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ロクゼロコラム

ビジネスパーソン1UPへの道

楽々簡単‼一人でできる集中力を高める4つの方法。

2021.10.29

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皆さんは、大人買いした漫画を読んでいて「気がついたら朝だった」という経験はありませんか。好きなことは集中して何時間でもできるものです。しかし、仕事となるとそうもいきません。成果や責任などのプレッシャーが加わると、仕事は「好きなこと」から「やらねばならないこと」に変わります。朝まで漫画のあの集中力、どうしたら手に入るでしょうか。

集中力とは何者か。ドーパミンとは何か。

コロナ禍でリモートワークが始まり、もう1年半が経ちました。当初は混乱しましたが、今では、有難いことに雑音のない環境で集中して仕事ができています。それでも、朝から気持ちが乗らなかったり、夕方近くに集中が途切れてしまったりすることがあります。周囲の目がないリモートワーク中は、集中力を取り戻そうと、いっとき休憩をとるのも気が引けてしまいます。リモートワーカーに限らず誰もが困る“集中力の途切れ”、一体どういう現象なのでしょうか。まず、集中しているときの脳の状態について整理してみます。

集中しているとき、私たちの脳は神経伝達物質であるドーパミンが活発に働いています。

ドーパミンは、運動や学習の記憶、注意力や意欲に関わる化学物質で、人が快いと感じるときに役割を発揮します。ちなみに、お酒をのんで楽しく、また、気が大きくなるのは、飲酒によりドーパミンが分泌されるからだそうです。集中力を取り戻そうとする私たちにとって興味深いのは、このドーパミン、すでに行動しているときに分泌されるということです。「やる気が出ないなぁ」と勉強や仕事の手を止めてしまったら、集中力を取り戻すのは難しいということです。

さて、ドーパミンは快の感情を引き起こす担い手であると同時に、快の感情、報酬に期待することによっても分泌されます。

今年、72日。国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構が、ドーパミンによって調節される「やる気」についての2つの仕組みを明らかにして注目されました。脳内にはドーパミンの情報を伝える2種類の受容体があるのだそうです。発表の骨子は、2種類の受容体ともに「報酬によってやる気が上がる」ことに作用するが、その内の1種類は、「報酬を得るために労力がかかっても頑張る」ために作用することが分かった、というものです。大変そう、難しそう、と感じて意欲が下がる事柄も、2つの受容体がバランスをとることによって「頑張ってみよう」と思えるようになるのです。

私たちの仕事は、時間的・作業的にコストがかかり、成果を上げるには困難も予想されます。「労力がかかっても頑張る」ドーパミンの働き、脳内ではこんなことが起こっているのですね。

ドーパミンが働く環境、働かない環境

ドーパミンの受容体は思考や感情をコントロールする脳の前頭前野に最も多く分布していて、感情に不安がない、安全な状態であるときに活性化することが分かっています。つまり、集中力を保つには、日頃から穏やかで安全な心理状態でいることが理想です。とはいえ、誰しも生活のなかで何らかのストレスがかかり、不安を抱えているものです。ストレスはある種、不可避であり、まったくゼロになることはありません。しかし、やはり過度なストレスは身体に良くない影響を及ぼします。

ストレスはもともと物理学領域で使われていた言葉で、外的刺激による歪みを指します。ここで、前頭前野にマイナスの状態を生み出す外的刺激を整理してみましょう。

 

■環境的要因・・・天気や照明、騒音、室温、混雑など

■身体的要因・・・病気、けが、寝不足、肩こり・腰痛など

■心理的要因・・・焦り、怒り、さみしさ、失意など

■社会的要因・・・責任過多、経済状況、人間関係など

ストレスは、就職や結婚、親族との別れなどのライフイベントによって引き起こされたり、日々の生活のなかで小さく、しかし数多く発生したりと、その表れ方も様々です。そうしたなか、学習や成長のために自ら飛び込むストレスもありますが、少し気をつけたり、自分なりの対処法を持っていることで避けられるストレスもあります。私たち社会人の本分は仕事です。ストレス予防策に無関心であるために、集中できずにおざなりな仕事をするようではいけません。今、自分はどのようなストレスを抱えやすいのか、上記の外的刺激を見返して予防策を講じてみましょう。

集中力を取り戻す具体的な方法

仕事中に集中力が途切れてしまうのも、外的刺激が要因です。

宅配便が届いたり、電話がかかってきたり、仕事以外のことに注意が向くとそこで集中が途切れます。これらは環境的要因といえます。夜更かしをして眠気がさしたり、同じ姿勢を続けることで肩が凝ったりして集中できないのは、身体的要因です。任された仕事が多過ぎたり、納期間近で焦りが生じ、仕事が手につかない状態は社会的要因が作用しています。一つひとつ、予め対処法を整えて、集中力を上げられるようにしておきましょう。

最後に様々なアプローチから集中力を保つ方法をご紹介します。

生活習慣を見直す

不規則な生活習慣は体内時計を乱し、身体の不調を誘発する恐れがあります。たとえば睡眠不足は、眠気、頭痛、吐き気などを引き起こして集中を保てません。また、休日に遅く起きる習慣は、ホルモンの分泌や血圧、体温の調節機能を乱します。ゆっくり寝ていたい気持ちはよく分かりますが、30分くらいで我慢しましょう。翌週に疲れを持ち越すと身体的ストレス要因を抱えることになってしまいます。集中力を保つために生活習慣を見直しましょう。

環境を整える

仕事以外のことが気にかからないように、環境を整えるのも集中力低下の予防策です。つい触ってしまわないようにスマートフォンを目のつく場所に置かない、机周りを整理整頓しておく、などが該当します。また、机や椅子の高さを調整して、肩こりや腰痛、目の疲れといった身体的要因を引き起こさない配慮も欠かせません。積極的な対策として集中できる音楽をかけるのも効果的です。歌のないインストゥルメンタルや自然音、あるいは無音の方が集中できるのなら、そうした環境を整えましょう。

食べ物・飲み物

食品で脳にエネルギーを与えるのも積極的な方法です。ブドウ糖は脳の唯一のエネルギーです。ラムネや固形ブドウ糖飴などがおすすめです。ただし、ブドウ糖も糖の一種。摂りすぎは身体によくありません。また、糖質を効率よく活力化させるには、タンパク質やビタミンも必要です。疲れてきたと感じたときに小さなタブレットを一つ、二つ口にするのにとどめ、基本はバランスのよい食事を心がけるのが一番です。

タスクを分解する

長時間の作業は、脳が疲れて集中できなくなると思われがちですが、生命維持の中枢である脳は、常に動いて疲れません。しかし、脳が疲れるといった感覚になることは、あります。これは時間経過に気づいたとき、脳が身体の様々な疲れを想起させるからだと言われています。仕事を細かく分解して長時間の作業を避け、疲れの想起を防ぎましょう。また、タスクを細分化すると達成感を積み重ねることができます。達成感は報酬となってドーパミンを活性化させ、集中力を上げてくれます。

まとめ

忙しいときほど、環境的には集中しにくい状態となります。かといって焦って仕事をしても、集中力が低下し、仕事の質を下げて手戻りを増やします。それでは、いつまでも忙しさから抜けられず、よい仕事、成果につながりません。まずは現在の自分が陥りやすいストレス要因を見極め、自分にできることから集中力を取り戻す環境を整えていきましょう。