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ロクゼロコラム

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社内勉強会のファシリテーターは誰が適任か?

2021.07.09

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社内勉強会のファシリテーターについて、どのような人が適任か?という質問をよく耳にします。これについての回答は、社内勉強会の目的や位置づけによりやや異なります。以下の例を確認してみましょう。

1.社内勉強会をコミュニケーションの場として捉える場合

ズバリこの場合のファシリテーターは「誰でも」構いません。コミュニケーションの場として機能させるために必要なことは、一方的な知識の詰め込みではなく、いかに闊達とした雰囲気を作り出せるかどうかです。実はこのためのポイントは、経験に左右されずに事前の設計や準備でじゅうぶんにカバーすることができます。

例えば、最も簡単なことは「話し合いや議論の時間を多めに確保する」ことです。より細かいことを言えば、この際に各自が話しやすくなるようなルールを設定するのもよいでしょう(例:最低一人一回意見を述べる、まずは受け入れ否定意見を言わない など)。こういったことで議論が円滑に進みやすくなるはずです。

他にもアイスブレイクを入れて場を暖めることも有効です。例えば、自己紹介もただ名前を述べさせるのではなく、出身地や趣味嗜好など、グループ内で共通の話題が出そうなものをピックアップさせるのもよいでしょう。

2.社内勉強会を知識教授の場として捉える場合

社内勉強会は知識の詰め込みではないと述べましたが、とはいえある程度教えることもあるでしょう。そういった場合も、いわゆる階層別研修のような講師の立ち回りは必要ありません。できるだけ参加者と同じ目線で、教えたい事を語れれば問題ないのです。

重要なことは、参加者が何を共有し気づくことができるかです。知識を教えることはそのためのきっかけに過ぎず、過程でしかないのです。そのことを肝に銘じることができれば、一方的な知識の押し売りではなく、参加者が自ら気づく社内勉強会を先導することができるはずです。

3.社内勉強会を新人育成の場として捉える場合

少し特殊な場合かもしれませんが、新人育成の場として社内勉強会を活用している企業もあります。そして、その場合のファシリテーターは、新人自らが務める場合もあるのです。この意図は「教えることによる学び」です。人は誰かに教えることで、その内容を強く記憶するものです。これを活かして、ファシリテーターを順番に回すことで、何も知らない状態であっても、ファシリテーターというアウトプットを経て、強烈なインプットを行うことができるのです。

なお、この場合の社内勉強会の「時間」は極力短くするとよいでしょう。新人の場合ですと、扱うテーマすべてが初めてのもので、実務の経験も少ない場合が多いです。従って、丸々一つのテーマを扱うとパンクをする恐れもありますし、自分一人で抱えるという意味で負荷も大きくかかります。

そこでおススメしたいのが、テーマをチームに分割することです。例えば「電話応対」といいうテーマをとあるチームに割り当てる場合、受け方をAさん、かけ方をBさんという風に役割を分けるのです。こうすることで、一人に負担をかけず、かつチーム内でも連携しながら準備を進めることができます。

 まとめ

いかがでしたでしょうか。社内勉強会におけるファシリテーターの適任者は、その会の目的や位置づけにより異なることがお分かりになったかと思います。自社の社内勉強会でファシリテーター選任に悩んでいる場合、まずはそもそもの位置づけから整理するとよいでしょう。意外かもしれませんが、参加者がファシリテーターを務めたほうがよい、という場合もあるのです。ぜひ参考にしてみてください。