Column
ロクゼロコラム
3分で読める社内勉強会の話
社会人は日々是決戦。社内勉強会のライトニングトークを充実させる方法
2021.02.01
社内勉強会でライトニングトークの時間を設けている企業も多いのではないでしょうか。ちょっとした学習の成果や、業務の工夫など、当日の勉強会参加者に少しでもプラスになることを話したいと思いますよね。しかし、そのちょっとしたプラスの話が、なかなか見つからない。こんな悩みを抱えている方は毎日の学習を記録していく方法を試してみませんか?
人生いろいろ、勉強にだって色々あるんだ!
日本の社会人の平均学習時間が1日平均6分という、衝撃的な調査結果があります。これは、平成28に行った総務省の社会生活基本調査のデータです。かつて日本人は諸外国から真面目で勤勉と言われました。私は現在でもその延長上に日本人の生活スタイルがあるように思います。では、なぜ学習時間6分という寂しい結果が出たのでしょうか。実は、この調査は20万人を対象に行われましたが、その95%が「勉強をしていない」つまり、学習時間0分と回答しています。残り5%の勉強している人の平均学習時間は160分/1日の計算になるということです。きちんと勉強をしている人も、大勢いらっしゃるわけです。
ここで考えたいのは、「勉強とは何か」ということです。私たちにとって、わかりやすい勉強の形は、机に向かってテキストとノートを開くというものです。しかし、社会人にとっての勉強はこれだけではありません。インターネットやテレビから情報を得たり、本を読んだりするのも、私には勉強だと思えますし、毎日の業務や諸先輩方から学ぶこともたくさんあります。また、今より高い精度で仕事ができるように工夫したり、あるいは、新しいスキルを身に付けたりといった、身の回りのことが全て勉強といえます。
何を勉強ととらえて整理するか、それが社会人の学びのポイント
もちろん総務省の役人も、机に向かう時間だけが勉強だとは思っていないでしょう。それは分かっているはずです。人生においては様々に経験を積むことが、もっとも重要な勉強の一つですからね。大切なのは、日々の暮らしや仕事を通して、驚いたこと、感動したこと、反省や工夫など、これは自分にとって勉強になったと思えたことを、どのように記録し、学習として昇華させるかです。「社会人にとって毎日の仕事が経験であり、勉強である」とはいえ、ボーっと生きていては、チコちゃんに叱られるばかりでなく、私たちの糧になりません。
まずは、自分が日頃仕事で発揮しているノウハウやスキルを整理してまとめてみましょう。はじめは思いつくままに、簡単なメモのように記していってもよいでしょう。その書き記したメモは、私たちが今まで仕事を通して身に付けた学習の成果です。そして、ここからは、皆さんが、今日「勉強になったなぁ」や「こんな工夫ができた」「失敗してしまった。反省反省…」といって学習していったことを追記していきましょう。
どのような形で記録をしていくかは、私たち一人ひとりの得意な方法でよいのですが、日々の学習を雑多なこととして、流してしまわないことが大切なのです。
社内勉強会のライトニングトークは絶好のプレゼントレーニング
日頃、自分が何を勉強できているかが整理できたら、次はライトニングトークに落とし込んでいきましょう。そもそもライトニングトークとは、IT業界の勉強会などで行われている短時間のプレゼンテーションのことです。3分~5分という短い時間に、インパクト強く展開します。投影スライドも実にコンパクト。本当に伝えたいことに絞り込んで作成することが多いようです。
さて、皆さんはもう、おわかりですね。前段でご自身のスキルをリストアップし、それに日々の学習を追記していったら、その一つひとつがライトニングトークのネタとなります。大きなカンファレンスでの発表ではありませんから、社内勉強会でのライトニングトークは私たちの等身大の内容で構いません。それが、日々の業務から湧き出た気づきであれば、ともに勉強会に参加した仲間の賛同を得ることができます。もし、先輩が同席していたら、ご自身の通ってきた道を思いかえし、私たちの成長を温かく見守ってくれることでしょう。
IT業界に籍を置く方なら、センスのよいライトニングトークのインパクトをご存知かと思います。そうではない他業種の皆さんも、自分に関心を集めるためのプレゼンテーションの形として、ぜひ社内勉強会の場でトレーニングしてほしいと思います。ライトニングトークは、参加者分に時間を振り分けたのではありません。短い間で、参加者の関心を自分に引き寄せるための時間です。
ライトニングトークでは、自分が何を伝えたいのか、その本質を見つめて整理し、混ざりけのない素直で直観的な言葉で伝えるのがコツです。投影スライドが求められるようでしたら、枚数はせいぜい3枚、多くても5枚にとどめましょう。各スライドの文章はワンセンテンスに近ければ近いほど、ライトニングトークに向いています。短い時間で長い文章を読んでもらうことはできませんからね。
まとめ
ご自身の企業の社内勉強会にライトニングトークの時間が設けられている人も、そうでない人も、簡潔にインパクト強く伝えるやり方は、プレゼンテーションのよいトレーニングになります。また、ライトニングトークのネタ集めのために始める学習の記録は成長の記録です。後輩指導や社内勉強会でファシリテーターをつとめるときに役立ちますし、何より自分のモチベーション管理に欠かせないツールとなります。社会人は毎日が勉強です。学習になったことの記録、一度試してみてはいかがでしょうか。