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メンターになったら抑えておきたい職場ハラスメント

2022.05.23

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2020年6月にパワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)が施行され、2022年4月からは中小企業も義務化の対象となりました。事業主は就業規則の整備、啓発活動などを通して、パワハラに関する方針を明確化しなければなりません。これが守られず必要と認められた企業は、厚生労働大臣による指導・勧告、企業名公表の対象となります。

ハラスメントをめぐる職場の現状

パワハラ防止法の義務化対象が中小企業にも広がり、法的に整備が進んだのはもちろんですが、ハラスメントに関しては一般社会の監視の目も厳しさを増しています。“ハラスメント・ハラスメント”(他人の言動に嫌悪感を覚えたときに「ハラスメントだ」と過剰な反応をすること)の実態が問題視されるほど、「ハラスメント=悪いこと」の概念は世間に浸透しています。

そうなると、後輩や部下を指導することに躊躇や“やりにくさ”を感じる人も少なくありません。一昔前は主にパワハラ、セクハラの2つが取り沙汰されました。しかし、今やハラスメントの種類は日に日に増えているのが現状です。

しかも何がセーフで何がアウトなのか、専門家でもハッキリと線を引くことは難しいものです。それはハラスメントの多くがセンシティブであることに加えて、当事者同士の日頃のコミュニケーション如何で“許容範囲”が変わるからです。

“許容範囲”ということは、切り口が変われば“アウト”になる可能性もあるということですが、賢明な人はセーフとアウトの曖昧な境界線を探るようなことはしません。

ハラスメントは被害者も加害者も、そして傍観者をも傷つける野蛮な行為です。職務でもなければ、語気を荒げてしまいそうな現場に身を投じたくないし、不用意なコミュニケーションで相手を痛めることはしたくないでしょう。

企業側の指導や啓発活動が進んでいることもあり、ハラスメントに関して職場が後退することはないように思います。

ただ、ビジネスパーソンはハラスメントの被害者にも加害者にもならないように、細心の注意が必要な環境にいることは確かです。後輩や部下の指導を任された人は、対象者の成長を思うだけでなく、思わぬハラスメント行為で培ってきた職場の信頼を失うことはないかに気をつけなければなりません。

ハラスメントとは何かを確認

それでも、時には職場ハラスメントの事案が各メディアで大きく取り扱われ、団体名・企業名が公表されるケースがあります。「ハラスメント=悪いこと」の概念は浸透しているはずですが、起きてしまうのは残念なことです。

ただ、人はいつ何時でも自分を律することができるほど強い存在ではありません。いくつかの条件が揃い、何かのキッカケがあったとき、ハラスメントは起きる可能性があります。

また、現代はVUCAと言われる変化の激しい時代です。価値観をアップデートしきれないでいる人も、そのことが要因となってハラスメントの加害者になってしまうかもしれません。

ここで厚生労働省が定義する「職場のハラスメント」を確認しておきましょう。

「職場のパワーハラスメントとは」

職場のパワーハラスメントとは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。

引用:厚生労働省雇用環境・あかるい職場応援団 https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/

「職場における言動、就業環境が対象で、業務上の範囲を超えて労働者を害するもの」ということですが、誰から誰への行為なのかというと、「優越的な関係」がキーワードとなっています。

役職や年次による上下関係、つまり優越的な関係はイメージしやすいですが、最近ではテクハラ(テクノロジーハラスメント=ITPC、スマートフォンなどのIT機器が苦手な人への嫌がらせ)などで起きがちな、後輩・部下から先輩・上司へのハラスメントも報告されています。

「業務上の範囲を超えたもの」については、業務遂行に必要か、指導として相当かが判断基準です。概ねハラスメントでは“ない”とされるのが、仕事のミスをいつもより強い口調で指導する行為です。ただし、指導が行き過ぎ(範囲を超え)、ミスをした人の人格を否定する発言があった場合はハラスメントと判断されます。

例えば、「大雑把だからミスをするんだ」「こんなこともできないのか」などです。(もちろん、殴る、蹴る、モノを投げつけるなどの暴力行為は以ての外です。)

人格を否定する発言には、性格に関するもの、外見に関するもの、プライベートに関するもの、能力に関するものなどが当てはまります。また、無視や無関心も相手の存在を否定することであり、人格否定に相当します。

まとめ:色々あるけど、まず「思い込み」をやめてみよう

ハラスメントの定義やどのような行為がハラスメントに当たるのかを見てきました。ちょっとした日常の中にもハラスメントの種があることにお気づきになったでしょうか。

ハラスメントの加害者となってしまった人が、「そんなつもりはなかった」と弁明することがあります。本当に少しふざけただけで、相手を傷つけるつもりはなかったのかもしれません。しかし、相手が不快に思い傷ついていたら、そして第三者から見てハラスメントの定義に抵触したと判断されたのであれば、言い逃れはできません。

何がセーフで何がアウトなのか、ハラスメントの種類が多岐にわたるなかで、都度判断をするのは難しいと思う方も多いでしょう。そこでお伝えしたいのは、「○○であるべき」といった思い込みをやめてみることです。

男性なら、女性なら、役職者なら、新入社員なら・・・。これらの決めつけは個々人の人格や背景を配慮しない発言につながる可能性があり、ハラスメントのキッカケを作ってしまいます。

また、思い込みをやめることで、自分の思考も自由になるので、清々しく新しい発想と気分で仕事に向き合うことができるようになります。自分にとっても周囲にとっても快適な職場環境を目指しましょう。

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