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ロクゼロコラム
ロクゼロ注目!ビジネススキル
ボスマネジメント=フォロワーシップ×報連相、です。
2023.01.16
ボスマネジメント。 んっ、ボスをマネジメント? 少々不遜な響きにも聞こえますが、ビジネスパーソンのほとんどに上司がいることを思えば、どうやら大切な言葉のようです。一般的にマネジメントは、上司が組織や部下に対して行いますが、ボスマネジメントは全く反対の方向を向いています。部下が上司をマネジメントするとはどういうことなのか、今回はボスマネジメントについてまとめました。
ボスマネジメントとは何か。定義をおさらい
ボスマネジメントはMBA教科でもあって、2000年代のはじめに一度、日本のビジネス界隈でも話題になりました。そして今また再び注目をされています。
言葉のとおり、ボス(=上司)をマネジメントする一連の行動をボスマネジメントと呼び、部下が自分の仕事の目的を果たすために行います。
ボスをマネジメントする、つまり「管理する」といった言葉の印象から、部下が上司を動かそうとするなんて「生意気だ!」と感じる向きもあるかもしれませんが、冷静になればこれは当たり前のこと。なぜなら上司が動かなければ、どの会社の仕事も回らないからです。
フラット風味な組織がスピードを保つには
フレデリック・ラルー「ティール組織」(英治出版)の爆発的ともいえる世界的なセールス以降、組織がフラットであることの有用性が、イノベーションのスピードや社員の自律性の観点で、多くのビジネスパーソンに支持され、実際に組織変革が意識的、無意識的に行われてきました。
それでも、私たちの会社がまるっきりフラットな組織に様変わりしたか、というと、そこまで劇的な変化とはいえません。かつての上意下達、ティール組織でいうところのRed、Amber、Orangeから、Green組織(個人に焦点が当てられ心理的安全性が担保されやすい組織)へと変化しつつある、現在はその途上といえるのではないでしょうか。
※Red…特定の個人の強いマネジメント下にある組織 ※Amber…構成する者に役割が与えられた組織 ※Orange…ヒエラルキーはあるが成果を上げれば昇進できる組織
仕事の意思決定速度は、シンプルな組織ほど速いといえますが、Green組織への途上にあるフラット風味な令和の階層組織で、スピードを確保するには、それなりの工夫が求められます。
令和の組織が顧客ニーズに鋭敏に応えるには、上司は部下の、部下は上司の業務目的を把握し、常に協力体制をとる必要があります。互いを意識下におき、求められるときに、求められる仕事を相手に提供できてこそ、「まだか、まだか」と待つ顧客の期待に応えることができます。
ボスマネジメントの心意気は、フォロワーシップ
とはいえ、複数の案件と複数の部下を抱えている上司が、いつも私たちのために時間を費やし支援をしてくれるわけではありません。管理職の仕事の量と複雑さを思えば、それも納得がいくでしょう。だからといって、自分の仕事に関心を示してくれるまで、ただ待っているのでは、部下の仕事のペースは上がりません。
私たち一人ひとりが担当する仕事は、会社組織内で必ず次の業務に連鎖をしています。所属部署単位で見ても、部下の仕事の先に上司の仕事があるということが多々あります。逆説的にいえば、上司の仕事が滞ると、部下である自分の仕事もスムーズに進まないということです。
部下が上司に支援を受ける立場であることは間違いありません。しかし、部下が上司の支援をすることも、また、間違いではないのです。これはフォロワーシップの在り様であり、ボスマネジメントをしようとするときの、部下側の前提条件だといえます。支援を受けたいのなら、自分も上司を支援して助ける。この関係性がボスマネジメントを上手く進めさせてくれます。
ボスマネジメントのスキルは、実直な報連相
次にもう一つのボスマネジメントの条件を整理します。
上司の支援を受けたいとき、それはどのようなシーンでしょうか。まずは、仕事で困ってしまったときでしょう。しかしそこはビジネスパーソンです。やはり仕事で成果を上げたいとき、部内の目標達成のために戦略的に、といきたいところです。
では、私たち部下は上司の支援を得るために、どのような行動をとればよいでしょうか。
答えは「報告・連絡・相談」です。
「なんだ普通だな」と思われましたね? しかし、上司に動いてもらおうとするなら、部下は自分の現状を知ってもらわなければなりません。上司は、部下の仕事の進捗や、もし躓いているのならその要因を知りたいと思っています。しかし、前述したように、どの管理職も忙しく、すべての部下の様子をきめ細かく観察して手を差し延べることはできません。
仕事の進捗をタイムリーかつ正確に報告・連絡すること、躓いたら、あるいは躓く前に真摯に相談すること、これらを欠かさずに行うことで、上司は部下の仕事ぶりについて知らないということがなくなり、管理職の立場として安心できます。
部下にとって上司に働きかけて動いてもらうのは躊躇いを伴う行為です。そんなとき、普段から必ず報告がある部下であると認識してもらい、仕事ぶりを知っておいてもらえれば、ボスマネジメントで最も重要な“相談”をする際の一歩が踏み出しやすいでしょう。つまり、上司と部下の間にビジネスパーソンとしての信頼関係が成り立っていることが、ボスマネジメントを成立させるもう一つの条件なのです。
上司は万能ではない。という考え方
部下の支援や部内の仕事を把握することは、上司として当たり前だと考える人も多いでしょう。しかし、どれほど優秀な上司でも、部下がオープンに伝えていない事柄を知る術はありません。また、上司は、私たちには想像がつかない厳しいミッションを抱えていて、重責とともに苦悩のなかにいます。
ゆえに私たち部下にとって、上司は万能ではない場合があるのです。
ビジネスパーソンであれば、自分の仕事を有利に進めたいと思うことも、昇進をしたいと思うことも正当な思惑です。そのために上司を資源として活用するのがボスマネジメントだという認識も正当です。
しかし、上司は無償の愛で私たち部下を包んでくれているわけでも、常に関心を持ってくれているわけでもありません。一方で、部下が働きかけることによって、部下のために動いてくれるのが上司でもあります。仕事効率を上げ、成果を上げたいと考えるのなら、ボスマネジメントのための条件であるフォロワーシップを徹底し、報連相を欠かさず行って、上司との信頼関係を築くべきでしょう。
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