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ダイバーシティ・マネジメント3つのメリットと成功のポイント

2022.02.04

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ダイバーシティ(多様性)の実現は、今やあらゆる企業に求められる取り組みです。多様な人材、多様な働き方、サービスや商品の展開も多様性が鍵をにぎります。ダイバーシティ導入を成功させた企業は何を乗り越えたのか?日本企業でなかなか進まないダイバーシティ導入を整理しました。

ダイバーシティとは、ダイバーシティ・マネジメントとは

“ダイバーシティ”(多様性)という言葉が、各種メディアではもちろん、私たちの身のまわりでも、よく聞かれるようになりました。とくに企業にはダイバーシティの実現が求められています。それは何故でしょう。

現代のビジネスは、その規模や種類にかかわらず、世界中のあらゆる国や企業につながっています。いわゆるグローバル化です。これが顧客ニーズや商取引の多様化を生みました。企業は、この多様化ニーズに応えられるように、自社の人材やビジネスモデル、社内ルールなどを組み換え、見直す必要が生じたのです。

また、日本国内の労働人口の減少も企業のダイバーシティを加速させようとしています。

子育て世代やご家族の介護をする人が働きやすいように職場を整えたり、遠隔地での勤務を認めたりして、今まで事情があって働けなかった人々を雇用しようという動きがあります。

優秀でやる気のある人に働いてもらえるよう、生活と仕事を隔てる壁をなるべく低く、誰もが働きやすい職場を目指そうというわけです。

企業は、ますます加速して変化する社会環境のなかで、時流に合わせたサービスを提供し、安定的に優秀な人材を確保しなければなりません。ダイバーシティは企業存続に不可欠な命題なのです。

そして、ダイバーシティ・マネジメントとは、企業のダイバーシティの取り組みをもって、社員のモチベーションを上げ、職場の効率・生産性を上げるための働きかけを指します。

社員が多様性を受け入れやすいように、社員教育の機会を設けたり、就業規則を見直したり、評価基準を変えたりします。また、自社のダイバーシティを企業戦略として捉え、広報に力を入れたり、サービスや商品に展開したりします。

ダイバーシティ・マネジメントは、現代の企業がもれなく取り組むべき課題の一つといえます。

日本企業のダイバーシティって進んでいるの?

企業にとってダイバーシティ・マネジメントは大切な取り組みです。ところが、日本企業のダイバーシティの浸透速度は遅いと言われています。この理由について整理しました。

まず、欧米の国々と比較して、日本は男女の役割意識が高いことが挙げられます。男女雇用機会均等法が施行されたのは1986年で、わずか36年前です。“男性は定年まで勤め上げ、女性は結婚したら退職し家庭に入る”。この考え方が当たり前でした。少しずつ改められてきましたが、それでも役割意識は根強く残っています。

次に子育て支援の在り方の不十分さです。子育て世代は、お子さんの体調や保育園等の開園時間に合わせて仕事時間を制限しなければなりません。子育て世代を応援するための法令も整いつつあり、先進企業では社内ルールも改変されていますが、まだまだ職場の理解が足りない企業は少なくありません。

グローバル人材の不足。といっても日本企業はとても初歩的な段階でグローバル化のニーズに応えにくいのが実情です。それは“英語力”。欧米、東南アジア諸国などに比較して、英語を話せる日本人は少なく、それが外国人の雇用や企業の海外展開を阻んでいます。

そして島国であること。地理上、海に囲まれた日本は、ある意味閉鎖的な文化のなかで日常生活を営んでおり、国と国とが地続きの他国と比べ、隣に異文化の世界があることに慣れていません。言語、宗教、人種、価値観など、私たちは自分たちが思う以上に、これらにハードルを作っているのです。

ダイバーシティ・マネジメントのメリットとデメリット

しかし、ダイバーシティの導入は待ったなしです。日本企業は多様性の受け入れが不得意、なんて言ってはいられません。ここで、ダイバーシティ導入のメリット3つを整理しておきます。

メリット①人材の確保と定着

ダイバーシティの取り組みが進められる背景に、労働人口の減少がありました。当然、誰もが働きやすい職場を実現できれば、自ずと離職者が減り、人材の定着が図れます。また、適正な労働環境をアピールすることで、優秀な人材の採用につながる可能性もあります。

メリット②企業価値の向上

ダイバーシティは社会からの要請に応えるものです。時流を捉えて未来的な活動ができる企業の評価は上がるでしょう。社内に目を向けても、働きやすい労働環境は社員のモチベーションや従業員満足度に反映されます。モチベーションや満足度は明確な数値にしにくいですが、いずれ会社業績やよい評判となって企業価値を高めます。

メリット③イノベーションと社員の成長

人材やビジネス展開に多様性が取り込まれると、社員は今までにない視点で仕事を見ることができるようになります。多様な人材との交流が視野を広め、あたらしいアイデアを生む素地を築くことができるでしょう。また、価値観の違う人と仕事をともにすることにより、人として成長することができます。

さて、ダイバーシティ導入のメリット3つを整理しましたが、一方デメリットがあることにも触れておきましょう。

多様性を受け入れるということは、それぞれの価値観が衝突する場面も十分に予想されます。働き方や価値観の違いが社員同士の摩擦を引き起こし、職場がギスギスしてしまうかもしれません。そうなるとモチベーションが下がり、生産性も落ちてしまうでしょう。快適ではない職場から離職を考える社員もいるかもしれません。

ダイバーシティ・マネジメントがうまくいくポイント

ダイバーシティ導入のメリットとデメリットを整理しました。ここで思い至るのは、メリットとデメリットが表出してくる時間の差です。メリットがカタチになるのには時間がかかりそうですが、デメリットはダイバーシティ導入後すぐに表れてきそうではないですか?表現を変えると、“デメリットを乗り越えた先にメリットがある”ということでしょうか。

人はすぐに効果が表れないと「あきらめたり」「やめたり」しがちですが、企業のダイバーシティ導入にも同じことがいえるのです。そこを上手にけん引し、組織全体で多様性を受け入れる気運とスキルを獲得するには、的確なマネジメントが求められます。

今や“ダイバーシティ”をまったく知らない、理解がない、という人は少ないと思われますが、いざ自社で本格的に取り組みがはじまると、一定数の反対派や本気で捉えられない人が出始めます。このような人が足かせにならないよう、経営層・管理職層は、ダイバーシティ導入が全社的な取り組みであること、誰もが同じゴールを目指し同じスタート地点に立っていることを根気強く伝え続ける必要があります。

たとえば、就業規則や評価基準を自社のダイバーシティ施策に合わせて改訂をすることで、公式な取り組みであることが分かりやすくなります。そして、規則や基準を改訂した意味について理解をもとめ、必要ならば話し合いの機会を何度も何度も設けるべきでしょう。

ダイバーシティ導入のデメリットである社員同士の価値観の衝突は、意見を交換し相手を理解することでしか解決できないのです。

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