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ロクゼロ注目!ビジネススキル

ロジカルシンキングはなぜビジネススキルの必修科目なんだろう?

2022.02.25

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企業の人材育成カリキュラムに必ずラインアップされている「ロジカルシンキング」。たくさんの関係書籍が刊行されているので、目にしたことも多いのではないでしょうか。そう、ロジカルシンキングはそれだけ大切な思考法であり、ビジネススキルの必修科目であると言えます。

ロジカルシンキング(論理的思考)とは何か

“ロジカルシンキングはビジネススキルの必修科目”とはいえ、自分の論理的思考力に自信があるというビジネスパーソンは少ないのではないでしょうか。小さな子どもの頃から成人に至るまで、人間関係の“和”を重んじて生活してきた私たちは、自分の考えを忌憚なく相手に伝えることに慣れておらず、時にはダンマリを決め込むこともあります。

たとえば、企業研修で講師が受講者に意見を求めても、なかなか手が挙がらない、というようなことがあります。この時私たちは、賛成意見も反対意見も、頭のなかにモヤっとした思念として置いておくだけで言語化しようとしていません。せっかくのロジカルに思念を整理する機会を無駄にしてしまっているのです。

一般的に日本人が苦手だと言われている“ロジカルシンキング”(論理的思考)。
ここでその定義を押さえておきましょう。
ロジカルシンキング(論理的思考)を一言でいえば、「物事を筋道を立てて考えること」です。

では筋道とは何かというと、「主張するに足る一連の明確な根拠」です。論理的思考力とはその根拠をそろえ結論を導くための思考力と言うことができます。

どれほどの日本人がロジカルシンキングを苦手としているかについては、それこそ明確な根拠がなく分かりません。しかし、人との和を大切にするために発言を慎んだり、積極的に意見を言えなかったりする習慣があると、主張する機会そのものがありませんから、根拠をそろえる必要もなくなります。よって私たちの日常に相手を説得し納得させようとロジカルに考える場面はそれほど多くないのが現状でしょう。

一方でビジネスパーソンには、市場のグローバル化やビジネススピードの加速などを要因に、ロジカルシンキングのスキルが求められます。価値観や慣習の異なるビジネスパートナーと仕事をしていくには、躊躇のない整然とした主張が必用です。また、現代のビジネススピードに応えるには、遠回りのない効率的な思考と処理が求められます。その根底にあるのがロジカルシンキングというわけです。

ロジカルシンキングは私たちの日常には馴染の薄い概念ですが、ビジネスパーソンにとっては欠かせないスキルです。企業研修に必修のテーマであり、関連書籍がたくさん刊行されている理由、これでお分かりいただけたかと思います。

ロジカルシンキングの基本軸・縦と横

「さっそく今から物事はロジカルに考えよう」と決意したとして、私たちは何から始めればよいでしょうか。

考えるということは、何かが分からないからするのであって、その時点の自分は霧のなかにいるようなものです。模索中の考えは遠慮なくあちらこちらに飛んでいきますので、何のために考えていたのか、その目的を見失いがちです。そうした時に役に立つのが、ロジカルシンキングのフレームワークです。

今、私たちがロジカルシンキングと呼ぶものは、実際のところ、このフレームワークを指すことが多いと言えます。乱暴な言い方をすれば、ロジカルシンキング=フレームワークです。

ロジカルシンキングは、“縦の論理”と“横の論理”を基本とする2軸で構成されています。

縦の論理は、物事を「なぜ?」「どのように?」と掘り下げ、正確性を上げて本質につなげます。横の論理は、漏れや重複のないように根拠を並べます。ロジカルシンキングでは、この漏れや重複のない状態をMECE(ミーシーorミッシー)の法則と呼びます。

次の図は論理を展開する際に使用されるピラミッド図です。例として「旅館の売り上げを上げる」方策について「どのように」を繰り返して考えてみたものです。

思考を縦に掘り下げ、横に広げながら上記のようなピラミッドを作ることを意識すると、模索中に目的を見失うことがありません。また、各要素を書き出すなどして、視覚化していくと思考の後戻りを防ぐことができます。

ここで注意したいのは、各階層で抽象度をそろえることです。まずトップのボックスに目標を定め、次の階層から目標を達成するための要素を書き出していきます。この時、目標達成のための課題なのか、解決策なのかをそろえます。またそれぞれの階層の粒度もそろえておかないと、要素間のつながりが飛躍してしまい、筋道が通らなくなってしまいます。

縦と横の論理はピラミッド図が視覚的に分かりやすく、思考を絞り込むのに便利ですが、その他、ポジショニングを整理するマトリクス図や、時間軸・価値の連鎖を整理するプロセス図なども、筋道立てるのに役立ちます。

ロジカルシンキングを操る人になろう

さて、皆さんのまわりの「ロジカルな人」とはどのような人でしょうか?その人は仕事のデキル人ではないですか?

ロジカルシンキングはビジネスパーソンの必修科目であり、論理的に物事を捉えることのできる人は優等生です。論理的に考えるには、物事の全体像を把握しなければならず、その時点で、局所的で視野の狭い人とは明らかに差ができます。また、感情に任せた適当な視点では全体像を把握するのは難しいですから、冷静で客観的な言動が身についていることも予想できます。

皆さんは、仕事をしていて思考が散らかり、物事の順序がちぐはぐになってしまうことはありませんか?冷静に全体像や関連事項を整理できていれば、そのようなことにはならない筈ですが、それがなかなか難しいことなのです。

ロジカルシンキングがビジネスパーソンに必要なのは、ピラミッド図によって問題を解決したり発想を助けたりするからだけではありません。多様な価値観、立場、役割の人と仕事をするにあたって、誰にでも明解な方法と思考でコミュニケーションをとるためにロジカルシンキングはあるのです。

ちぐはぐで非効率な仕事で困るのは自分だけではなく、協働する職場の仲間やお客様です。

つまり、フレームワークで導いた答え・結論以上に、ロジカルシンキングを操る人の存在に価値があると言えるでしょう。

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