Column
ロクゼロコラム
ロクゼロVOICE
ロクゼロVOICE Vol.03 エディマート
2022.07.21
2003年創業の編集プロダクション。人の心とからだを動かすことにこだわり、書籍や情報誌、WEBコンテンツの企画・制作を行っています。また、自社レーベルでの出版・流通、さらにはオンライン書店の運営も。「伝える」を叶えることをモットーに、編集の力でお客様のビジネスをサポートしています。
働き方改革がもたらした「社員の納得と盤石なチームワーク」
お客様の望みを叶える人材育成方法
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渡邉
鬼頭社長が考える成功する人物像はどのような人ですか。
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鬼頭 様
一般的に思うのは、主体性がある人ですね。この業界に限っていうと「自己プロデュース」ができる人です。
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渡邉
「自己プロデュース」ですか。具体的にどういうことでしょうか。
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鬼頭 様
お客様の要望に対して、少しでも実現可能なことは、「できます」と応えることです。嘘は良くないですが、多少背伸びをしても「できる」と言い、言ったことを後から回収することで、お客様の要望を実現できる人は成功する人だと思います。
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渡邉
なるほど。有言実行できる人といったイメージでしょうか。貴社でそのような人材を育てるための取り組みは何かされていますか。
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鬼頭 様
創業時からずっと続けているのですが、半期ごとに社員との面談を設けています。弊社の企業理念でもあるのですが、社員には社会貢献とともに自己実現を果たすことを期待しています。面談の際に、社会貢献のためにどのような実績を残し、それを通して自分自身がどう成長したかを確認するようにしています。
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渡邉
自己成長のために何か具体的なスキルを学んでいるのでしょうか。
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鬼頭 様
その点で言うと、勉強会を不定期で開催していました。
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渡邉
その際の勉強会はどなたがファシリテートされていたのですか。
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鬼頭 様
初期はほとんど私でしたが、専門スキル習得のために外部のクリエーターやデザイナーの方をお呼びし、レクチャーをしていただくこともありました。
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渡邉
体系立てた教育体制よりも、必要なスキルを必要な時に学ぶスタイルですね。
「ロクゼロ」が教育体制に変化をもたらした
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渡邉
弊社のロクゼロを取り入れようと思われた背景をお聞かせいただけますか。
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鬼頭 様
仕事の高度化を図るためです。質の高い仕事を実現するには、まず社員が高度化しなければならない。しかし、今までの散発的な勉強会で、それはなし得ないと感じはじめました。それで体系立てた教育体制を実現するためのサービスを探すことにしたんです。
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渡邉
様々なサービスがある中で弊社のロクゼロにした決め手はどのような点でしょうか。
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鬼頭 様
ファシリテートや資料作成の準備時間を削減できる点です。社外のセミナーやe-learningの導入も検討をしていたのですが、各自に参加を委ねることに懸念を抱いていました。セミナーやe-learningは、業務が忙しいと参加しない可能性があったため、検討の早い段階で自前でやるしかないと思っていました。
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渡邉
自前で教育体制をすべてカバーするのは難しいですよね。
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鬼頭 様
はい。特に資料の準備やファシリテートの難しさという壁がありました。そのあたりの懸念点をすべて払拭できるのがロクゼロでしたね。
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渡邉
実際にロクゼロを導入していかがでしたか。
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鬼頭 様
今まで散発的に実施していた勉強会をスケジュール立てて行うようになり、体形的な教育ができるようになりました。
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渡邉
具体的にどのように活用いただいていますか。
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鬼頭 様
毎月3つのテーマの勉強会を実施し、それらに参加する人を上層部で振り分けています。もちろん割り当てられたテーマ以外の勉強会に参加することも可能です。興味のあるテーマに自ら参加する人が多い印象ですね。
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渡邉
これまでロクゼロを使用した中で、ファシリテートをされた方から使い勝手について何かお言葉はありましたか。
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鬼頭 様
これまで私とマネージャーがファシリテートを務めたのですが、準備が本当に楽になりましたね。講師用のマニュアルに、時間配分や参加者に対する投げかけの言葉など、全てが用意されているので、役に立っています。
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渡邉
逆に、こんなところが不便だった、もしくは改善点などございましたら教えてください。
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鬼頭 様
ロクゼロは新人・若手・中堅・管理職と階層別で管理されていますよね。この中でテーマ別にストーリー立てがあるといいなと思いました。例えば、提案力に課題を感じている人に対して、まずはこのテーマを学び、その後にこのテーマを学ぶ、というようなプログラムがあると、抱えている課題を最短で解決できるようになると思います。
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渡邉
現場で直面される課題から検索できる逆引きのようなものですね。ロクゼロは200テーマのリリースを目標にしています。現在70テーマ程あるのですが、100テーマを超える頃にはそういった機能もあるとユーザビリティが高まりそうです。参考にさせていただきます。
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鬼頭 様
ただ、料金体系的にはかなりお値打ちですね。弊社のような事業規模ですと、社外の研修に送り出せないもどかしさがあるので、そういったところをロクゼロでカバーできています。
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渡邉
一人あたり約600円で毎月ご利用いただけますからね。今は本を買うにしても1冊1500円ぐらいするので、ロクゼロであれば安く学んでいただくことが可能です。
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鬼頭 様
そうですね。ぜひ今後も活用していきたいと考えております。
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渡邉
本日は貴重なお話をお聞かせいただき誠にありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いします。
株式会社エディマート 代表取締役
1973年、愛知県名古屋市出身。96年に同志社大学卒業。宣伝・広告系出版社で編集職の魅力を知るも、己の未熟さから挫折。その後地元に戻り、情報・通信企業の子会社に入社。情報誌の制作を通して編集の仕事を学び直す。親会社に転籍後はWebのディレクションに従事。2003年にエディマートの屋号でフリーの編集者として独立、06年、法人化。現在は代表取締役として会社を運営しながら、編集者として最前線に立つ。近著に『それ、編集入ってますか?』がある。
ライター / 編集者
渡邉 良文(わたなべ よしふみ)
1976年、神奈川県生まれ。株式会社ヒップスターゲート ファウンダー。 富士通株式会社を経て、人材育成業界へ転身。数社の研修会社にて講師、コンサルタント、営業統括マネージャーを経験。 2007年、日本を代表する大手電機メーカーの新入社員1200人の研修を総合プロデュースし、大規模研修における独自のノウハウを蓄積。 2010年5月、人材教育コンサルティング会社「株式会社ヒップスターゲート」を設立。現在は受講者を主体とした研修に注力をして商品・サービスを開発。 受講者が研修に没頭できる環境を実現する「ビジネスゲーム」を提供したり、「人は誰でも、常に学習している(自ら成長できる)」をモットーに、研修内製化や社内勉強会といった、企業の人材育成の自走・自立のサポートに力を注いでいる。
著書:勝手に人が育っていく! 社員100人までの会社の社長のすごい仕掛け(かんき出版)
渡邉
本日は貴重なお時間を頂き誠にありがとうございます。早速ですが、御社は文章のプロフェッショナル集団でいらっしゃいますよね。事業内容をくわしく伺えますでしょうか。
鬼頭 様
弊社は雑誌や書籍、WEBといった媒体の編集を手掛けるプロダクションです。創業当初は出版社で扱う情報誌や書籍の制作をしておりましたが、その後広告代理店や新聞社とも取引させていただく機会が増え、広告プロモーションツールの制作も請け負うようになりました。現在はデジタルシフトを掲げ、ウェブ領域にも力を入れており、事業領域の約4割がウェブ領域の仕事となっています。
渡邉
創業から現在まで、時代に合わせて事業内容も変化を遂げているのですね。恐らく人材育成の手法についても変遷を遂げているかと思うのですが、そのあたりはいかがでしょうか。
鬼頭 様
おっしゃる通り、創業当時と現在ではかなり変わりましたね。
渡邉
ご創業が2003年ですから、当時はいわゆる「先輩の背中を見て学ぶ」といったことも多かったですね。
鬼頭 様
はい。
しかしながら、インターネットの普及とともに、編集業界も働き方に対して考え方を変える企業が多くなりました。
渡邉
ワークライフバランスですね。
鬼頭 様
そうです。
そういった考えが浸透する過程で、今までの教育の在り方では立ちいかなくなると思いまして、働き方改革に舵を切ることにしたのです。
渡邉
経営判断として人材育成を根本から見直したということですね。
鬼頭 様
はい、その通りです。
渡邉
現在御社の社員数は15名ということですが、マネジメントの観点でどのような工夫をされていますか。
鬼頭 様
そうですね。以前までは私一人で行っていたのですが、社員の増加に伴い、正直一人ひとりに目を向けることが難しくなりました。そこで、5年前から経営側に立つマネージャーを配置し、マネジメントの仕組みを作りました。
渡邉
それまで鬼頭社長がされていた仕事を任せることにしたのですね。その際の人材育成は大変ではなかったですか。
鬼頭 様
当初、マネジメントはこうやるものだ、といったマニュアルはなかったので、経営思考で仕事をしてもらうことに苦労しました。
渡邉
たしかに社員に経営感覚を持ってもらうのは難しいですね。鬼頭社長はどのようにマインドやマネジメント方法を指導したのですか。
鬼頭 様
経営側に目を向けてもらうために、販管費といったお金の面や人事評価を透明化することから着手しました。今までブラックボックスだった部分を開示し、「会社として何も隠さないから一緒に考えてくれ」という姿勢から入りましたね。
渡邉
まずは環境面から着手されたのですね。結果として、理想の組織に近づきましたか。
鬼頭 様
チームワークという点では、今の会社組織は非常に良い形だと自負しています。
渡邉
素晴らしいですね。チームワークの有り方は企業にとって様々な形があるかと思うのですが、鬼頭社長が考える良いチームワークとは具体的にどういう状態でしょうか。
鬼頭 様
いろいろな働き方を認められる組織です。とある経営セミナーに参加した際に、これからの時代は100人100通りの働き方が求められることを知り、それを実現していく必要があると思いました。
渡邉
働き方の多様性ですね。決して簡単なことではないと思いますが、実現に向けて取り組まれていることがあれば教えてください。
鬼頭 様
まず、評価制度を整えていく必要があると考えています。その一環として、会社売上のうちどのくらいが給与になっているのかを明示しています。
渡邉
現在の評価制度に対して社員の皆さんの反応はいかがですか。
鬼頭 様
みんな納得してくれていると思います。特に働き方に対しては、良くなったという声が挙がるようになりましたね。
渡邉
素晴らしいですね。セミナーでの学びをすぐに行動に移されているからこそ、鬼頭社長が成功されているのだと感じました。