Column
ロクゼロコラム
3分で読める社内勉強会の話
社内勉強会スタートアップのポイントは〇〇にある
2020.08.18
「社内勉強会をスタートさせたいとけど、何から手を付けてよいか分からない」
このような悩みをよく聞きます。確かに、外部研修であれば研修会社や講師の意見を聞けますし、研修内製化であれば、そこに特化したコンサルティング会社や他社事例も豊富にあることでしょう。
しかし、社内勉強会はもともとクローズド(部署単位でひっそりと)に行っていることが多く、なかなか正確な情報収集というのが難しいです。そのような方には、ぜひ『勝手に人が育っていく! 社員100人までの会社の社長のすごい仕掛け』(著者:渡邉良文、出版:かんき出版)をご覧いただきたいですが、今回はその中で紹介されている【社内勉強会スタートまでの8つのステップ】の中で、社内勉強会立ち上げの際、重要となるであろうポイントをいくつかピックアップしてご紹介したいと思います。
発案者は誰でもよい
人事部が教育研修を担当している会社では、起案者や決裁者がいると思います。研修はフォーマルな学びですので、こういった稟議の筋を通し、決裁が下り、実施に至ります。しかし、社内勉強会はよりくだけた印象、かつ現場主体で主導する学びの場です。従って、その起案や承認は、研修のそれよりもスムーズにする必要があると考えています。
結論を言えば、「社内勉強会をやろう!」と最初に声をあげるのは、誰でもよいのです。実際に社内勉強会を展開している企業では、社長や人事担当者だけでなく、新入社員が発案者という事例も存在します。重要なことは、発案者の想いを潰さず、殺さず、育む組織風土があるかどうかです。そして、声を育むためには、社長など権限がある方が、ある程度の段階まで音頭を取ることが推奨されます。
Whyを明文化する
発案者が「やろう!」と決めた後、計画立てて進めていくわけですが、勇み足になってはいけません。最初に考えてほしいのが「Why-なぜ社内勉強会を実施するのか?」を明文化することです。
実は社内勉強会のスタートアップで頓挫する場合の多くが、この「Why」が不明確であることが挙げられます。人は何かの行動を起こす際、それをなぜ実施するのかという“動機”がそこにあります。動機は目的達成のためのモチベーション維持にも役立ちます。また、人を巻き込むプロジェクトであれば、なおのこと重要なファクターとなるのです。「何となく・・・」ではなく、「〇〇という理由だから、社内勉強会を実施する!」というような、ハッキリとした表現をできるようにしてください。
企画チームを作る
実際に社内勉強会実施まで至るには、発案者一人の力では難しいものです。そこで、社内勉強会に特化したプロジェクトチームを結成することをおススメします。チームを作ることで、社内勉強会の実現に向けて一つステップを進めることができますが、チームに参加してほしいメンバーの特性があります。
それは
- 現場志向の人材
- 外部志向の人材
の2パターンです。
『現場志向』というのは、経営と現場両方の観点でバランスよく物事を見れる人のことを指します。『現場志向』というと、現場にどっぷりはまっている方を想像されるかもしれませんが、そうではありません。社内勉強会を組織風土として根付かせたいのであれば、少なくとも会社の方針を理解したりトップの協力も仰ぐ必要もあるでしょう。それを実現させるには、現場のことを分かっており、かつ経営者の考えも理解している存在というのがベストなのです。そういった意味での『現場志向』です。
一方の『外部志向』は、自分の意志で外部セミナーや研修を受講するような人材を指します。なぜこのような人材が必要かというと、社内勉強会は外部の協力を必要としない非常に閉鎖的な環境になりやすいからです。そういった環境下では、新しい視点や創造性が生まれにくいのです。『外部志向』の人材をチームに加えることで、内部の情報や知識に偏ることなく、より実りの多い社内勉強会を計画できるようになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。社内勉強会は「やろう!」と決めた段階からスタートさせることができますが、効果的かつスピーディーな実現を目指すのであれば、ご紹介したポイントを意識してみるとよいでしょう。
特に盲点になりがちなのが「Whyの明文化」です。なぜこの社内勉強会を始めようとしたか、必ず言葉に落とし込んでみてください。賛同者を集めたり、組織文化として根付かせる過程で、それを説明する場が必ずあるはずです。ぜひスタートアップのポイントを押さえ、社内勉強会を自社の教育の強みにしていきましょう。