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人生100年時代に勝つためにやっておきたい3つのこと

2022.11.18

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2022年8月に発表された日本の平均寿命をご存知ですか? なんと男性は81.47歳、女性は87.57歳!元気に長生きしたいと思うのと同時に、自分の人生にまだまだ先があることを考えると、思わずため息が出るのも本音です。人生100年時代をどう生きますか?

平均寿命のこと、あれこれ。

「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり」

これは織田信長が好んで舞ったとされる幸若舞(“能”の原型とされる舞踊で国の重要無形民俗文化財)「敦盛」の詞章です。この詞章は、天界に流れる果てしない時間と人間の世に流れる時間を比較することで、「人の世の儚さ」を詠っています。

ちなみに、信長が桶狭間出陣の前にこれを舞ったという記述はありますが、よくテレビドラマで目にする、焼き討ちにあいながら本能寺で敦盛を舞うシーン、これについては何も記録が残っておらず、ドラマの演出のようです。

多くの人が敦盛の「人間50年」を当時の人の寿命だと解釈している節がありますが、実はそうではないのですね。

医学が発達していなかった当時、乳幼児の死亡率が高いこともあって“平均”寿命は15歳程度だったと言われています。成人した人が平均して何歳まで生きていられるか、つまり「平均死亡年齢」もやはり若く、安土桃山時代は30歳代だそうです。

(今日のように厳密なデータがあるわけではないので、当時の寿命に関しては諸説あります)

織田信長が本能寺で自害したのは48歳だと言われていますので、当時としては長寿です。秀吉は61歳、家康は74歳。やはり庶民にくらべ栄養状態もよく、戦国時代とはいえ周囲に守られた存在だったのでしょう。

日本人の平均寿命と高齢化社会

では日本人の平均寿命が50歳を超えたのはいつ頃からでしょうか。

明治・大正時代はまだ43歳、44歳。平均寿命が50歳を超えたのは、第2次世界大戦が終結した2年後、1947年のことだそうです。それが75年後の2022年には、男性が81.47歳、女性は87.57歳(厚労省 2022/08/08発表)にまで延びました。

日本では比較的に安全な出産が可能で、その後の医療・福祉も充実しています。長寿の国であることは喜ばしいですが、2007年には超高齢社会に突入し、社会保障制度や労働人口の減少に伴う経済成長率の低下、高齢者の質の高い生活確保など、あらたな課題も抱えています。

高齢化社会の問題は、日本だけでなく世界中でおきています。とくに先進国とされる欧米諸国での高齢化率が顕著ですが、開発途上国でも高齢者の人口は増えており、アジア諸国では日本を上回るペースで高齢化が進んでいます。

サブサハラ・アフリカでは若年層の人口も増えていますが、日本を含む先進国は少子高齢化が進んでおり、世界の総人口に占める労働力人口の割合は減少を続けるとみられています。働く人がいなくなった市場は縮小し、経済成長もままなりません。サステナブルの観点でも社会の高齢化には課題があるのです。

始皇帝が不老不死の霊薬を探していたことは有名ですが、いざ100年という単位の人生と向き合うことになった現代人は、その長寿ゆえに、今まで経験したことのない、新しい社会を模索し構築する必要に迫られています。

LIFE SHIFT人生100年時代とは。

さて、そのような時代背景のなかで刊行されたのが、シリーズ累計52万部のベストセラーとなった、リンダ・グラットン教授(イギリス・組織論学者)の『LIFE SHIFT』です。

この著作は、人生を100年という単位で考えた時、いままでのライフステージの変化では「引退後の人生」に対応できず、現代人は老後資産と無形資産(健康、スキル、人間関係)を見直さなければならないと説いています。

つまり、退職金や年金で余生を過ごすという生涯設計では、引退後も長く続く人生を幸せに生きられないということです。日本では年金制度の崩壊も危惧されていますから、ことさらに豊かな老後を過ごせるのか心配になります。

そこで、考えなければならないのが「働き方」「学び方」「引退後の人生」です。

ここまで老後や引退後といったワードが多く使われているため、つい惑わされてしまいますが、そろそろ定年だといって焦ってする引退後の準備は、社会的、精神的、身体的にとても大変です。

現役世代の皆さんには、それぞれの年代ごとに大切にしたいものや生き方があると思いますが、その何パーセントかを生涯設計の観点に振り分けてみてください。

何をどうSHIFTする?

働き方

100年ちかくある人生を、豊かに安心して暮らすためには「長く働けること」が必要です。生活のための資金を得るために働くのはもちろんですが、仕事を持っていることで地域や仲間とつながり、社会に貢献している実感を持つことができます。活性した日々を送るために仕事が必要なのです。

コロナパンデミックで期せずして柔軟な働き方が導入された企業もありますが、今後は、自ら働き方を模索することが重要になってきます。雇用形態に捉われなければ、個人で事業を起こしたり、NPO法人に勤務するなども選択肢の1つでしょう。

学び方

変化の激しい現代において、年齢にかかわらず現役として働くには、その時代に即した知識やスキルを得る必要があります。ベテランが持つ“経験”は高い価値がありますが、その経験を若い世代にデリバリーするには、やはり当世流の方法とルールがあります。

学ぶことによって価値観をアップデートしたベテラン世代だけが、過去の経験を教訓として語ることができるのです。若い世代と働き生きるには、時代をともに享受しなくてはなりません。

日本政府もリカレント教育の確立に着手しています。人生100年時代に即した教育制度が早く整えばと思います。

引退後の人生

皆さんは、現役を引退した後の人生をどのように想像しますか? 旅行?盆栽? 日がな一日、ソファーでボーっと過ごしますか? 100年という人生はなかなかに長いものです。この長い人生の後半を健康で生き生きと過ごすために必要なのは、「熱中できる何か」です。しかも、それが自分の価値を高める何かであれば、それを活かして仕事を続けることができます。今は時期尚早と思って安心していると、「何か」を探してスキルアップする時間が足りなくなります。

老後資金2000万円問題と健康寿命

2019年に、「老後30年で2000万円が不足する」という金融庁の試算がメディアに流れ話題になったことがありました。財務大臣は年金制度の崩壊を断定するわけにいかず、正式には受け取りませんでしたが、私たちは自分の預貯金額などを思い浮かべ、それも当然だと概ねそのまま甘受しなかったでしょうか。

働き甲斐や生き甲斐、熱中できる何か、もちろんこれらがなくては生きる意義が薄まるかもしれません。しかし、老後の資産がなければ、実質的に生きていけません。給与とは別の収入を得るために投資計画を立てる人や、退職後にもできる仕事を模索する人が増えてきました。ある企業の調査によると、ビジネスパーソンの4割は何かしらの投資をしているというデータもあります。

しかし、健康でいなければ引退後の人生を豊かに安全に暮らすことはできません。健康寿命という言葉もあります。若いからといってサボっていてはいけません。自分の健康に投資することも忘れないように日々努力しましょう。

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