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ロクゼロコラム

3分で読める社内勉強会の話

社会人に勉強を勧めたい理由と、社会人が勉強しない理由

2020.09.11

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私たち社会人は忙しい。いや、すごく暇な日もある。

あるにはあるが、そんな日の翌日にかぎって滅茶苦茶な量の“やらねばならない仕事”が降ってきたりする。カレンダーに均等に仕事が割り振られることなど期待してはいけない。そんなことは、もうとっくに学んで知っている。だからだろうか。たまに時間に余裕ができたとき、それを楽しみたくなるのは。

一方で、実は自分に余裕がないことも知っている。

大人になるにつれ時間の流れが速いこと、ボーっとしていたらアッという間に遅れをとること、恋愛をしたり、結婚をしたり、育児をしたり、家を買ったり、食べたり、飲んだり、眠ったり。時間は自分のものでありながら、借り物のように限りがある。プライベートと仕事、どちらも大事でどちらも簡単ではない。

社会人の勉強時間を聞いて愕然とした人、そして納得した人

平成28年総務省の社会生活基本調査で、日本人就業者の学習・自己啓発のための時間は1日平均6分であることが分かっている。「6分かよ!」とツッコミを入れた人が大多数だろうと思うが、ツッコミを入れながら自分を顧みた人も多かろうと思う。1日の仕事が終わってから、再度自宅で机に向かい「勉強」をする人がどれほどいるだろうか。大人が勉強する動機として一般的に思い浮かぶのは、資格試験や昇格試験などの、いわゆる「ねばならない系」のもの。

正直なところ、大人は勉強する動機付けから難しい。それは大人であることの代償のように、ワクワク・ドキドキを感じる力が落ちてきているから。さらには、悲しいかな、大人は諦めることをどこかで正当化している。仕事に追われ、家事に追われ、「ねばならない」ことの他に、いったい何を学べばよいというのだろうか。

なぜ勉強しないのかを考察したら、不都合な真実が見えてくる

試みに、社会人が勉強できない(しない)理由を挙げてみよう。

①仕事が忙しく時間がない

②勉強したいテーマがない

③勉強しなくても今までやってこれた

さて、「時間がない」は本当だろうか。賢明な皆さんはお分かりかと思うが、実際には勉強にあてる時間は存在する。マイクロ・ラーニングなどのWebコンテンツを使用すれば、スキマ時間で勉強することができる。仕事が終わった後や休日など、本当のことを言うと「時間はある」という人が多いのではないか。ないのは、それらを勉強時間にする「覚悟」ではなかろうか。

「テーマがない」も、切り口を変えて考えてみると実際が見えてくる。「勉強したほうがよいと思うテーマは何?」。どうだろうか、いくつかのテーマが実に簡単に浮かばなかっただろうか。英語ができるのにこしたことはない、Excel関数が使えたら仕事がはかどる、など。「~のほうがよい」は勉強するテーマのヒントとなる。「何を勉強したらよいか分からない」「勉強したいテーマがない」は、私たちの意欲のあるなしの問題だ。

やっかいなのは「勉強しなくても今までやってこれた」だろう。現状に満足しているようにも聞こえるが、それは今までの生き方であって、VUCAとか人生100年時代とか言われている現代において、現状維持で行動を起こせない人たちの、将来を不安に思う気持ちは尋常ではないだろう。努力をすることなく何となく生きていける時代がこれからも続く補償は何もない。

勉強の習慣をもたない社会人に贈る、勉強の勧め

学生の頃と違い、社会人になると途端に周りが勉強をしなくなる。良くも悪くも「右へ倣え」の精神が強い私たちは、勉強はしなくてよいものと捉えてしまいがちだ。広義では仕事も勉強の一つではあるが、環境が整わないなか、仕事から離れた時間に勉強をするモチベーションは確かに湧きにくい。だが、右に倣ったその右の人物がアホでバカだったらどうだろう。倣った私もアホでバカになってしまう。明らかに勉強はしたほうがよい。

周りがしていないことは、自分がしないでいても罪悪感がない。これは真理だろう。何もしないでいるのだから、良いも悪いも評価ができない。しかし、先に述べたように、現代は変化の激しい「VUCAの時代」であり、いつまでも現役引退を許してくれない「人生100年時代」でもある。組織人としての価値を上げる努力と同時に、個人としての価値を上げて生きやすさを向上しておきたい。

勉強は、私たちのいつの間にか古くなったスキルや知識、常識や習慣をアップデートさせ、時代の変化に対応させてくれる。また、1日6分しか勉強しない同期に差をつけることもできる。結果として給与が上がるかもしれないし、仕事の裁量権が広がるかもしれない。何より仕事が楽しくなり、将来の可能性が広がるだろう。

取り入れやすい方法で勉強習慣を身に付ける

仕事が忙しく時間がない、勉強したいテーマがない、勉強しなくても今までやってこれた、 これらを物ともせず向上心をもって勉強に取り組む仲間がいれば、その人の行動や態度をぜひ真似してみるとよい。これも勉強。人真似、朝活、マイクロ・ラーニング、読書、ウェビナー。各々にあった勉強法が必ずある。

さて、このサイトは社内勉強会を推奨するものだが、ここまで勉強会には触れずにこのコラムを書いている。なぜなら、勉強会の必要性を説く前に、勉強の必要性を訴えたいと考えたからだ。皆さんが勉強法として読書を選んだとしても、ウェビナーを選んだとしても、それは素晴らしい選択である。もちろん、お勤めの会社に勉強会があるのなら、ぜひ参加を検討いただきたい。社内勉強会は勉強するモチベーションに満ちている。右に倣って真似したい人物を見つけることもできるだろう。

そして願わくば、皆さんが得た学びを、社内勉強会をとおして次の誰かに分かち合っていただきたい。「右に倣え」の良き右の人が、勉強をはじめた皆さんであったら、とても嬉しい。