ロクゼロコラム

ビジネスパーソン1UPへの道

仕事スペースと植物のお話。緑の科学を調べてみました。

2021.05.17

今、ガジュマルやソフォラ・ミクロフィラなど4つの鉢植えが私の視界に入っています。自宅からのオンラインミーティング。逆光を避けて机を窓側に向けたためです。日当たりのよい窓辺はもともと観葉植物の定位置。PCの画面越しに青々とした葉やクネクネとした幹が見え、鉢植えは私がコーヒーを淹れるのと同じタイミングで霧吹きで葉水を与えられています。

何となく知っていた植物の癒し効果。色々研究されています

目が疲れたら遠くの緑を見るとよい、とか、グリーンを置くとオフィスが快適な空間になる、とか。巷では植物の癒し効果が噂されています。テレワーク推奨の今日、世話がされずにオフィスの植物が枯れてしまったという話も聞きますが、現在皆さんのオフィスにも大小の鉢植えがあるのではないでしょうか。近年、観葉植物人気が高まり、私たちが購入できる品種がグッと増えました。また、人間工学や生産性向上の側面からオフィスをデザインするようになり、その一環で事務スペースに多くの植物を配置している企業もありますね。身近に植物があることが私たちの癒しになる、「何となく知っていた」「耳にしたことがある」、この噂ちゃんと研究がされています。

農林水産省は国内外の研究結果を「花と緑のパワー」としてホームページで紹介しています。また、農業資材を扱う各企業のホームページでも様々な研究結果を見ることができます。

大学の農学部や園芸学部でも盛んに研究がされていますが、千葉大学園芸学部・岩崎寛准教授の研究は、上記の農水省や企業のホームページで引用されるなど、その証明性が認められています。岩崎寛准教授の論文には、オフィスに植物を置くことと、社員同士の会話、疲労、環境満足度の相関関係や、パソコン作業特有の疲労と植物との関係など、納得の研究結果が記載されています。また、次期愛媛大学学長・仁科弘重教授の緑化感性工学研究でも、私たちが働く空間の快適性と植物の関係性を知ることができます。興味のある方は、それぞれの大学ホームページから論文にアクセスして読むことができますよ。

緑視率10%がポイント。卓上グリーンのリラックス効果

さて、各機関で証明がされている植物の癒し効果ですが、昨今の情勢では、オフィスではなく自宅の仕事スペースに取り入れてみたいところです。それには、あまり多くの植物が必要だと難しいですよね。そこで参考にしたいのが緑視率です。

緑視率とは視界を占める植物の割合のこと。ある研究結果では、室内の植物の量、つまり緑視率は高すぎてもよくないのだそうです。床も天井も葉っぱで覆われた部屋を想像してみてください。(・・・あれ、面白そう。ではなく)そんな部屋では生活がままなりませんね。

人間に癒し効果を与える適切な緑視率は10~20%と言われています。これなら大きく立派なモンステラの鉢がなくても大丈夫ですね。ポトスやテーブルヤシは室内の光量でも健康に、しかも小さく育てることができます。多くの観葉植物が、毎日水やりをする必要がありません。初めての人でもTryできそうではないですか?

人は、植物が目に入るとアルファ波が増幅されて緊張がほぐれることが分かっています(愛媛大学)。千葉大学の研究では、机に植物を置いて作業をした人は、そうでない人に比べて、リラックス効果を示す副交感神経の働きが29%も向上したといいます。身の回りを植物でいっぱいにしなくても、仕事机に小さな観葉植物があるだけでリラックスし、落ち着いた気持ちで仕事に取り組むことができるのです。

眺めてよし、育てるのは尚よし。愛情は最大の癒し

植物は眺めるだけでなく、自分で世話をすることによって、更に癒しの効果が上がります。オフィスに植物を置いておこなったアンケート調査では、植物の世話をしなかったグループの人でもストレス緩和を感じましたが、植物を自分で選び世話をしたグループはそうでなかったグループに比較して10%以上の人が植物によって癒しを得ていました(愛媛大学)。

最近では園芸店以外でも植物を購入できます。インテリア雑貨のお店や100円均一のお店にも置いてありますね。葉や幹の形が気になったら、その鉢植えを部屋の仲間に加えてみてはいかがでしょうか。3号鉢、5号鉢程度の大きさなら、土の量も少なく、室内で植え替えをすることが可能です。100円均一の植物も正しく世話をすればスクスクと育ちますよ。

購入時に植えられていたプラスチック鉢を植物の性質や雰囲気にあった素焼きの鉢に変えます。根の健康を保つために鉢底石を敷き、水はけのよい土に変え、土の表面にバークチップを敷いたら、もう一瞬で愛着が湧くはずです。今の時期なら、春に向けて新しい葉が芽吹き可愛らしいですよ。

小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では、お子さんの手の届かない位置に鉢植えを置いたり、上から吊るすハンギングバスケットに仕立てるという方法があります。ペットと暮らしていて気軽に植物を置けないご家庭もありますが、倒されないように鉢の下にシリコンゴムを敷いたり、猫がじゃれないように植物を支柱にしっかり巻き付けたりという工夫もあるようです。それさえも難しかったら、ガラスケースの中で自然循環させて緑を育てる「テラリウム」がよいかもしれません。テラリウムは蓋をすることができるので匂いがせず、ペットの気を引くことが殆どありません。手のひらサイズで植物の癒し効果を手にすることができます。最近の流行は“苔”テラリウム。仕立て済のものを購入することができます。

まとめ

空にかかる七色の虹。その真ん中にある色が緑です。人は物体特有の波長を網膜に受け、その刺激の違いを“色”として認識します。もっとも波長が長いのが赤、短いのが紫、その中間が緑です。緑は網膜にとってニュートラルな調整で認識できる色なわけです。緑を見て目の疲れがほぐれるのは、色の見え方によるのですね。

穏やかな色認識、副交感神経の働きを向上させるリラックス効果、緑色には気持ちを落ち着かせる心理効果があります。アメリカ大統領選で常に赤い色のネクタイを身につけた候補者がいましたが、反対色である緑は調和をイメージする色です。人との争いを避けたり、会議で合意を取り付けたいときは緑色のファッションがよいと言われています。

私が植物に興味を持ったのは、事務所移転のお祝いにいただいた鉢植えがきっかけです。日に日に増える葉を素人ながら剪定して挿し木にしたのが始まりでした。植物は、今日の管理が半年後、一年後の状態を左右します。春の剪定や夏場の日光が、冬越しを可能にするんですね。そして冬の間に思うことは、春になって行う植え替えのことです。新しい鉢や鉢を置く位置などを考えると、とても楽しくなります。

日々の仕事を抱え納期に追われていると長期的な目標を忘れがちです。視野が狭くなり、心に余裕がなくなっていると感じたら、どうか植物に目をやってください。不思議な色の効果と生きた植物への愛情で、リラックス効果を得ることができますよ。

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