Column
ロクゼロコラム
3分で読める社内勉強会の話
今、各社でオンライン社内勉強会が盛り上がっているワケ
2020.06.29
オンライン社内勉強会に注目が集まっています。コロナ禍でZoomによるWeb会議が日常的になり、業務時間以外の外出機会が減り自由時間が増えています。オンライン社内勉強会は、そんな環境を最大限に活用し、オンラインのメリットを味方に付ける絶好の機会です。
社内勉強会開催で重要になる2つの要素、「負担にならない」「参加が有意義であること」
社内勉強会の位置付けは、あくまでも任意の勉強会です。そのため、「参加者の負担にならないこと」と「参加者にとって有意義であること」は絶対条件になります。
コロナ禍によって、選択の余地なく業務がリモート化された企業も多くありました。その結果、意図せずして社内勉強会の2つの絶対条件が満たされて、オンライン社内勉強会が盛り上がったという実感をもった人も少なくないはずです。
参加者の負担にならないこと―オンラインで場所や時間の制約を取り払う
リアルの社内勉強会では、会場の確保や準備、ペーパレス化が進んでいない場合は、必要部数の資料をコピーする手間など、主催者にどうしても負担が偏りがちです。
オンラインで社内勉強会を実施すれば、主催者の手間はかなり軽減できます。オンラインであれば、参加者のパソコンもしくはタブレット、スマートフォンと、ネットワーク環境さえあれば、地域にとらわれることなく、どんな場所から社内勉強会に参加しても問題にはなりません。
会場の手配はもちろん不要、勤務地から距離的に離れた会場に時間をかけてわざわざ出向くこともありません。
勉強会で使う資料も、Web会議システムの画面共有機能を使えば、コピーする手間や時間もかかりません。勉強会中も、参加者は共有される資料に集中することができます。
参加者にとって有意義であること―オンラインなら参加者全員がフラットに情報共有
オンラインでの社内勉強会では、社内での上下関係や職種にかかわらず、発言しやすくなるメリットがあります。そのため、オンライン社内勉強会は、通常なら聞き役になってしまいがちな人でも意見交換に加わりやすくなり、参加者全員が当事者意識をもって参加できる効果を期待できます。
リアルに行われる社内勉強会の欠点は、役割が固定されてしまいがちな点です。そうなると、参加することに意義を感じられなくなる人が出てきます。
社内勉強会はもともと意識の高い参加者たちの集まりなので、最初のうちは、活発な意見交換が行われます。
それが、回数を重ねるごと、あるいは参加者が増えるごとに、話し手と聞き役の役割が固定化されてしまう傾向があります。それでは、話し手になった参加者は他の人の意見を聞く機会を、もしくは聞き役に回った参加者は自分の考えをまとめる貴重な機会を失ってしまいます。
本来、社内勉強会は、社員間で業務に関する知識やスキルを共有する場所であると同時に、社員間のコミュニケーションを円滑にする、あるいは他の社員の刺激を受けて、モチベーションを上げるための場でもあります。
知識やスキルを身に付けるだけなら、独学でも、オンライン学習でもよく、わざわざ勉強会の形を選ぶ必要はありません。
社内勉強会のテーマに関心をもって参加した人たちは、誰もが業務をとおして何かしらの意見や知識、情報を持っています。中堅社員であれば、実践を重ねるうちに学んだ知見があります。新人社員なら、新人ならではの視点や気付きがあります。
どれも、独学だけでは学べない現場の知恵や、業界・業務ならではの活きた情報ばかりです。社内勉強会で、こうした付加価値の高い情報を横断的に共有できれば、各自の、そして組織のパフォーマンス向上につながります。
社内勉強会をオンラインで開催することで、参加者全員が、こうした本来の勉強会の目的を達成しやすくなるのです。
オンライン社内勉強会を実施する際に気をつけたいこと3箇条
せっかくのオンライン社内勉強会を成功させるためには、相応の工夫や配慮も必要です。
(その1)社内勉強会の開催日時と合わせて、開催の目的を明確に打ち出す
主催者が経営者であれ、人事部であれ、一社員であれ、「どのような情報を共有するための勉強会か」、「何を勉強会の成果とするか」、「勉強会に参加してほしいのはどのような人か」など、社内勉強会の目的を、開催・日時の告知と合わせて、できるだけはっきりと伝えます。
日頃から社内勉強会のテーマに関心を持つ人たちが、勉強会のテーマや目的と、自分の知的好奇心の方向性が合致していることを確認できれば、参加する意義や参加への高いモチベーションを見出しやすくなります。
(その2)社内勉強会の時間を1時間などに限定する
オンライン開催の良さは、無駄を排除して、要点に絞って実施できる点です。逆に、何時間もダラダラとオンライン社内勉強会を続けても、集中力を欠いてしまい、効果が半減します。そもそも、業務時間外の勉強会に長い時間を費やすのは、本末転倒でしょう。
そこで、例えば1回1時間など、予定された時間内で確実に終えるよう、コンテンツの最適化とスムーズな進行を徹底します。
濃密で効率の良い勉強会の進行には、ファシリテーション技術や論理的思考で議事をまとめるスキル、時には勉強会開催日時までに、所定の資料に目を通しておくなどの事前準備も必要になります。
(その3)参加者全員が発言できる工夫をする
オンラインはフラットな情報共有がしやすいからといっても、特定の議題などについては、参加者全員にコメントを投稿するよう促す工夫があってもいいでしょう。任意による「挙手」だけだと、挙手できない参加者がいるかもしれません。
主催者は、意欲をもって参加したすべての人にとって意義のある勉強会になるよう、配慮をするとよいでしょう。
オンライン社内勉強会の良さ―オンラインのメリットを社内勉強会に取り込める
オンライン社内勉強会が盛り上がるのは、目新しさに注目が集まるのではなく、オンラインのメリットと社内勉強会のメリットを融合させて、一定の効果が得られるからです。
オンライン社内勉強会を一時的な取り組みとせず、今後は成果を拡散して、恒常的に活用できる空気を醸成することが求められます。