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徹底解説!!企業の多様性を促すイクボスの存在を考える

2021.08.06

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厚労省に“イクメンプロジェクト”が発足したのは2010年。男性の子育て参加や育児休業取得の促進を目的に、シンポジウムの開催やアワードの創設などがされてきました。“イクボス”はその流れをくむ概念ですが、イクメンプロジェクトより、はるかに広い目的があります。今一度“イクボス”の定義を確認してみましょう。

イクボスの定義と、今、求められる理由

まずは、イクボスの定義を確認します。イクボスプロジェクトを進めるNPO法人ファザーリング・ジャパンによれば、

「イクボス」とは職場で共に働く部下・スタッフのワークライフバランス(仕事と生活の両立)を考え、部下のキャリアと人生を応援しながら、組織の業績も結果を出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司(経営者・管理職)ということです。イクメンがもてはやされた10年前とは異なり、目的は「職場でともに働く部下・スタッフのワークライフバランスの充実」であり、それによっておこる「業績の向上」も目指しているというわけです。また、イクメンプロジェクトの当事者は“育児に参加したい男性社員”でしたが、イクボスでいうところの当事者“ボス”は、男性でも女性でも構いません。

厚労省のイクメンプロジェクトは、2021年の現在も続いていますが、発足当時から“イクボス”についても施策が組まれています。例えば、「アワード」。イクメンプロジェクトは2013年にイクメン推進企業を表彰するようになりましたが、その翌年、2014年には既にイクボス推進企業も表彰しています。

では、なぜ“イクボス”が現代の世の中に求められているのでしょうか。

その要因である中核的な現象は、労働人口の不足です。日本の出生率は1970年以降減少を続けており、2021年6月発表の出生率は1.34%でした。少子高齢化の流れは止まらず、労働人口は減るばかりです。政府の試算によると、2025年には6,082万人、2040年の予測は5,245万人です。

生産年齢人口の減少は国力の低下を招きます。そのため、少子化対策は政府の最重点課題の一つです。イクメン、イクボスは誰もが活躍できる社会、つまり、働く人の総量を増やそうという取り組みとも言い換えることができます。育児によって働くことを諦めていた女性や、高齢者の就労促進がカギとなります。

組織・団体がイクボス宣言をするメリットと課題

2016年9月、東京都の小池知事は都庁の全管理職400名の前で「イクボス宣言」をしました。男性職員の育休取得率の向上、残業の削減、介護離職の防止などを挙げ、これからの「よい仕事の仕方」とは何かを管理職自らが考えるよう訴え、積極的に業務改善を推進し、部下のワークライフバランスを整えるよう方向性を示したのです。

さて、このように組織や団体がイクボス宣言をするメリットはどこにあるでしょうか。

①エンゲージメントの向上、離職防止

女性の社会進出が進み、働き方は一機に多様化しました。育児、家事を担うことの多い女性が働きやすい会社を目指すのと同期して、男性社員の家族、家庭への考え方も変化しました。また、男性にしかできないと思われていた職種を希望し、そのとおり配属される女性も増えました。女性が働きやすい会社は男性も働きやすい会社なのかもしれません。誰もが働きやすい会社はエンゲージメントを得られやすくなります。社員にとって価値のある会社となることは、人材という貴重な戦力の流出を防ぐ会社であるともいえます。

②仕事の効率化が進む

ワークライフバランスを保とうとすると、時短勤務やノー残業など、会社に拘束される時間を減らす必要に迫られます。しかしながら業務量は減らないため、社員一人ひとりが主体的に効率的な仕事の進め方を模索するようになります。また、そうした状況を受け、イクボスの号令のもと、仕事に人をつけ業務の可視化を進めることによって、システマチックに効率化が図られるということもあります。

③チームワークが向上する

出産、育児などを理由に時短勤務や休業に入る社員がいるということは、その社員が担当していた仕事がチームに割り振られるということです。日頃からチームメンバーの業務を把握しておくこと、互いにフォローできる体制を作っておくことが、長期に職場を離脱するメンバーをサポートし、チームの業績を維持することにつながります。

さて、ここまでイクボス宣言のメリットをお話ししましたが、実際の運用においては課題もあります。その一つに人事評価があります。20186月成立の「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」、また、昨今注目されているダイバーシティ&インクルージョン、これらの浸透によってワークライフバランスの充実については、正当性や効果が理解されるようになりました。しかし、人事評価の側面では各企業によって工夫が求められます。

さすがに長時間労働が評価される時代ではなくなりました。しかし、育児や介護、通院など、様々な理由で時短勤務をする人とそうでない人を公平に評価するのは難しく、ここの運用を誤るとイクボスの概念はしぼんでいきます。納得感のある評価制度を制定し、また、社員が納得できる説明が必要です。

まとめ

イクボスの考え方が企業に定着するには、経営層の強いメッセージや管理職の意識改革が必須です。また、一人ひとりの社員がイクボスの概念をどう受けとめるかについても、各企業の現状によってやるべきことは一つではありません。できるところから手をつけていく、そんなスタンスで焦らず確実に進めていくことが望まれます。

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