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3分で読める社内勉強会の話

ステージごとに徹底考察!社内勉強会に事前・事後課題は必要か?

2021.09.21

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階層別研修の効果を高めたい。人事担当者であれば誰でも思うことであり、そのために様々な仕掛けを準備することもあるでしょう。例えばどのようなものが考えられるでしょうか。

研修効果を高める仕掛けの一例

●事前課題
●事後課題
●上長や周囲メンバーの巻き込み
など

一般的には「能動的な受講姿勢」や「動機づけ」のようなものを引き出し、研修に対するモチベーションや意識を高めるものが、こういった仕掛けに該当します。

研修は主に人事部が主導し、業務の手を止め、受講を一部強制することが可能です。こういった仕掛けや取り組みも(中には嫌々やる方もいるかもしれませんが)、しっかりとした設計や指示があれば、非常に高い効果を見込めることができます。では、これを社内勉強会に当てはめてみましょう。

 社内勉強会では「事前課題」「事後課題」は必要か

結論から先に述べると、必ずしも必要ではありません。社内勉強会は、研修と比較するとテーマ選定の自由度をもたせ、運営にもある程度の裁量を持たせることが多いです。そのため、人事部が主導しない場合もあり、強制力という点では研修よりも“ない”という認識を持つべきです。

しかしながら、モチベーションの高い参加者に満足してもらうためには、それなりの仕掛けも必要となります。そのような方がいる時には事前課題・事後課題は決して悪いものではなく、運用次第ではとても有用になります。では、どういった運用方法でしょうか。それは、社内勉強会のステージによって変わるのです。

ステージ①浸透期

社内勉強会をスタートさせたばかりの時は、まだまだ会そのものの理解も進んでいない状態です。そのような時に事前課題や事後課題のような負担のかかる仕掛けを施しても、参加者の理解が得られないパターンが多いです。重要なことは、「社内勉強会を根付かせること」であり、それを阻害する可能性のある要因を最初の段階から作る必要はないです。この時期はあくまで「種を蒔く時期」ですので、まずは勉強会を浸透させることを主眼に置きましょう。

ステージ②継続期

継続期は、蒔いた種に水をやる期間です。社内勉強会をスタートさせ、少しずつ軌道に乗り始めたら、ここで仕掛けを施していきましょう。ただし、事前課題・事後課題であれば、どちらかに絞ること。

●事前課題
「勉強会で扱うテーマを事前に調べる」レベルで構いません。

●事後課題
「気づきの整理とチーム内での共有」レベルで構いません。

上記のように、あまり負担が大きくないような課題がベストです。これから先、企業文化として根付かせる過程で、もう少しステップアップできる課題にシフトチェンジしていきましょう。

ステージ③醸成期

醸成期は、育った苗を刈り取る時期です。つまり、社内勉強会で得た学びを誰もが実践できる状態に持っていくことです。

事前課題
「テーマの調査と自分なりの考察」ができるとよいでしょう。

●事後課題
「行動計画を立てて上長へ報告」ができるとよいでしょう。

 この頃には、社内勉強会も定期的に実施され、成果も少しずつ出始めていることでしょう。ここでのポイントは、いかに“行動”に落とし込めるかです。そのためには、自分ごとに捉えられるアクションが必要になるのです。

 まとめ

いかがでしたでしょうか。このように事前・事後課題は、社内勉強会が置かれているステージにより、その趣旨が異なることがお分かりいただけたかと思います。今自分の会社がどのステージにいるかのかを把握し、そこに合った仕掛けを施していく必要がありますね。ただ闇雲に勉強会を推進していくのではなく、現在の立ち位置と未来のステージを見据えた計画を練っていきましょう。