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ロクゼロコラム

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できる社員は人を巻き込んで組織に貢献する

2022.06.07

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私たちの日々の仕事は、企業が商品やサービスを提供するために行う活動の一部分です。その意味で、私の仕事は、同時にあなたの仕事でもあるわけです。もともと仕事は一人の業務で完結することはありません。誰かが誰かを巻き込んで相乗効果を生みながら業務の質を上げることは、会社としてウェルカムなスタイルです。

巻き込む力が求められる理由

組織が組織たる所以は仕事の分業制にあります。職種や目的別に部署を分けることで品質を確保し、煩雑なバリューチェーンを整理・効率化しているのです。さらに職種・目的毎に分けられた部署の内部でも業務はチームに分けられます。そしてチーム内においてもメンバー毎にタスクが割り振られるのが一般的でしょう。

元来、サービスの提供という共通の目的の達成を目指している私たちですが、各部署に配属されると、各々「営業の人」「開発の人」「財務の人」などになってしまいます。

そうなると他部署の動向に疎くなるばかりでなく、興味がなくなり、場合によっては反目することさえあります。また、組織が大きくなると、同じ部署の仕事であっても、他チームのことはわからないということも起こり得ます。

「周囲を巻き込む力」はコミュニケーション力の一部とされることが多いので、チームビルディングやチームワーク向上の観点で求められるものと認識される向きがあります。しかし、「巻き込み力」はそれだけのために注目されているのではありません。

経産省が2006年に提唱した「社会人基礎力」に、“働きかけ力=他人に働きかけ巻き込む力”という言及があり、これは“前に踏み出す力(Action)”の一項目として挙げられています。なぜ前に進むために人を巻き込む必要があるのでしょうか?それは、現代の複雑なビジネスシーンで、一人で成し得ることのできる仕事は、あまりに小さく頼りないからです。配属後にわからなくなってしまった他部署、他チームの動向を把握するには、何等かの「巻き込み力」を必要とします。ビジネスを俯瞰し、ダイナミックに発展させるために、今「巻き込み力」は注目されています。

※社会人基礎力=「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」経済産業省
https://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/index.html

人を巻き込むことに抵抗がある人は再考を

私たちが担う日常業務は、然るべきタイミングで他部署による次工程へと移行します。これは、いわゆるバリューチェーンが稼働している状態です。バリューチェーンは、目的のために組織が各部署を巻き込んでする価値提供のシステムです。それは完成されたシステムで、私たちはその構造に従って通常馬力で活動することで、品質を落とすことなくサービスを提供し、社会に貢献することができています。

では、突発的あるいは新規のプロジェクトを立ち上げる時は、どれほどの馬力が必要でしょうか。

その時こそ、仕事は一人の業務で完結しないことを体感しないではいられないでしょう。スケールの大小はあるものの、新しい取り組みを成功裏に完結させるには、原価管理、開発、製造、販売、売り上げ管理など、自分一人の能力や権限ではどうにもならないことが多くあります。たとえ部署内の業務改善プロジェクトだったとしても、メンバーの同意を得られないアイデアが定着することはありません。

もう少し足元に視線を転じてみます。

一人では抱えきれない難問や仕事量があるとして、皆さんはそれをどのように処理しますか?

答えは簡単です。抱えきれないのですから、待っているのは破綻でしかありません。成果物の品質が劣り著しく評価を下げたり、納期に遅れてお客様や周囲のメンバー、次工程の他部署に迷惑をかけたりといったことが起こるでしょう。

自分が請け負った仕事を他者に振ることに抵抗を感じる人も多いかもしれません。無責任な行動に思えたり、業務遂行能力の低さが露呈するような気持ちになるからです。

しかし、ここでも組織のバリューチェーンの考え方が、その後ろ向きな感情を冷静に軌道修正してくれます。仕事は個人に割り振られているようで、その実、個人に紐づくものではありません。少し乱暴な表現ですが、企業内のあらゆる仕事は誰がしてもいいのです。

ただ、多くの組織が分業制であり、得意な人、適切な立場の人がいるために、仕事は“担当者”に割り振られます。しかし本質的には、目的が速やかに達成されれば、それでよいのです。

巻き込み力に必要なものは?

最後に人を健全に巻き込むために必要なスキルや考え方をご紹介します。

目的・目標の明確化

何を何のために取り組みたいのか、そして、それはいつまでに完成させたいのかといったことを、巻き込む相手にわかりやすく納得感のある言葉で伝えます。また、その目的達成に向けた熱意を理解してもらうことも必要でしょう。とくに新規プロジェクトの立ち上げは、自分自身の真剣さを分かってもらわなければ、事が進みません。

巻き込む相手を見極める

誰を巻き込むかはプロジェクトの成否に関わります。日頃から周囲に関心を持ち、誰にどのような特徴がありスキルがあるのかを把握しておきます。単に仕事を手伝ってもらいたい時も、相手の状況を分かっていなければなりません。日頃のコミュニケーション力がここで生きてきます。

根回し

相手の時間を大きく割くようであれば、自分勝手に依頼はできません。相手の上司や所属長の承認が必要となるでしょう。しかし、その前に相手を含む近しいメンバーへの根回しがあると依頼が円滑に進みます。逆もしかり、相手の上司の承認があれば、正式に相手を巻き込むことができます。

WinWinの交渉力

相手を巻き込む取り組みは、他部署間や社外の関係者間でも行われます。利害の異なるメンバーを巻き込むには相応の交渉力が必要です。どちらか一方が負担を被ることのないWinWinの関係を探し、双方が納得して取り組める条件、状況を作ります。

まとめ

優秀でできる人ほど、仕事は部署を越え、組織を越えて多くの利害関係者と関わるようになります。組織が違えば目的や価値観も異なり、良好な協働体制を構築することに難しさが増すでしょう。経験の少ない若手のうちから人を巻き込む力を養うことは、将来、皆さんの役に立つでしょう。すべてを自分でやろうと思わず、得意な人、適切な人の力を借りる賢明さを持ちましょう。きっとダイナミックな展開が待っています。

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