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ロクゼロコラム

3分で読める社内勉強会の話

オンライン社内勉強会が盛り上がらないって本当?~今時の社内勉強会を活性化させる方法~

2020.08.31

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多くの職場でリモートワークがスタンダードになってきました。コロナ感染症は第二波の真っただ中とも言われていますが、企業の教育研修は、ここにきてオンラインでの実施を中心に少しずつ動き出しています。メンバーが出社しないことで中断していた社内勉強会もオンラインの形式で再スタートさせるチームが増えてきました。

ところが、そうしたチームから聞かれるのが、オンライン社内勉強会は「ちょっと盛り上がらないよね」の声です。興味関心のあるテーマについて、参加メンバーの色々な意見を聞けることが社内勉強会のメリットですが、その“色々な意見”が聞きにくくなっているというのです。

なぜなのでしょうか?

対話をロックする?オンラインコミュニケーションの特徴とは

オフラインで社内勉強会を行ったときは、会議室に割と近い位置で座り、参加者全員がお互いの顔を見ながら対話をしていませんでしたか? 賛成意見はもちろん、反対の場合も、場の空気を感じながら相手に気を配って発言していたのではないでしょうか。各社内勉強会では、進行上のルールを設けることが推奨されているので、「他者の意見を受け止め、自分の意見も発する」といった、対話の原則が守られていることが多いと思います。こうしたルールが生かされている勉強会は、自分の考えとは異なる意見に対しても、「それはそれで面白い」と思ったり、「やっぱり納得がいかないな、自分の考えをもう少し深掘りして、答えを探してみよう」と思ったりが可能でした。そのため、グループ考察は多用な意見、考え方、結論を導くことができていたのです。

しかし、オンライン会議システムを使用した社内勉強会では、それがなかなかに難しいと言います。それは、オンラインコミュニケーションの特徴が要因となっているのかもしれません。

オンラインコミュニケーションの特徴

①1対1の対話に向いていて、会話を広げることには不向き

②話し出すタイミングが取りづらい

③言葉以外の情報(身振り手振り、うなずき、表情、声のトーンなど)が伝わりづらい

社内勉強会に限らず、オンラインでの会議などでは、話している当事者に目がいき、その他の参加者の挙動には無関心になることがありませんか?ギャラリービューで画面を表示していても、ミーティング全体の空気間を感じるという意味では、オフラインでのそれには敵いませんね。

オンライン社内勉強会の“対話”に何が起きているのか

①、②、③の特徴が、社内勉強会で不活性を生み出してしまっています。話すことが好きな人、得意な人に発言が偏る、これはオフラインの勉強会や会議でもあることですが、オンラインではこの傾向が強く表れてしまいます。何しろ、話し手の視線の先はパソコン内蔵カメラです。名指ししてもらわない限り、誰に向けて話しているのか分かりません。参加者全員に語りかけて意見の展開を期待しているつもりでも、単に意見の発表で終わり、対話として広がらなくなってしまうのです。これでは、その日の勉強会テーマに明るく、意見や考えを用意してきた参加者に発言が偏るのは当然ですね。

また、日頃の立場や役職が顕著に表れるといったことも起こります。社内勉強会の参加者は、経験やスキルの違いから起こる疑問や気づきを互いに吸収することによって学習します。それは、同じテーマに関心を持った者同士という連帯感、非公式の勉強会という独特の位置付けなどが実現させる、社内勉強会ならではのカジュアルな対話が生み出す学びのスタイルです。

しかし、オンラインコミュニケーションの特徴が、参加者個人を際立たせ、その結果、とくに上位の役職者の発言が場の流れを支配してしまいます。オフラインの勉強会のときのように、先輩の発言の後、タイミングをはかって自分の意見を言おうと思っていた若年層の参加者は、画面上にまっすぐ自分を見るようにして映し出される役職者の顔を見ながら、発言する勇気を失っていくのです。

これらは、誰かがオンライン勉強会によくない関わり方をしているということではありません。まだまだ、オンラインでのコミュニケーションには日の浅い私達ですから、こうした特徴をよく理解することで、オンラインでの社内勉強会を活性化させていくことができます。

オンライン社内勉強会の『空気感』は、無理やりつくる

皆さんも経験があるかと思いますが、画面を通すと、声の大きさやトーン・表情が伝わりづらくなりますよね。淡々とした発言の様子が続くと、勉強会の雰囲気が沈んでいってしまいます。場を明るく活性化させるには、誰の意見に対する賛成なのか(あるいは反対なのか)を述べてから発言するのも一つの方法です。一人が一人を巻き込みながら発言をすることで、意見や考え方が相乗的に広がっていくからです。自分の意見を単独で発言するときも、オフラインのときより、非言語情報が伝わりづらいことを前提に、カロリーの高い発言を心掛けるとよいでしょう。

また、発言の仕方、構成も大切です。結論を先に述べるロジカルな構成がベストですが、考えをまとめながらの発言であっても、最終的な結論付けが他の参加者にわかるようにしましょう。結論がはっきりしていると、賛成、反対はもちろん、そこから考えを発展させることもしやすくなります。対話が波状的につながっていくことで、勉強会の活性を引き寄せることができますね。

そして、サイレントな参加者の発言を促すファシリテーションも大切です。社会人という立場では、「発言をする、しない」は個人の責任にゆだねられますが、社内勉強会を活性化させるためには、なるべく参加者全員の考えを拾いたいところです。グループでの話し合いの後に、必ず全員に発表してもらうことをアナウンスしておくなど、予告があると誰もが話しやすい環境がつくれます。1対1の議論が白熱している場面になったら、あえて別の、発言の少ない参加者に意見を聞いてみるのもよいかもしれません。

オンラインとオフラインのコミュニケーションの違いを意識して、オフラインに劣らない社内勉強会を開催することができます。リモートワーク、テレワークがスタンダードとなっても、盛り上がる、効果の高い勉強会の開催が可能です。ぜひ実践してみてください。