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ロクゼロニュース
【プレスリリース】「従業員の教育制度と課題」に関する調査
2021.10.14
株式会社ヒップスターゲートは、従業員数300人以下の中小企業経営者を対象に、「従業員の教育制度と課題」に関する調査を実施しました。
中小企業経営者のみなさん、ご自身の会社の“教育制度”に課題を感じてはいませんか?
ここ数年、就職・転職市場は売り手市場が続いていましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、2020年度の有効求人倍率は1.18倍と前年比で0.42ポイント低下しました。
この水準は現在も続いており、2021年8月の有効求人倍率は1.14倍と、地域や業種によって売り手市場と買い手市場が混在している様子が窺えます。
※参照:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和3年8月分)について」
→https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21246.html
コロナ禍の影響で売上や業績が下がった企業も多い中、特に中小企業が生き残っていくには新たな人材の確保だけでなく、既存の従業員の成長が非常に重要です。
そのためには、社内勉強会などの教育制度の在り方も大きな転換点を迎えていると言えるでしょう。
では、中小企業経営者の方々は、自身の会社の教育制度にどのような課題や問題を抱えているのでしょうか?
そこで今回、社内勉強会の学習ネタや資料の素材サイト「ロクゼロ」(https://rokuzero.jp/)を提供する株式会社ヒップスターゲート(https://hipstergate.jp/)は、従業員数300人以下の中小企業経営者を対象に、「従業員の教育制度と課題」に関する調査を実施しました。
直近3年間での人材採用の満足度と採用基準レベルの変化
はじめに、直近3年間の採用活動に関して伺いました。
「直近3年間の採用活動において満足のいく人材の採用ができましたか?」と質問したところ、『とても満足のいく人材採用ができた(18.0%)』『ある程度満足のいく人材採用ができた(31.1%)』『あまり満足のいく人材採用ができなかった(20.7%)』『全く満足のいく人材採用ができなかった(30.2%)』という結果になりました。
半数を超える企業が、採用活動において満足のいく人材を採用できていないことが明らかになりました。
続いて、「人材を確保するために採用基準レベルを変えましたか?」と質問したところ、『変えていない(61.9%)』という回答が最も多かった一方で、『かなり甘くした(9.3%)』『やや甘くした(16.4%)』と、およそ4人に1人の方が、『採用基準レベルを甘くした』と回答しました。
人材を確保するために、本来の採用基準を甘くせざるを得なかったという企業も少なくない様子が窺えます。
しかしながら、それが結果的に満足のいかない人材採用に繋がってしまっているのかもしれません。
採用基準レベルを変えたという企業は、どのような部分の基準を変えたのでしょうか。
詳しく聞いてみました。
■この部分の採用基準レベルを変えました
【かなり甘くした】
・来るもの拒まず(30代/男性/千葉県)
・希望能力値を下げる、また、人物本位の採用から必要作業量を推し量っての採用へ(40代/男性/大阪府)
【やや甘くした】
・要経験者から未経験者も採用OKに変更した(30代/女性/神奈川県)
・資格をもっていないと採用しなかったが、無資格でも採用することになった(40代/女性/石川県)
【やや厳しくした】
・プロ意識や協調性、自己意識の面を重視して採用しています。自分の評価が高すぎる人材は採用見送りしています(40代/女性/福岡県)
・理念に共感しているか否か(40代/男性/東京都)
【かなり厳しくした】
・社会人としての良識や常識を持ち合わせているか、不撓不屈の精神を持っているかで判断した(40代/男性/大阪府)
・実務能力と経歴と人間性(50代/男性/東京都)
などの回答が寄せられました。
採用基準レベルを甘くした企業は、経験や資格の有無に拘らず、入社後に育てる方針へと変えたところが多いようです。
一方、採用基準を厳しくした企業は、経験だけでなく人間性も重視するようにしたところが多いと言えそうです。
社内に取り入れている教育制度は『社内勉強会』が最多
人材確保のために採用基準レベルを甘くした企業も少なくないことが分かりました。
入社後に成長して活躍してくれる人材であれば、例え採用基準を甘くしても大きな問題はないと言えますが、そのためには、社内の教育制度がとても重要です。
では、現在どのような教育制度を社内に取り入れているのでしょうか。
そこで、「ご自身の会社で取り入れている教育制度についてお聞かせください(複数回答可)」と質問したところ、『社内勉強会(37.8%)』という回答が最も多く、次いで『集合研修(26.1%)』『自己啓発(26.1%)』『OJT(21.7%)』『オンライン研修(19.6%)』『1on1(16.4%)』『eラーニング(12.4%)』と続きました。
『社内勉強会』を取り入れている企業が多いようです。
また、『オンライン研修』という回答が2割近くに上り、コロナ禍によるリモートワークの導入などを受け、オンラインでの教育制度にも力を入れ始めた企業も少なくない様子が窺えます。
【社内勉強会を取り入れている企業】社内勉強会の目的とその達成度
多くの企業で導入している『社内勉強会』ですが、どのような目的で実施しているのでしょうか。
前の質問で『社内勉強会』と回答した方に、「社内勉強会の目的を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『ビジネススキルの向上(営業力・リーダーシップ・マネジメント力 など)(58.8%)』という回答が最も多く、次いで『チーム力・組織力強化(54.2%)』『社内の横の繋がり(リレーションシップ)(42.5%)』『企業理念・ビジョンの浸透(39.9%)』『離職率の減少(16.8%)』と続きました。
戦力として活躍してもらうべく、『ビジネススキル』『チーム力・組織力』を高めることを主な目的として、社内勉強会を実施している企業が多いようです。
ある意味当然と言えるかもしれませんが、全ての従業員のビジネススキル向上や組織力強化は決して簡単にはいかないのも事実なので、定期的に社内勉強会を実施して強化に努めている企業も多いのではないでしょうか。
では、現在実施している社内勉強会で、それらの目的や狙いは達成できているのでしょうか。
そこで、「現状の社内勉強会でそれらの目的や狙いは十分に達成できていますか?」と質問したところ、『十分に達成できている(12.7%)』『ある程度達成できている(54.7%)』『あまり達成できていない(27.7%)』『全く達成できていない(4.9%)』という結果になりました。
多くの企業が、社内勉強会で目的や狙いは達成できていると感じている一方で、達成できていない企業も3割以上と決して少なくないことが分かりました。
■社内勉強会を実施するも、目的や狙いを達成できていない…
・教え方、話し合い方に問題あり 社員の仕事に対する意欲低下(20代/女性/新潟県)
・会社独自の規約や指導なので、外部との温度差や違いがある場合がある(40代/男性/和歌山県)
・教育する側のカリキュラムの不十分さ、また、教育の仕方に問題があると思います(40代/男性/岡山県)
・人材が固定化されていて、惰性になっている(40代/男性/東京都)
・社員のモチベーションが低い(50代/男性/岡山県)
などの回答が寄せられました。
社内勉強会に参加する従業員のモチベーションが低いことも、達成できていない理由と言えそうですが、それ以上に、勉強会を実施する側の教え方やカリキュラムに大きな課題があり、目的や狙いの達成に結びついていない様子が読み取れます。
目的や狙いを達成させるには、社内勉強会を刷新する必要があると言えそうです。
【社内勉強会を取り入れていない企業】取り入れていない理由と障壁
一方で、社内勉強会を取り入れていない企業は、どのような理由や背景から導入に至っていないのでしょうか。
先の質問で『社内勉強会』と回答しなかった方に、「社内勉強会を取り入れていない理由を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『準備する時間が取れない(29.2%)』という回答が最も多く、次いで『実施する時間が取れない(26.8%)』『教える人材がいない(24.3%)』『費用を割けない(21.0%)』『働き方の多様化(15.8%)』と続きました。
社内勉強会に価値を見いだせないというわけではなく、社内勉強会を取り入れたいものの、日々の業務が忙しく、準備や実施する時間を取ることが困難であり、また、教える人材も育っていない様子が、この結果から読み取れます。
●以降の結果
『その教育制度の重要性の理解が足りない(8.0%)』『ファシリテーターとなる人材がいない(6.3%)』『テーマや課題などの選定の仕方が分からない(4.7%)』
では、社内勉強会を取り入れる上での障壁は何なのでしょうか。
具体的に聞いてみました。
●社内勉強会を取り入れたいものの、これが障壁…
・勉強会の時間を取れない、企画して運営する人員がいない(40代/男性/埼玉県)
・コロナで大人数で集まることができない(40代/女性/埼玉県)
・それぞれの認識レベルの差(40代/女性/東京都)
・人数が少ないため、勉強会を開催して複数人に教育をできるような状況にないこと(40代/男性/千葉県)
・その場しのぎになりやすく、じっくり時間をかけてというのが難しい(50代/男性/大阪府)
などの回答が寄せられました。
教える側のリソース不足が障壁となっている企業が多いようです。
また、コロナ禍の影響で従業員が一堂に会することが困難になってしまったことも、新たな障壁となっていると言えそうです。
withコロナを生き残るには現有人材の育成がカギを握る!?
ここまでの調査で、社内勉強会を取り入れている企業の課題感、そして取り入れていない企業の障壁などが分かりました。
日々の業務に追われる中、社内勉強会の準備や実施の時間確保は相当難しく、また、教える側の人材が育っていないという企業も多いようです。
コロナ禍による影響で売上や業績が低下した中小企業も多いと思います。
全国に発出されていた緊急事態宣言・まん延防止等充填措置は9月末をもって解除に至りましたが、新型コロナウイルス感染拡大の脅威は今後もしばらく続くことが予想されます。
withコロナの時代に企業が生き残っていくには、既存の従業員の力が大変重要と言えるでしょう。
そこで、「withコロナとなり、会社が生き残っていくには既存の従業員教育や育成が重要だと思いますか?」と質問したところ、7割以上の方が『とてもそう思う(33.9%)』『ややそう思う(42.1%)』と回答しました。
既存の従業員のスキルを上げ、全社が一枚岩となって業務に邁進していくことが、withコロナとなった現在、そしてこれからの企業成長には必要不可欠と言えそうです。
withコロナとなった今、社内勉強会の在り方も大きな転換点を迎えている
今回の調査で、中小企業経営者の方々に、“売り手市場”から“買い手市場”への転換期における人材採用の実情や教育制度について伺うことができました。
本来求める人材よりも採用基準を甘くした企業もあれば、厳しくしたという企業もあるようですが、人材確保のためには、スキルや経験といった部分で採用基準レベルを甘くせざるを得ないという企業も少なくない様子が見えてきました。
もちろん、『ビジネススキル向上』『チーム力・組織力強化』といった目的で社内勉強会を実施している企業も少なくないようですが、現状の社内勉強会がそういった目的の達成に繋がっていないことも珍しくないと言えそうです。
また、そもそも社内勉強会を実施していない企業は、『準備や実施の時間が取れない』『教える人材がいない』などの理由で社内勉強会の実施が難しい現状も浮き彫りとなりました。
withコロナとなり業績が低下した企業も多いでしょうから、これからの時代に企業が生き残っていくには、現有人材にフォーカスし、教育制度の充実を図り成長へと繋げることが非常に重要です。
そのためには、オンラインでの実施も含め、『社内勉強会』といった全ての従業員が成長できる環境を作り、企業の総合力を高める必要があると言えるでしょう。