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ロクゼロコラム

3分で読める社内勉強会の話

新たな生活様式で考える「オンライン社内勉強会」の未来

2020.07.31

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新型コロナウイルスの感染者が再度増加傾向を見せ、第2波がすでに始まっているとみる専門家も出てきました。多くの方が不安を抱えながら日々を過ごしているかと思いますが、もうしばらくは新たな生活様式で、コロナとうまく共存することが求められそうです。

企業活動の観点から見ると、緊急事態宣言前後のいわゆる第1波の際、半ば強制的にリモートワークを導入した企業も多いと思います。しかしながら、宣言解除後は従来の出社スタイルに戻した企業も多いのではないでしょうか。

企業規模別で見る「テレワークに対する考え」

そんな中、HR総研(ProFuture株式会社)が、「テレワークの実態に関するアンケート」の調査結果を発表しました(調査期間:2020527日~63日)。以下は、そのアンケート内で企業規模別にテレワーク実施に対する従業員の所感をまとめたものです。

<企業規模別 テレワーク社員のテレワーク実施に対する所感>

出典:HR総研(ProFuture株式会社)「テレワークの実態に関するアンケート」

 

テレワークに対しては、従業員数が多い企業ほど前のめりになっていることが分かります。一方で、300名以下の企業も、数字だけ見ると半数以上の方が賛成となっており、全体として概ね賛成派の意見が多いことが分かりました。

大企業で賛成派が多く、中小企業でその割合が低くなっている理由は、テレワークに対する環境整備や組織体制の柔軟さ、経営トップの考え方も影響を受けていると考えられます。今後の第2波にあたっては、改めてテレワークの重要性、および実施のための環境整備が進められていくことと思います。

学びを止めないためにできること

緊急事態宣言前後、特に4月については、集合型で実施予定だった研修を見合わせる企業が多くありました。しかしながら、そういった研修の多くは、中止を決めたものを除き、宣言解除後に改めて実施されるケースもありました。この場合は、オンラインでの実施が目立ったように感じます。

学びを止めてはならない。そのキーワードをもとに、研修以外で今注目され始めているのが「社内勉強会」です。その言葉を耳にした方も多いかもしれませんが、改めて今後の展望を考えてみたいと思います。

 まず、集合型で勉強会を実施することは、テレワークがより一層推進される状況下において、なかなか浸透が難しいと感じています。社内勉強会は、双方のインタラクティブになコミュニケーションを重要視するワークショップ型と、大勢の人に知識を伝える講演型の2つがありますが、どちらも閉鎖された空間で行うため、いわゆる新しい生活様式には馴染まないと予想しています。そこで、改めて「オンライン社内勉強会」の必要性を説いていきたいと思います。

 オンライン社内勉強会でできること

一般的な社内勉強会は集合型で行いますので、その場でスムーズに意思疎通を図ることができます。オンライン社内勉強会でも、システムをうまく活用することで、集合型と変わらず効果的な話し合いを行うことが可能ですが、予め雰囲気作りやルール設定を参加者に伝える必要があります。こういった進行部分に関する要素は、いわゆるファシリテーターが担うので、その人選もポイントになってきます。

一方で、場所を選ばずに実施できる点は、オンライン社内勉強会で最大の強みといえます。どこからでも参加ができるので、このために会議室を押さえる必要がありません。この点を活かし、オンライン社内勉強会を学びの場として機能させる企業も増えてきています。

テレワークの普及で心配になる点として、従業員どうしのコミュニケーションがとれないという声をよく耳にします。これについては、確かに第2波の際の大きな課題でもありますが、いくらトップが「コミュニケーションを増やせ!」と指示しても、そこに具体的な策がなければ絵に描いた餅に終わってしまいます。

そこで、オンライン社内勉強会をぜひコミュニケーションをとるきっかけにしていただきたいと思います。テーマは何でも構いません。あくまで個々の持つ知識や経験の共有の場として実施いただければOKです。時間も長いと負担がかかるので、30分~1時間程度でも十分にコミュニケーションという目的を果たすことができます。

 新たな生活様式が進む中で、オンライン社内勉強会は新しい教育モデルとして可能性を秘めています。オンラインでさっと集まり、短時間で学び、気づきを得て解散するという、スピード感を持った実施形式で、あなたの企業も従業員の教育とコミュニケーションを両立させてはいかがでしょうか。