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ロクゼロコラム
3分で読める社内勉強会の話
オンライン社内勉強会は新人の早期離職の抑止力
2020.07.14
2020年春はコロナ禍で新入社員研修がイレギュラーな形式で行われ、例年以上に不安や戸惑いを抱えたまま、現場に配属された新入社員も多いはず。実は、オンライン社内勉強会は、そんな彼らを救う“希望の光”になるかもしれません。
リモート入社式で始まった2020年度の新卒新入社員たち
7月といえば、研修期間や試用期間を終えて、新人社員が現場に配属され、OJTを受けながら業務を開始する時期です。例年、学生生活と社会人生活とのギャップに苛まれ、会社が辛いと感じる人が出てくるのもこの時期ではないでしょうか。
ましてや、2020年度新卒入社組は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、入社式の中止やリモート入社式、分散入社式というイレギュラーな形で企業に迎え入れられました。その上、基本は自宅でテレワーク研修だったという企業も多く、2020年度の新入社員たちの、会社への順応化は例年よりも困難になると予想されます。
新入社員の10人に1人は1年以内に離職、2020年度新卒社員はより厳しい状況に?
「新規学卒就職者の離職状況(平成28年3月卒業)」(2019年10月、厚生労働省発表)によれば、学歴別新規学卒就職者の1年以内の離職率は、大卒で11.4%、高卒で17.4%、3年以内の離職率は大卒32.0%、高卒39.2%などとなっています。
大卒入社社員の場合、入社後10人に1人が早期離職してしまう現状は、企業と離職する新入社員の双方にとって大きな損失です。
3年から5年もの時間をかけて1人前の社員として育成する予定で、企業は新卒の新入社員に対して、研修や給与などの形で先行投資します。新卒社員としても、社会人としての経験を積む前の転職となり、機会喪失の感は否めません。
例年通りの新入社員研修を実施した上で、この早期離職率です。テレワーク中心の研修を経験し、ウィズコロナのまま業務開始となった2020年度新卒社員たちには、これまで以上の配慮をしないと、早期離職率の悪化は避けられないでしょう。
早期離職の原因、新入社員が見舞われるリアリティショック
新入社員の早期離職の原因はさまざまです。
その中でも、次のような原因が主に考えられます。
・入社前のイメージと違っていた
・職場の上司や先輩、同僚との人間関係に問題があった
・労働時間が長い、労働環境が悪い
・仕事内容がおもしろくなかった
こうした原因は、新入社員が感じる、学生の視点から見る会社と、社員の視点で見る会社のギャップに起因する場合が多いのではないでしょうか。
環境の大幅な変化によって受ける精神的ストレスは「リアリティショック」と呼ばれています。米国の心理学者であるE.C.ヒューズが50年以上前に生み出した言葉であり、理想と現実のギャップにショックを受けた状態を指します。
新入社員の場合は、入社前に思い描いていた会社のイメージと実際の会社の状態の乖離に衝撃を受けている状態を指します。
リアリティショックは働く人の心理状態に強い影響を及ぼします。
新入社員がリアリティショックに見舞われると、仕事に対してモチベーションがわかない、会社に行きたくない、会社に対するエンゲージメントもない、といった状態に陥って、早期離職に至ってしまいます。
新入社員のリアリティショックを緩和するには?研修、そしてオンライン社内勉強会
学生感覚と社会人のギャップを埋めるのが新入社員研修です。集合研修では同期の仲間と集い、会社や業界の真の姿に触れながら社会人としてのマナーを学びます。本来、新入社員研修には、会社へのエンゲージメントを高めながら、リアリティショックを和らげる大きな効果があると考えられます。
しかし、2020年度は新型コロナウイルスの影響で、新入社員研修本来の効果がどれほど得られるか不明である中、新入社員は現場に配属されています。
OJTは職場の先輩やメンターによるサポートを受けながら仕事を覚えていく時期ですが、テレワーク主体の研修で不足気味だった連帯感や会社へのエンゲージメントの醸成を補う支援も同時に必要になります。この役割を担うのが社内勉強会です。
OJT期には業務に関わる内容や、経理などの実務的な内容、仕事のスキルなど、新たに学ぶべきことが出てきます。こうした内容をテーマとする社内勉強会を、同じ業務を担う新人を対象に開催する、あるいはベテランの先輩が職場の新人を対象にして社内勉強会を開くなど、さまざまなパターンが考えられます。
この社内勉強会を、テレワーク新入社員研修の一環ですでに多くの人が体験済みであろう、ZoomやGoogle Meet、Microsoft TeamsなどのWeb会議システムを使って開催する方法がおすすめです。
Web会議システムを使えば、会場の手配や資料のコピーも不要で、資料を画面共有することもできます。同じ目的で集まった参加者同士で自由な意見交換をしやすい、連帯感を感じられるなどのメリットもあります。
先輩が参加者として加わっていれば、対面より、会社や業務に関する質問や相談もしやすくなるでしょう。
オンライン社内勉強会の効果は、リアリティショックを緩和するためのスキルや知識の向上にとどまりません。
テレワーク新入社員研修で孤立しがちだった新入社員たちと会社をつないでエンゲージメントを高める効果もあることは見逃せません。
オンライン社内勉強会で新入社員の早期離職を回避する
2020年度の新入社員たちは、コロナ禍で思いもよらぬ門出を迎えることになりました。
しかしながら、社会人としての本格的なスタートをバックアップして、リアリティショックによる早期離職を未然に防ぐために、ウィズコロナ時代の“新しい生活様式”、オンライン社内勉強会を活用できることを覚えておくとよいでしょう。