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ロクゼロ注目!ビジネススキル

新入社員の身だしなみについて、「今」を考える

2023.02.28

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新人研修の1日目はビジネスマインド、2日目はビジネスマナー。そしてマナー研修のカリキュラムに必ず組み込まれているのが「身だしなみ」の項目です。初対面のお客様にも安心して話しをしてもらえるように、第一印象を整えることはとても大切です。服装や立ち居振る舞いについて、「今」をテーマに考えました。

社会人の身だしなみ

日常にあった慣習や決め事の色々が、かつてより緩くなった令和5年の今日でも、新入社員はビジネススーツを着て出社します。一人の大人として自由と裁量を得るのが社会人だとしたら、自分の好きな服装で働けないのは何だか窮屈な気がします。

先輩社員の服装はというと、セットアップではなかったり、少し色柄が入ったりしていて、社外の第三者が見ても新入社員と区別することができる格好です。

同じ職場の社員のはずなのに、なぜ服装が違っていてよいのでしょうか。

この疑問に対する私の回答は「新入社員は社会人としてまだ何者でもないから」、です。

もちろん若輩者よ、と蔑んでいるわけではありません。新入社員は真っ新な紙のようなものであり、色柄が定まるのは今後数年を経てから。色については、会社や業種、職種によっても変わってきますし、本人の経験やそこから得る気づき・学びによってもどのように発色するかが変わるでしょう。

一方、何者かが定まった後の先輩社員も個性を暴走させているわけではありません。資料を作成する、生産管理にあたる、お客様と顔を合わせる、それぞれのビジネスシーンにふさわしい服装で過ごしていらっしゃるのではないでしょうか。

「何者かが定まる」といっても、それは仕事を通して自分が見えてくるということです。社会人としてのアイデンティティのベースは仕事であり、自ずと服装も仕事をベースに組み立てられていきます。

新入社員にしかない初々しさ

ビジネスパーソンの服装は、昭和より平成、平成より令和と、カジュアル志向が進んでいます。肩の凝るビジネススーツより、軽くて動きやすい服装で仕事をする方が、気分もよく効率も上がることが分かってきたためでしょう。また、社会環境が1人ひとりの個性を重んじるようになったことも、仕事服に変化をもたらした要因の1つかもしれません。

ただし、新入社員はまだ社会人として真っ白な状態。個性を主張して仕事をする余裕やバックボーンはこれから形成していく段階です。だから、本人は着ていて楽しくないかもしれませんが、新入社員には無個性のビジネススーツがよく似合うのです。

なかには「おしゃれではない」と不満に感じる新入社員がいることも知っています。けれど、私たち先輩社員からすると、その初々しさは羨ましいほどで大切にしてほしいものの1つです。せっかくですから、人生のホンの一瞬、真っ新な気持ちでビジネススーツを着こなしてほしいと思います。

スーツという鎧、カジュアルという兜

ビジネススーツは社会人の服装として基本中の基本。清潔に、折り目正しく、きちんと着こなしていれば、お客様を訪問する時に、身だしなみで気後れすることはありません。ビジネススーツ用の生地は男女問わずシックな色合いですから、相手の世代がどうであれ、不快感を与えてしまうことはないと言えます。

スーツにも高級ブランド、ノーブランドと色々あり、使用生地や仕立て方によって価格が違います。高価なスーツはそれなりにエレガントで恰好よく見えますが、そうでないものでも素敵に着こなすことが可能です。

ビジネススーツの着こなしの鍵となるのは着用者の立ち居振る舞いです。スーツをオーダーするとき採寸はスッと背筋を伸ばした状態で行います。そうです、スーツは姿勢よく着るものであり、肩を落とした意気消沈した姿勢は似合いません。しわのない手入れが施されたスーツを、前方を見据えて堂々と着こなすことで、ビジネスシーンで戦う準備が整います。

昨今ではリモート勤務が増え、自宅で作業をするときはカジュアルな服装という方もいらっしゃるでしょう。また、新入社員もビジネススーツでいるのは研修期間のみで、しばらくするとオフィスカジュアルで出社するように言われることもあるようです。業種、職種によってはお客様との打ち合わせもカジュアルな服装でよい場合があります。

オフィスカジュアルの“カジュアルの度合い”の匙加減は誰しも悩むところですが、少々の裁量を与えられたとき、どのような服装を選ぶのかその人の個性が表れます。仕事にふさわしいカジュアルとは? またカジュアル度の捉え方や本人の嗜好など、昭和でも平成でもない、令和の時代、仕事服に色柄を求められたとき、その人の人となりが具現化して見えてくるのがオフィスカジュアルです。

スーツはしばしば、ビジネスシーンで戦うための鎧に例えられます。それならオフィスカジュアルは、相手にどう見てほしいのかを表す、兜の前立てのようなものかもしれません。

ビジネススーツを基本通り着こなすことが求められる新入社員の皆さんも、いつかご自身の裁量でネクタイの色や柄が変わり、動きやすいオフィスカジュアルを着るようになるでしょう。

そのとき、どのような色、柄、スタイルを選択すればよいのかは、ビジネススーツを折り目正しく着ている今の経験と学びが教えてくれます。無個性でおしゃれではないかもしれません。でも焦らず急がず、ビジネスパーソンとしての自己と個性を探してみてください。

おまけ、だけど大事なこと

あるテレビドラマで登場人物の薬剤師が、「医師は汚れが目立つように白衣を着ているけど、それなら、薬剤師の自分は汚れが目立つように黒い上着を着るべきだ」と言っていました。たしかに粉末状の薬は白衣についても目立たず、黒い上着なら袖先についた粉薬にいち早く気づくことができます。

一瞬、納得したのですが、体調が悪く薬を処方してもらった患者の自分が、薬局で黒い上着の人たちに迎えられることを想像すると、ちょっとイヤです。

仕事服は機能性も大事、しかしお客様をはじめ仕事で接する人への心配りも大事だなと思う、今日この頃です。

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