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コロナ禍に考える、従業員エンゲージメントって何だ!

2021.07.30

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ここ数年、もっと前からかもしれません。人事領域で“従業員エンゲージメント”という言葉を聞くことが多くなりました。それ以前は、“従業員満足度”がよく使われていましね。そして、コロナ禍の今、従業員エンゲージメントは企業存続の精神的な支柱として語られるようになりました。今一度、エンゲージメントについて整理しようと思います。

従業員エンゲージメントの意味をおさらい

英語の“engagement”は、シーンによって様々な意味を持つ言葉です。契約、雇用、あるいは婚約を指すこともありますが、どの場合にも共通していえるのは、人と人との「関係性」に関わる意味だということです。人事領域でのエンゲージメントは、ウィルマー・B・シャウフェリ(オランダ、ユトレヒト大学)が提唱した概念を基礎にしたものです。厳密にはシャウフェリが提唱したのはワーク・エンゲージメントといって、従業員エンゲージメントとは若干意味合いが異なるのですが、「働きがい」をもって仕事をしているか、という根底の考え方は変わりません。
従業員エンゲージメントと混同しがちな言葉に“従業員満足度”があります。これは、会社から与えられる報酬(給与、待遇、環境など)について、従業員がどのように評価するかを指す言葉です。「好きな会社とは言えないけれど給与がよくて福利厚生もまあまあ」ならば、従業員満足度は低くないかもしれません。
一方で、従業員エンゲージメントは従業員の所属企業への「愛着」や「思い入れ」を指す言葉です。企業の代表者や経営陣、理念や組織風土、そして経営姿勢、商品・サービスなど。私たちが会社を好きになる要素はたくさんあります。これらの数えきれない要素が、従業員を所属企業のファンにしていきます。
「会社を信頼してその意思についていこうと思う」「会社のために自ら貢献しようと思う」。こうした気持ちが従業員エンゲージメントです。

今、なぜ従業員エンゲージメントに関心が集まるのか

世の中、流行り廃りがありますが、人事領域でも流行の言葉、概念があります。そうしたなか、従業員エンゲージメントはさほど新しい概念ではありませんが、今も使われ続ける言葉の一つです。それは何故でしょうか。
よく言われるのは、「人材の流動化」が要因であるということです。特に日本式経営といわれた“終身雇用”の崩壊は、従業員エンゲージメントの重要性を高めました。求人情報メディアのエン・ジャパン株式会社の調査によると、20代では63%、30代では80%の人が転職を経験しているといいます。
私たちが転職を考える理由は様々です。会社に不安・不満を感じる場合の離職もありますが、自分のスキルアップのためにステージを変えようと決心することもあります。また、「企業に属する」という考え方そのものを見直す人もいます。働き方の多様化によって、生活の主軸の置き方を自由に選択することも、社会一般に受け入れられつつあります。
転職が当たり前となり、企業に属することの意味さえ希薄になっていく状況は、優秀な人材を雇用し続け業績を上げたいと思う企業にとっては向かい風です。そこで、社員と会社の信頼関係、つまりエンゲージメントを構築し、離職防止に力を注ぐ必要が生じました。
そして、人材の確保とは別に、従業員エンゲージメントを上げたい要因の一つに、コロナウイルスの感染拡大があります。コロナ禍では社員同士のコミュニケーションが取りにくく、あらたな絆を築く難しさがあります。とくに2020年度、2021年度の新入社員とのコミュニケーション不全は深刻です。先輩、上司の皆さんは大変に気を使って、意識的にコミュニケーションの機会を作っています。しかし、対面で仕事をすることが極端に少なく、本来なら継承されるはずの組織風土が伝わっていなかったり、上司・部下の関係構築が適切に進んでいなかったりする話しを耳にします。テレワーク・マネジメントの観点でも、従業員エンゲージメントは注目を集めているのです。

従業員エンゲージメントを高めるためにするべきこと

従業員エンゲージメントの指数に不安がある場合も、そうでない場合も、会社と社員との信頼関係を高めようとするのはよいことです。なぜなら、社員が会社を信頼し働きがいをもって仕事に従事することで、一人ひとりの貢献度が上がり、業績の向上が期待できるからです。皆さんは「尊敬する先輩や上司、大好きなチームメンバーのためによい仕事をしよう」「この商品(サービス)が広まったら世の中が便利になるぞ」、こんな風に思うことはありませんか?これらが、私たちが身近に思う具体的な従業員エンゲージメントです。単純ではありますが、こうした思いの社員にあふれる職場は、業績に期待してよさそうです。ちなみに業績がよく原資が増えれば、社員にそれだけの報酬を与えることができます。エンゲージメントとともに“従業員満足度”も上げることができます。
では、従業員エンゲージメントはどのようにして高めていけばよいのでしょうか。
ここでは、会社と社員の信頼関係に注目し、会社を象徴するものとして、経営理念を挙げたいと思います。
どの企業の経営理念も道徳的で、美辞麗句によって構成されており、自身の所属企業の経営理念がインモラルだなんてことは、まずありません。だからこそ、経営陣、マネジメント層は、経営理念が上辺だけの単なる美しい言葉とならないように、経営姿勢や戦略の実施で社員に矛盾を与えてはいけないのです。
マネジメント層は部下に対して経営理念の浸透を求められますが、それは、部下に理念を一言一句暗唱させることでも、自部署の経営目標を伝達することでもありません。「戦略の立て方・事業の方向性」「顧客・協力業者・部下への態度」「透明性のある仕事の進め方」など、日常を通して美しい経営理念に反することなく行動できているか、適切に経営理念を体現できているか、が問われているのです。
これを正しく行おうとすれば、自ずと社員同士のコミュニケーションに関心が向き、部下一人ひとりの成長に有効なジョブアサインもできるようになるでしょう。

まとめ

人材の流動化やコロナ禍のコミュニケーション不足など、企業が抱える問題はその時によって変化します。しかし、変わらず企業の方向性を示す“経営理念”の存在があります。何を頼りに会社と社員の信頼関係、エンゲージメントを高めるか、今一度、会社創立の骨格を見直してみる、そんな時代なのかもしれません。

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