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ロクゼロコラム

3分で読める社内勉強会の話

“1on1”を社内勉強会に活かすやり方

2020.08.07

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近年1on1が注目されています。1on1とは、上司と部下が1対1で行う対話のことを指し、アメリカのシリコンバレーなどで実施されてきた手法です。一般的に、上司と部下の面談は、半期ごとの「評価面談」などを想像する方が多いと思いますが、1on1はそのような面談よりも短時間・高頻度で行われることが多いです。日本ではYahoo1on1ミーティングとして実施し注目されたのをきっかけに、導入する企業も増えてきています。

さて、以下の図は、『日本の人事部 人事白書2020』に記載されている、1on1についてどのようなテーマが話し合われているかという質問に対する結果です。

出典:株式会社HRビジョン『日本の人事部 人事白書2020

 

ご覧の通り、業務課題や評価についての話が多くを占めていることが分かります。今回は、こういった1on1で話し合われた内容を、どのように社内勉強会に活かすかということをテーマに考えたいと思います。

誰しもが悩む社内勉強会のテーマ選定

これから社内勉強会を始める方も、すでに社内勉強会を展開している担当者も、真っ先に挙げる課題が『テーマ選定』です。つまり、社内勉強会でどのようなテーマを扱っていいのかわからないということです。

テーマ選定については、社内勉強会のバイブルでもある『勝手に人が育っていく! 社員100人までの会社の社長のすごい仕掛け』(著者:渡邉良文、出版:かんき出版)にも記載されていますが、

  • 社員へのヒアリング
  • 各種メディア調査
  • 他社の人との情報交換

を事前に行い、情報収集をしたうえで決めることがよいとされています。

この3つの中で、テーマ選定の際に特に参考にしてほしい情報が、①社員へのヒアリングです。そして、このヒアリングの場として1on1を活用していただきたいのです。

なぜ1on1でテーマ選定できるのか

冒頭でも確認した通り、1on1で話される内容で最も多いのが、「業務課題」や「業務進捗」です。これは、上司側からの聞きやすさもあるでしょうが、11だからこそ、現場で何に困っているということを部下からも話しやすいのかと思います。

社内勉強会のテーマ選定で悩んでいる方は、この1on1をぜひ実践してみてください。定期的に実施し、各自の課題を吸い上げることで、社内勉強会のテーマ選定に役立てることができます。例えば、営業のクロージングトークに悩みを抱えている方が多いようであれば、その部分を重点的に学べる勉強会を開催すればいいのです。

重要なことは、企画者やファシリテーターの想像に頼りすぎないことです。社内勉強会の成功は、いかに参加者が学びたいテーマを提供できるか(ファシリテーターが学んでほしいテーマではない)なので、そのために1on1を活用していただきたいのです。

オンラインで実施する1on1と社内勉強会

新型コロナウイルスの影響で、リモートワークを推進している企業も増えていると思います。1on1は、物理的に11の状況を生み出すことが重要なので、オンライン環境には非常にマッチしているといえます。在宅であれば、周囲に気を遣うことなく、常に11で話すことができるからです。

社内勉強会も『オンライン社内勉強会』という形で、必ずしも集合型で行う必要がありません。そのため、リモートワークを推進する企業では、1on1による課題の吸い上げや社内勉強会は、スムーズかつ一貫して実施していただけることでしょう。

まとめ

これからの未来、従来の出社に戻る企業、リモートワークを推進する企業に二極化されると思いますが、どちらにしても、1on1の活用は一つのポイントになってくるでしょう。また、「1on1の延長線上に社内勉強会を置く」ことで、両者の親和性を高めることにもつながります。ぜひ、教育施策の一環として、1on1と社内勉強会の連携を取り入れてみてください。