Column

ロクゼロコラム

3分で読める社内勉強会の話

「社内勉強会は業務か否か」論争に終止符を打つ

2020.10.19

この記事をシェアする

「日本人はよく働く」という言葉をよく耳にします。以下は月別の平均残業時間の回答者別割合を円グラフであらわしたものですが、実に半数以上の方が月40時間以上の残業を行っていることが分かります。

 

出典:Vorkers(現:OpenWork)「調査レポートVol.4 68000件の社員クチコミから分析した残業時間に関するレポート」より

 

こういった影響からか、近年では働き方改革といった取り組みも積極的に行われていることは周知のとおりです。さらに2020年初頭に端を発した新型コロナウイルスの影響も加わり、オフィスの有無や在宅勤務といった環境面にも改めてメスを入れざるをえない状況になりました。在宅勤務においては「家だとつい残業してしまう」といった新たな課題も出てきており、私達の働き方はまた新たなステージに向かっているのではないでしょうか。

社内勉強会と残業

さて、ここで社内勉強会についての取材や質問を通じてよくある話題を挙げてみます。それは「社内勉強会は業務時間内で実施すべきか」です。人事部が企画する研修と異なり、社内勉強会には強制力があまりない場合も多く、この扱いを迷う方もいるようです。

結論から言うと、“社内勉強会は業務時間内で行うべき”と考えます。理由となる観点は以下の通りです。

①社内勉強会実施目的との整合性

②参加者のモチベーション

③運営側のモチベーション

①社内勉強会実施目的との整合性

社内勉強会を実施する目的は様々だと思いますが、少なくともそれは自社にとって役立つことを想定されていることが多いと思います(例:業務知識やスキルの習得、社内コミュニケーションの活性化 など)。そうなると、参加自体に強制力はなくとも、それは業務として取り扱うのが筋になるかと思います。ただし、個人の趣味嗜好をプレゼンするなど、完全有志で実施するものについては、業務時間外でも問題ないと思います。

②参加者のモチベーション

社内勉強会は参加者がいて初めて成り立ちます。実施頻度にもよりますが、この社内勉強会が残業扱いになってしまうと、時間拘束の観点から「参加しよう」と思う人も少なくなってしまいます。もしどうしても業務時間外で設定する場合は、残業手当を付ける、実施時間を可能な限り短くするなど、参加ハードルを下げる工夫が必要となります。

③運営者のモチベーション

経営者が運営やファシリテーターを務める場合は問題ないのですが、社員が運営する場合は注意が必要です。業務時間外の実施で運営側のモチベーションが下がるような事態になると、社内勉強会の実施そのものが目的となり、本来のねらいを果たせなくなる恐れがあるからです。運営者の負担やモチベーションにも留意しながら、業務時間内か外かの判断をする必要があります。

最後に

ここまで「社内勉強会は業務時間内に実施すべき」理由をご紹介してきましたが、とはいえ事情は会社によっても異なると思います。もしどうしても業務時間外として取り扱う場合、結局最後は関わる方々が納得できるかになりますので、業務時間外でも「参加したい!」と思わせるようなメリットがあれば問題ないとも言えるのです。

例えば、

・ランチ勉強会として食事代を会社が負担する

・全員が知りたい情報を共有する場にする

・短時間でも有益な情報を得られる場にする

など

上記のような工夫の仕方によっては、参加に対する動機づけも明確になるはずですし、運営者のモチベーションも下げることなく実施できると思います。皆が気持ちよく社内勉強会に関わるために、ぜひこういった部分にも目を向けてみてください。