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ロクゼロコラム
ロクゼロ注目!ビジネススキル
先輩・上司と上手にコミュニケーションをとる方法
2023.04.10
新社会人の皆さんは、同期の仲間以外はみんな先輩か上司という職場環境に身を置くことになります。新しい生活に対する漫然とした不安を抱えながら、周りは先輩と上司だけという緊張する環境。今回は、新社会人として目上の人と上手にコミュニケーションをとるにはどうしたらよいかを考えます。
コミュ上手な人とそうでない人がいる
誰とでも上手に人間関係を築いていける人がいる一方で、気軽に話しかけたり笑いあったりすることに躊躇があり、コミュニケーションに苦手意識を感じる人がいます。また、話す相手によってリラックスしたり、委縮してしまったりもしますね。
人間関係を構築するには何かしらのコミュニケーションが必要です。そして良好に関係を築くには、感じの良いコミュニケーションでなくてはなりません。
ただ、新社会人の皆さんは、組織内に自分の居場所を確立する前の状態であり、先輩や上司に対するコミュニケーションの取り方も、まだ判然としない段階でしょう。
そして、「何もかもが未経験である」というご自身の不安な心持ちを反映するように、チームでの立ち居振る舞いやコミュニケーションに自信がもてない、ということも多々あるかと思います。
それでも、同期の仲間のなかには、上手に先輩や上司と話しができる人もいて、コミュニケーション下手の自覚を持つ人は、ちょっとした焦りを感じているかもしれません。
学生の頃を振り返ってみると、部活動やサークルの先輩と上手くやれる同級生がいました。また、クラスの誰とでも至極自然に話せる仲間がいたことも思い出せるでしょう。
ある人は、コミュニケーションの上手い下手は才能のようなもので、生まれ持った資質だと感じ、コミュ上手の仲間と同じように振る舞うのをやめたり、コミュニケーションの範囲を限定したりしたかもしれません。
しかし、です。
皆さんはコミュニケーションを上手にとる仲間が、自分より先輩に可愛がってもらっている様子を見たことはないでしょうか。そして、その状況を見て、どのように感じていたでしょうか。
コミュニケーションは苦手、なんて、もう言っていられない
他者との距離の取り方は、各々の価値観によって違ってよい領域です。部活動やサークルの先輩と楽しそうに話す同級生をどう思うか、これも、それぞれの価値観で捉えるべきことです。
ただし、組織で仕事を進める際のコミュニケーションについて、同じように自分の価値観だけで判断し行動することはお勧めできません。なぜなら他者と関わらず1人きりで行う仕事はないからです。
コミュ不足で起こる不都合とは?
新社会人がそのキャリアのスタートに担当する仕事は、先輩や上司の「指示・命令」ではじまり「報告」で完了するので、先輩・上司とのコミュニケーションは不可避です。
更に言うと、ミスや抜け漏れをなくし、お客様に十分な価値を提供するために行う「報連相」は、部下からも上司からも発信されます。
指示・命令、そして報連相。これらはコミュニケーションそのものです。つまり、仕事をする際に、コミュニケーションは必要不可欠だということです。
ここで、新社会人と先輩・上司との間のコミュニケーションが不足したときに起こる不都合を考えてみます。
①仕事がはかどらない。ミスをする。
新人のうちは指示された仕事に対して、質問や中間報告、確認事項が生じるものです。分からないことは聞くべきなのですが、先輩が忙しそうにしていたり、上司が出張していたりで、思うようにコミュニケーションがとれないことがあります。このときに質問や報告を諦めてしまうと、仕事がはかどらず、場合によってはミスを誘発します。
②信用・信頼を得るのに時間がかかる
職場は仕事をする場なのでメンバー同士が“仲良し”である必要はありません。しかし、仕事の場であるからこそ、特化して「信用・信頼」を求めます。経験値の高い先輩同士であれば、互いの知識やスキルを信用・信頼して仕事を進めることが可能ですが、新人にはまだそうしたスキルはありません。新人はコミュニケーションを通して、人としての信用・信頼を獲得するしかないのです。
③人間関係が希薄になりストレスを溜め込む
「仕事の場で“仲良し”でいることはない」といっても、職場の人間関係が気鬱だとストレスが溜まります。気鬱の原因が、自分のコミュニケーション不足からくる気まずさや、先輩に対する緊張感である場合は、上手くやれない自己嫌悪も手伝って、気分は更に落ち込んでしまうでしょう。落ちた思考を引きずりながら仕事に取り組み成果を上げるのは、いかにも難しそうだと思いませんか?
このように、少し考えを巡らせるだけで、コミュニケーション不足がもたらす不都合が思い浮かびます。職場で適切なコミュニケーションをとることは、社会人の責務なのです。
コミュニケーションはスキルだと割り切る
そう言われても「学生の頃からコミュ下手なんだ」という方もいらっしゃるかもしれません。たしかに適正と感じる他者との心の距離は各々で違い、その違いによってコミュ上手と言われたり、コミュ下手と言われたりします。この他者との距離感を意識的に狭めることができればよいのですが、それが難しいことは誰もが経験的に知る事実です。
そこで私たちがコミュニケーションの質向上のためにとれるのは、コミュニケーションをスキルと割り切って捉えることです。
仕事の場ではメンバー同士が仲良くしようとしなくても大丈夫です。つまり、無理に心の距離を狭めることはありません。職場で求められるのは、よい仕事をするため、またお客様に十分な価値を提供するために適宜、適切に情報を共有する態度です。
具体的なコミュニケーションスキルとは、コミュニケーションが必要な局面をリスト化したり、会話テクニックを身につけたりといったことが挙げられます。次に実際に有効だったコミュニケーションの質向上の手段・テクニックをまとめます。
①敬語をマスターする
目上の人とのコミュニケーションに尻込みする理由に、言葉遣いへの不安を挙げる人が多くいます。とくに敬語は、上司や社外の人とのやり取りで必ず使用するので、自信が持てないと積極的な情報交換ができなくなります。敬語の壁を乗り越えるだけで、コミュニケーションがスムーズになる人もいるようです。言葉遣いがコミュニケーションのネックになっている自覚のある人は、ここから改善していくとよいでしょう。
②報連相をTodoリストに落とし込む
先輩や上司に対して緊張してしまい、話しかけるタイミングが掴めない人にお勧めの方法です。報連相の内容を明文化しリストにすることで、自分のとるべき行動が視覚化され、「報告しなきゃ」「相談しなきゃ」と漠然と思っている時より、ずっと体が動くようになります。仕事の途中経過や完了時など、先輩・上司が求めるタイミングで話しかけることができるように、それぞれのタイミングでリストに書き出しておくとよいでしょう。
③会話を続けたいときは質問で終わらせてみる
先輩・上司との会話が続かず、ぎこちない空気になるという人は、会話に質問を織り交ぜてみるのも手です。目上の人とプライベートな会話をするとき、自分のことばかり聞いてもらおうとせず、会話の最後を質問で終わらせ、相手の話しを聞く時間を設けます。話すことが苦手だという人も、この方法で会話を続けることができます。更には、相手に興味をもって話しを聞くことで人間関係の構築にも役立ちます。
④敬意を態度で示す
言葉遣いに自信がない、気を抜くとタメ口になってしまう、緊張して会話が続かない、という人も、態度を律することで敬意を示すことができます。敬語や会話のテクニックは徐々に習得していくとして、態度は今スグにでも体現することができます。だらしない姿勢で上司と話していないか、暗い表情をしていないか、出勤時、退勤時の挨拶を欠かさずしているかなど、自分の行動を振り返り見直してみてもよいでしょう。
さいごに
社会人にコミュニケーションが欠かせないのは、「円滑に仕事を進め成果を上げる」という、組織共通の目的・目標があるからです。その意味では、コミュニケーションと相手に対する感情との間に特別な関係はありません。相手を好きであるか、嫌いであるか、また、自分が好かれていようが嫌われていようがに関わらず、適切なコミュニケーションが望まれるのです。
一方で、先輩や上司、そして同期の仲間と良好な関係を築けている方が、仕事が楽しく、ヤル気になるのも事実です。
職場におけるコミュニケーションは、must-haveでありながら、better-thanでもあります。
コミュ下手の自覚のある人は、まずコミュニケーションをスキルと割り切ってトレーニングするのが正攻法です。しかし、もし、そうやって職場での居場所を確立したら、いつかその先のコミュニケーションに関心を持ってみてもよいと思います。自分の価値観の範囲で、無理をせず。
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