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ロクゼロコラム

ロクゼロ注目!ビジネススキル

今どきの「報・連・相」に必要なのは?組織の情報海流を考える

2021.11.29

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ビジネスパーソンの皆さん、“HO-RE-N-SO”とキーボード入力したら、どのように変換されますか。

ほうれん草?ホウレンソウ? 多くの皆さんのPCで“報連相”と表示されるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。ビジネスパーソンに必須のスキル「報連相」について、考えてみます。

働き方改革、リモートワークで見直される「報連相」

働き方改革やコロナ禍でのリモートワーク推奨によって、多くの企業が社員を出社させずに仕事をするスタイルを導入しました。通勤するのが当たり前だと思っていた私たちも、当初は戸惑いながら、現在では疑問なく、各々がリモートワークを効果的に取り入れているのではないでしょうか。

通勤に費やしていた時間を有効に使えること、工夫次第で自分の仕事に集中できること、また、オンライン会議システムやクラウド対応のソフトがリリースされたことで、リモートワークでも問題なく仕事ができることが分かってきました。子育てや介護、ご自身の体調などの事情で、仕事の時間や仕事をする場所に制約のあった方が、少しでも働きやすくなったことは喜ばしいことです。

さて、報連相の話です。

やってみてリモートワークにメリットがあることを認識した私たちですが、一方でデメリットも感じます。それは、あらゆる面での情報不足です。同じ部署の同僚が元気なのか疲れているのか、今日の部長のご機嫌具合、部下に指示した価格一覧の作成状況、そろそろ納品予定の商品の仕上がり、などなど。

出社して仕事をしていれば難なく揃っていた情報が、リモートワークでは“わざわざ取りにいく”情報となりました。私の場合は、ビジネスチャットやオンライン会議、メール、あるいは電話などで現在の状況を確認することがしばしばあります。

しかし、自分の業務に直接影響がないと感じた情報に対しては、アクションを起こさないこともありました。そうした起こさなかったアクションのせいで、後々必要な情報が手元になくて困った、といったことが幾度となくあります。

社員同士の人間関係が築かれていて、コミュニケーションに問題がなかった組織でも、リモートワークに移行すると情報の流れが途切れてしまいます。それは、誰が何を知りたいのかが分からないこと、また、それを想像して情報を提供するのに適した環境ではないことに要因があります。

では、自分がこうした状況に放り出された「新入社員」だと仮定してみてください。先輩に話しかける手段はあります。チャットでもメールでもよいでしょう。けれど、分からないことの正体が分からなかったり、そもそも質問してよいのかも分からなかったりしないでしょうか。

ある程度の経験を積んだビジネスパーソンでさえ、リモートワーク下で完璧な情報提供をするのは難しいものです。ましてや経験が浅く、これから先輩との人間関係を築いていく新入社員や若手社員にとっては、更にハードルが高くなるのも当然です。働き方が変化した今、私たちは十分な意識をもって情報提供に臨まなければなりません。

報連相の目的と重要性

ここで、報連相について遅ればせながらおさらいをしておきます。

・報告とは、指示を受けた人が指示を出した人に対して任務の遂行状況や結果を知らせること
・連絡とは、自分の持っている情報を周囲に知らせること
・相談とは、何かに迷ったり悩んだ時に、他者にアドバイスを求めること

このように、ビジネスにおける報連相は、ある事象に対する自分自身の認知度を他者と共有して明らかにすること、と言えることができます。

チームで仕事を進めるにあたって、自分が持っている情報(知っていること)を伝えるのが報告・連絡ですが、「自分はまだそれを知らない」という事実を伝えることも報告・連絡の一部です。前段で新入社員や若手社員がチーム内の情報を取りこぼしやすい立場であることに触れましたが、何かのタイミングで先輩社員でも情報をとれないことがあります。また、いずれ知ることになったとしても、共有のスピードが遅いために情報の価値が薄れてしまうこともあるでしょう。

報連相の究極の目的は「チーム力を駆使して仕事を成功させること」にあります。しかし、さしあたっての目的は、チームに情報格差を生まないことです。格差というと弱者が損害を被るイメージがありますが、ヒエラルキー構造で下位階層の新入社員や若手社員が情報を上げない(報連相をしない)ために、上位階層の社員の仕事がピンチに陥ることもあります。この場合は、上位階層の社員が情報弱者になってしまっているわけです。

もちろん新入社員だからという理由だけで、情報を薄めて伝えてもよいことはありません。経験値が違えば、情報から発想する仕事の展開も違ってくるでしょう。しかし、それは一つの結果にすぎません。情報の質とアクセスは平等であるべきです。

まとめ

私たちは新人が入社するたびに報連相の必要性を教えてきましたが、このコラムを書きながら、それがいかに上から目線であったかを感じます。「先輩・上司は情報を必要としている、君たちは報連相をしないといけない」。こんなニュアンスだったのではと思うのです。新入社員は報連相をするもの、というバイアスがあったとしか思えません。彼らも情報を積極的に取りにいってよいし、そうするべきです。また、私たちも、誰にでも分かりやすい言葉で平等に情報を提供する意識をもつべきでしょう。

働き方が変わったことで、情報は“わざわざ取りにいく”ものになりました。逆説的にいえば、情報に“わざわざ”アクセスしなくてもよい組織は、仕事をスムーズにスピーディに行える良質な組織であるともいえます。報連相の主人公は誰なのか、今一度考えてみてもよいのではないでしょうか。

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