Column

ロクゼロコラム

3分で読める社内勉強会の話

「社内勉強会×マイクロラーニング」で学びの相乗効果を生み出す

2020.09.09

この記事をシェアする

皆さんは「マイクロラーニング」という言葉をご存じでしょうか。マイクロラーニングとは、1510分程のコンテンツを使って継続的に学ぶ仕組みのことを指します。ここでいうコンテンツとは、動画やリスニング教材を細分化させたもので、一度にまとまった量を学習させるeラーニングとは異なります。

マイクロラーニングの概要

そもそも、マイクロラーニングが注目された背景には、まとまった時間の確保が難しいビジネスパーソンのライフスタイルや、人の集中力の限界といった事情がありました。毎日数分単位のインプットを継続的に行うことで、これらの問題を解消し、学ぶことを仕組み化しようという発想です。

さて、そのマイクロラーニングにはメリットもあればデメリットもあります。例えば、継続する仕組みにより、従業員の学びを常態化することは大きなメリットと言えるのではないでしょうか。また、隙間時間でも学ぶことができるので、忙しい従業員でも無理なく取り組めることは先述した通りです。

一方、動画の配信といったコンテンツやシステムの準備、スマートフォンなどのデバイスとの連携に時間と費用がかかるのはデメリットと言えるかもしれません。また、細切れ時間だとどうしてもインプットが中心になり、知識を定着させたりよりよい意見へ昇華させるためのアウトプットが不足する傾向があります。

参考までに、下記はeラーニング戦略研究所が2019年に発表した『企業研修におけるスマートフォン活用についてのアンケート調査結果(企業人事教育担当者100名を対象)』です。マイクロラーニングと親和性の高いスマートフォンの活用が、研修や教育の分野ではまだまだ行えてていない企業が多いことが分かります。

出典:eラーニング戦略研究所『企業研修におけるスマートフォン活用の現状と最新のトレンド、課題を調査する』

社内勉強会と何が異なるのか

ここまでを踏まえたうえで、マイクロラーニングと社内勉強会を対比させてみることにしましょう。まず、マイクロラーニングは510分程度の時間ですが、社内勉強会はさすがにその時間では実施できません。社内勉強会はあくまで人が主催し、皆が集まって討議や考察を重ねることに意味があるためです。従って、最低でも30分は必要と言えるでしょう。

また、マイクロラーニングが個人でのインプット中心になる傾向が高い(アウトプットも可能ですが工夫が必要になります)のに対し、社内勉強会は複数メンバーでのアウトプットが前提にあります。この点が大きく異なります。

上記はあくまで対比ですので、どちらかが一方的に良いということではなく、あくまでそれぞれの仕組みに一長一短があるということです。むしろこの二つをうまく組み合わせることが、今後の教育のキーポイントにもなると考えています。

社内勉強会×マイクロラーニング

例えば、社内勉強会で「営業プレゼン」のテーマを扱ったとしましょう。社内勉強会では他者の意見を聴いたり、発表を通じて学びを深めることができますが、日々の定着につなげるためには工夫が必要です。そこでマイクロラーニングの出番です。

社内勉強会で取り扱ったテーマに関する気づきを、マイクロラーニング化できる内容として行動宣言させてみましょう。例えば、「営業プレゼン」の例でいうと、毎朝自分の笑顔を鏡で見て点数をつけるなど、簡単にことでも構いません。重要なことは、気づきや学びをその場限りで終わらせないことで、そのためにマイクロラーニングの仕組みを活用することが非常に有効となるのです。

更に述べると、同じテーマに参加したメンバーの笑顔や点数を共有できる仕組みがあるとなおよいです。どうしても自己評価に頼る学びはでは限界が生じてしまうので、人のふり見てわが身を直すことも非常に効果的といえます。

本コラムではマイクロラーニングと社内勉強会の対比や、効果的な組み合わせ例を紹介しました。教育には正解はありませんが、適切な方法と仕組みは必要です。このような時世で人材教育に迷いや不安がある方は、ぜひ社内勉強会(テレワークにおいてはオンライン社内勉強会)やマイクロラーニングによるフォローをぜひ検討してみてください。