Column
ロクゼロコラム
3分で読める社内勉強会の話
注目のオンライン社内勉強会、対話重視で効果的な業務改善につなげる
2020.07.20
新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに、国内企業に一気に拡大したテレワーク。テレワークの弱点であるコミュニケーション不足を解消する手段として有効なWeb会議システムは、対話を重視したオンライン勉強会にも大いに役立ちます。
社内勉強会を行う目的は?そのメリットは?
社内勉強会は、知識習得型の講義などが多い一斉研修とは異なり、業務時間外に任意のメンバーで行う小規模な勉強会です。
社内勉強会で集まった参加者全員で、特定のテーマについて議論する、あるいは知識または情報のインプットとアウトプットを繰り返しながら、スキルや知識を向上させることが目的です。
もともと、社内勉強会はエンジニアなどの専門職従事者が技術や情報のアップデートや共有を目的に開催し ていました。現在では、幅広い業務に関わる人たちが、業務改善のために開催または参加するようになっています。
社内勉強会最大のメリットは、参加者が一番関心のあるテーマや、将来のスキルアップ・キャリアアップにつながるテーマを選ぶため、学習意欲の高い参加者が集まることです。
意欲的な参加者の勉強会なので、参加者相互の発言が刺激になり、意見交換も活発に行われると考えられています。
業務時間外に実施され、テーマが絞り込まれていることもあり、進行に無駄がなく、1回の開催時間が比較的短時間であるのもメリットの一つでしょう。
社内勉強会の特長、「対話」することの意義
コロナ禍によるテレワーク拡大以前から行われてきた社内勉強会ですが、この社内勉強会でもっとも重視されるのが「対話」です。
参加者同士で対話することによって、参加者それぞれがもつ多様な意見を聞き合って、それを受け入れた上で、自分の考えや意見を再構築できます。さらに、再構築された自分の考えを、他の参加者が理解できるように言葉で伝える必要もあります。
対話は、多角的な視点を取り入れた自分の考えを概念化するプロセスそのものです。この点が、知識や情報の習得が主な目的となっている講習会形式の研修やe-ラーニングとの大きな違いです。
社内勉強会の「対話」を活かす双方向型オンライン会議システム
2020年7月現在、そして今後しばらくは、新型コロナウイルスの飛沫感染を防ぐために、3密や対面による活動を控えることが求められます。それでも、より高度な知識や技術を習得して、仕事のパフォーマンスを上げるための学びを止めることはできません。
そこで脚光を浴びているのが「オンライン社内勉強会」です。社内勉強会の特長である「対話」を活かしながら、オンラインで社内勉強会を開催するわけです。
社内勉強会の対話・少人数制の良さを活かすには、オンラインの中でもWeb会議システムあるいはビデオ会議システムと呼ばれる双方向性の会議システムが最適です。
参加者IDが不要で無料版のあるビデオ会議システムとして、ZoomやSkype 、Cisco Webex Meetings 、Microsoft Teams が有名です。コロナ禍で一躍有名になったシステムなので、誰もが聞いたことや使った経験があるのではないでしょうか。
どれも、最大接続人員が50人から250人なので、時には大規模なセミナーを開催することもできます。
各システムの最大接続人員にかかわらず、オンライン社内勉強会の対話効果を十分に獲得するには、やはり参加者を10人前後、せいぜい15人程度までの小人数にとどめておくほうがよいでしょう。
その理由は、参加者全員が発言しやすい人数であることが、対話を重視するオンライン社内勉強会の重要な要件であるからです。
オンライン社内勉強会のテーマ選びも重要
社内勉強会の最終的な目的は、リアルかオンラインかを問わず、参加者のスキルや知識を向上することによって、仕事のパフォーマンスを最大化することです。そのために、社内勉強会のテーマは、業務に即した現場で必要とされるコンテンツでなければなりません。
社内の担当業務や階層ごとに、固有の悩みや関心事はつきものです。例えば、以下のような疑問などが生じる場合が想定されます。
・新入社員が配属先で最低限知っておくべき損益計算書の読み方とは?
・メンターとして、新入社員の潜在能力を最大限に引き出すためにはどうすべきか?
・テレワーク環境下でもパフォーマンス向上につながるマインドセットは?
・管理職として、職場でのダイバーシティをどのように徹底するべきか?
このような業務上の疑問や関心事をテーマに、オンライン社内勉強会を企画します。
社内勉強会は、さまざまな意見を取り入れて、参加者それぞれが自分なりの考えをまとめることに意義があり、一つの結論を導き出す必要はありません。ただし、各自が意見を言いたい放題で終わるのではなく、短い時間を有効に活かした進行は求められます。
主催者にはそれなりのファシリテーション能力が必要ですが、自信がなくても、現在は外部機関が作成した社内勉強会テキストに沿って進行させることも可能です。
コロナ禍にできた余裕時間を使って、「実施しただけオンライン社内勉強会」ではなく、実践的な内容と活発な対話を軸に、「参加者それぞれの成長につながるオンライン社内勉強会」を実施できることが望まれます。