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ロクゼロコラム

3分で読める社内勉強会の話

勉強会資料をつくろう!~ 想いを伝える、得意を伝える ~

2020.08.24

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皆さんは、受講者として社内勉強会に参加していて、自分もファシリテーターをしてみたいという気持ちになったことはありませんか?また、勉強会常連の参加者と見込まれて、「運営チームから登壇を打診される」なんてこともあるかもしれませんね。

社内のリソースだけを利用して行う社内勉強会では、講師と受講者の立場がクルクルと入れ替わることが理想です。つまり、誰もがファシリテーターとなってアウトプット側の経験を積むチャンスがあるということです。

「自分は受講側」と決めてかかるのは勿体ないもの。近い将来にファシリテーターとして仲間の前に立つことがあるかもしれません。

資料はやっぱりパワーポイント。オンライン勉強会では必須です。

社内勉強会に講師やファシリテーターとして登壇が決まったら、参加者に読んでもらう資料をつくらなければなりません。当日のファシリテーション以外で、もっとも手間がかかり、気を遣う作業がこの資料づくりといってよいでしょう。

皆さんがBtoBのビジネスに携わっていらしたら、身の回りの企画書や提案書のほとんどがパワーポイント(PPT)で作成されていることと思います。一部の公共機関ではWordで作成した企画書の提出が指示されるようですが、プレゼンテーションの多様さや編集の自由度から、PPTを使用するのが一般的でしょう。勉強会の資料も、昨今のオンライン勉強会の普及を考えると、やはりPPTの利用が多いですね。

ところで皆さん、資料づくりはお好きですか?企画立案には自信があっても資料づくりに自信があるとは限りませんよね。同じように、社内勉強会でファシリテーションをする自分は想像できるけど、その前段の資料づくりは時間がかかるし、上手く作れる自信がない。そういう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

資料づくりが苦手という皆さん、資料は格好よくつくるものだと思っていませんか?

とくに、上司や先輩のつくったPPT資料の完成度が高いと、自分もキャッチ―なコピーやデザイン性を追求してみたくなりますよね。また、そうしたPPT資料をつくれないでいると、「自分は資料づくりが下手なんだ」と苦手意識をもってしまうこともあります。そうして陥るのが資料づくりのための資料づくりになってしまう状態です。

パワーポイントを使いこなそうとする前に、「何を伝えるか」を考えよう。

皆さんは何らかの資料をつくる際、いきなりPPTを開いていませんか?PPTで仕上げるならば、はじめからPPTで作り出すのが時間の無駄がなくてよさそうに思えるかもしれませんね。たしかに、会社内に決まったテンプレートがあって、フレームを埋めるようにして資料をつくる場合はそれでよいのかもしれません。しかし、そういった場合でも、できれば何を伝えたいのかといった目的と、資料を読んだ人にどのような行動をとってもらいたいのかといったゴールは、文字にして書き出しておきたいものです。なぜなら構想が固まらない段階でPPTへの入力をはじめてしまうと、資料内の訴求ポイントに矛盾ができたり、伝えたい事柄が抜けたりしてしまうからです。

たとえば勉強会の資料ならば、参加者が分かりやすいようにという思いから、事例などの枝葉に不必要に力が入っていたり、親しみやすい勉強会にしたいというねらいで、イラストが多用され結果的に見にくい資料になっていたりすることがあります。PPTは使いやすいソフトなので、凝ったデザインももちろん可能なのですが、それだけにビジュアルに気持ちがいってしまい、本題から外れてしまうことも少なくありません。まずは手書きで構想を練ってみましょう。以下は、勉強会資料づくりのときに参考にしていただきたい構成要素です。

【勉強会資料づくりの構成要素】

  • 目的:目的とテーマは別なこともあります。
  • テーマ設定:目的に導くために必要なテーマを設定します。
  • 構成:テーマによって、課題、原因、解決策、効果、結論を設定します。
  • 絵コンテ:A4サイズのノートや紙に下書きをします。ビジュアルイメージもここで概ね決めてしまいましょう。

不器用でもいいんです。

格好のよい勉強会資料をつくろうとしてしまう心理の一つに、「講師やファシリテーターは立派でなくてはいけない」という思いがあります。これは資料づくりのテクニックとは少し違った観点でのアプローチですが、社内勉強会では決してその必要はないと心得ましょう。冒頭でお話ししたように、社内勉強会は、講師(ファシリテーター)と受講者の立場が入れ替わることもしばしばです。そうすることによって、互いの気づきを向上させていくことができるシステムなのが勉強会の良い点です。ファシリテーションに不慣れな人が登壇して円滑な進行の方法を学んだり、いつも講師(ファシリテーター)であった人が受講側となって、仲間とのコミュニケーションを学ぶこともあります。立派な勉強会資料である前に、伝えたいことは何か、ゴールはどこかなど、目的やテーマがきちんと設定されていて、わかりやすい言葉で誰にでも伝わる資料であることの方が何倍も大切です。資料の余白を恐れて色々書き込まなくても大丈夫。意外と余白があるほうが見やすく伝わる資料であったりするものです。

企画書や提案書を上手に作成するには、「構想8割、作成2割」などと言われます。勉強会の資料も同じことが言えます。皆さんが伝えたいこと、得意とすることをどのように参加者に提示できるか、まずは脳内で、そして次に手書きでプロットを立ててみてください。

PPT資料ではないので「絵コンテ」も「作業」もありませんが、ご参考までに、この文章を作成する前に私がまとめた構成要素をご紹介します。2000文字ほどの文章ですが、このくらいの構成要素は事前にまとめています。