自分が起こした言葉であっても、いったん発せられると、それは自分とは別の独立した形となります。何かを振り返りたいとき、言語化をすると客観的に考察ができるのです。

言語化能力を高める方法

言語化能力を上げるには次の3つの力が必要だと言われています。ぜひ普段から意識してみてください。

①観察力

まずは、事象をとらえる力が求められます。見ることで伝えるべきことの本質がわかり、数多ある言葉のうち、どれを使えばよいかが判断しやすくなります。相手にわかりやすく伝えたいのならば、使用する文字数は少ないほうがよいのです。なぜなら、まわりくどい言い回しよりはピンポイントで表現した言葉の方が心に刺さるからです。

②語彙力

これは言わずもがなです。言葉を知らないことで、伝えたいことが表現できないのは残念です。普段アクセスするアカウントやサイトだけでなく、広い分野の文章を読むことをお勧めします。新聞はもちろん、小説やビジネス書などの書籍からも豊富な語彙を集めることができます。

③思考力

言語化に思考力が必要なのはもっともなのですが、ここでは考えを整理する論理的思考を指します。何かの事象に触れ、気付きや違和感があったら、行ったり来たりして悪戯に思いを巡らすのではなく、論理的思考のフレームワークに当てはめて考えてみるとよいでしょう。からまった思いをシンプルに整理することができます。

④アウトプット

言語化能力をつけるには、①②③の力を延ばしながら、やはりアウトプットも必要です。SNSアプリを利用した発信や、日記をつけるなどは、手軽にできるアウトプットの方法です。私の仕事仲間は、読んだ本の要約を人に聞いてもらっていたそうです。

日常生活でもビジネスシーンでも、言語化能力は自分を助けてくれます。自分の気持ちを伝えるのが苦手だと思う人や、上司に報告の仕方を指摘されてしまったことのある人は、言語化についてご自身の現状を振り返ってみるとよいと思います。言語化能力を上げる①~④を意識して生活することで、その力はきっと上がります。

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