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職場のウソは何故起きる?その対策は?
2022.03.25
職場で起きるウソは、何故そんなことが正直に言えないのか、といった小さなウソから、企業コンプライアンスに係る大きなウソまで考えられます。いったん、ウソがつまびらかになると、信頼で成り立っていたチームワークが崩れ、仕事の効率や質が著しく落ちてしまいます。職場のウソはなぜ起きてしまうのでしょうか。
なぜ職場でウソが生まれるのか
子どもがウソをつくようになるのは、4歳ごろと言われています。記憶力や創造力が上がることを背景に、現状を好転させたいと思ったり、現実と空想の境界が入り混じってしまったりしてウソをつくのだそうです。子どもの場合は、自分を取り巻く環境に何とか影響を及ぼそうとする、成長の証と言えますが、社会人が職場でウソをつくのはいただけません。
ウソが悪いことなのは、社会人であれば知っていて当然ですし、子どものようにウソをつくかつかないかで、成長の物差しには全くなりません。ではなぜ、ウソをついてはいけないことを知りながら、人はウソをつくのでしょうか。
まずウソをつく人自身の資質に問題があると言えます。ウソは、気持ちが現実に向き合おうとしない時や、逃げ道を選んだ時に生まれます。ここでいう“向き合いたくない現実”には様々な事象があります。たとえば、自分自身の弱さや未熟さ、隠したい何かがある等です。
職場で生じるウソも、概ね上記の“向き合いたくない現実”を起因としているのではないでしょうか。起こしてしまったミスを上司に伝えず、まるで何も問題がなかったかのようにウソの報告するのは、よく耳にする職場のウソの一つです。
この場合、ウソをついた人にとってミスの大小は問題ではありません。素直に報告をして素早くリカバリーができた方が、ずっと状況は良くなるのですが、自尊心が作用すると、こんな小さなミスをしてしまったことを隠したい、こんなことで上司や先輩に怒られたくないといった心境に陥ってしまうのです。
このような気持ちの揺れが起きること自体は、誰にでも経験のあることかもしれません。しかし、そこでウソをつくかつかないかは、その人の資質や成熟度に左右されます。
ここで一つ言えるのは人材育成領域で“ウソをつく人の矯正”をしようとするのは無理があるということです。もちろん、共に働く過程で、お互いに人間性が高まることはあります。むしろ、その人格形成こそ、企業の大切な社会貢献であると言えるでしょう。しかし、好ましい一人の人物を育むことと、人の(ウソをつく)資質を改めることは、アプローチが真逆であり、これを人材育成として行うのは非常に難しいのです。
職場のウソをなくす予防策
ウソをつく人の資質を改めることは難しいと述べました。だからといって、業務の進捗や成果に影響のあるウソがあるのなら、それを放っておくことはできません。会社として予防策をとりましょう。
職場でのウソが起こりやすい「業務報告」について予防策を考えてみます。
報告は、部下や後輩から上がってくるものと思っていないでしょうか。たしかに就業報告や完了報告は、部下の仕事なので、これを怠っているといつまでも仕事が終わったことになりません。ですから部下の方から報告してくれるものです。しかし、仕事を完了させるまでに小さなミスが起きていることがあります。そうしたミスが重圧になり隠したくなってしまわないうちに、上司や先輩の方から声をかけ、ミスを拾い、修復可能であることを知らせてあげてはいかがでしょうか。
上司や先輩も仕事で忙しいなか、細やかに部下に声かけをするのは大変ですが、仕事の進捗を丁寧に聞き取ることを続けているうちに、部下にはミスした箇所も報告するものだという認識が定着します。
もっと根本的な対策として、ミスのリスクを減らすということも考えられます。
不得手な仕事や多すぎる業務は部下のミスを誘発します。残念ながらミスは職場のウソの温床ですので、ミスを予防することでウソを未然に防ぐことができるでしょう。仕事の割り振りは“適材適所”といって、得意な業務、好きな業務に人を配置することがある一方で、不得手な業務に人を就けることを、会社はそれほど気にしない傾向にあります。そんな時の常套句は「君の成長に繋がると思う」です。不得手な仕事、嫌いな仕事に挑戦して克服できれば成長に繋がりますが、得手不得手は人の資質にも関わるもので、一筋縄では改善しないことも多いのです。本当にその人の為、会社の為になっているかを再考して、ミスが起きやすい環境を是正するのも一つの打ち手です。
最後に、ウソをつく癖のある部下に対して、真実の大切さを知ってもらうことが挙げられます。
ミスが露見して上司に怒られたり、評価が下がるのを嫌がったりと、部下が自分の身を守るためにつくウソは、それを指摘して指導をする必要があります。なぜなら人は、ウソが一度通ってしまうと、ウソを重ねるようになる傾向があるからです。そうした人がチームの一員にいると、仲間同士の頼関係が崩れるばかりではなく、実質的にも仕事に悪い影響があります。ウソをついてしまった部下と、その原因や仕事に及ぼした影響について話す機会を設け、仕事を進める上で真実の大切さを理解してもらうようにしましょう。
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